参百廿陸.みんなでオフロ○キー
俺「ですが、神様みたいなものだと思ってもらっても構いませんわ。大事なのは私たちが友達だってことですから」
そう。俺が何者かなんてこの際どうでもいい。大事なのはそんなことじゃないんだ。
中宮「そうでしたわ。私たちは友達でした」
明子「大事なことを忘れるところでした」
さて、中宮と明子との親交も深まったところで、今日のメインイベントに移りましょうか。でゅふふ。
え? 関白の話? それもあるけど、みんなでお風呂に入ることのほうがもっと大事な用事なんだよ。
俺「では、そろそろお風呂場に行きましょう」
平安貴族の女性に取って、服を脱ぐというのは大変なことだ。と言うのは冬のことであって、夏はそれほどひどくはない。夏の暑い日に何十枚も着込んでいては暑くて耐えられないからだ。
とは言うものの、さすがに人様の家に行くのにいい加減な格好で行くわけにもいかないから、ある程度はちゃんとした格好をしている。もちろん接待する側もそうだ。
なので、俺たちは今、脱衣所でお互いの服を脱がせあっている。この離れには限られた人しか入れないから、中宮といえども侍女にお任せというわけにはいかない。
美人5人がキャッキャウフフと言いながらお互いの服を脱がせあっているというのは、かなり心に来るものがある。俺は現代に帰っても一生この光景を忘れないよ。
というわけで、全員が裸になってから俺たちは浴室の中に入った。
中宮「これは何ですか?」
俺「それはシャンプーよ。髪を洗うためのものだけど、長い髪を一人で洗うのは大変だからみんなで洗いっこしましょうね」
中宮の髪も明子の髪も、平安時代の一般的な貴族の女性と同じように、髪は香油でベタベタになっていた。だから、シャンプーをしても最初のうちはちっとも泡立たない。
俺と雪と空の3人がかりで何度もシャンプーをしてようやく元のさらさらの髪が現れたのだった。ちなみに2人の髪にしらみはいなかった。丁寧に侍女がしらみを潰してくれているのだろう。
そこまで来てようやくトリートメントとリンスの出番になる。長い髪の手入れはいつだって大仕事なのだ。
続いて俺と雪と空の髪も洗って、5人の体も洗って、ようやくゆっくりと湯船に浸かることができた。
中宮「とてもさっぱりしました」
明子「頭が軽いです。それに体も痒くなくなりましたわ」
中宮「かぐや姫さまたちの美の秘密はこれだったのですね」
俺「そういうことですわ」
俺についてはもともと魅力値がカンストしてるという根本的なことはあるけど、雪や空について言えば日々の肌や髪の手入れが大きく効いているということは間違いない。
ついでに言うと、例の玉艶の毛皮の灰が入った石けんとシャンプーを使ってるからってこともかなり重要な要素ではあるんだけどね。
俺「さて、今日、みんなに来てもらったのは、最後に親睦を深めておきたいということもありますが、ひとつ相談したいことがあってのことでもあるんです」
中宮「なんでしょう?」
俺「それは、実は関白さまと権大納言さまのことなのですわ」
明子「それは一体……?」