表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
317/362

参百拾漆.プロ○ェクトX

 女子会を堪能して次の約束まで取り付けたのでご機嫌で屋敷に帰ってみると、墨が縁側でぐでーと横になっていた。


 俺「墨、ただいま」

 墨「っ、ふぁっ。お、おかえりなさいませ、ご主人さま」

 俺「どうしたの?」

 墨「べ、別に、久しぶりに1人ぼっちで寂しいななんて思ってたわけじゃないにゃ」


 ああ、久しぶりに1人で寂しかったんだな。


 俺「よしよし。それじゃあ今日はこれから1日たっぷりかわいがってあげるわ」

 墨「そ、そんな風に尻尾を触っちゃだめにゃぁ」


 帰る前に心残りのないように墨のこともかわいがっておかないとね!


 墨「にゃぁっ」



 そんな調子で何事もなく数日が過ぎた時、朝ご飯を食べていると突然念話が頭の中に響き渡った。


 雨(助けて、ご主人さまっ!)

 俺「今日もご飯がおいしいわ」

 雪「え、あ、ありがとうございます」

 雨(ご主人さまっ!!)


 ちなみに今日の朝ごはんは焼き魚、海苔、漬物、味噌汁にご飯という典型的な焼き魚定食だ。俺と雪の日々の工夫の賜物で、調味料も随分進化してとうとう現代の日本食と遜色ないものが作れるようになったのだ。


 個人的に、もうこれは歴史の教科書に乗る程の偉業と言ってもいい。プロ○ェクトXが取材に来てもおかしくないレベルだ。


 雨(ご主人さま、返事してよっ!!!)

 俺(雨、うるさい。今、朝ご飯)

 雨(それどころじゃないんだよ。僕、もう死んじゃうよ)

 俺(どうせ仕事が多すぎるとかそんな理由でしょ)

 雨(その通りだよっ。よく分かったねっ)


 まあ、あの大国主がさばいてた量の仕事が追加で降ってきてるんだからな。雨には荷が重いだろう。一晩で逃げて来なかっただけでも褒めてやるべきなのか。


 とにかく、食事の間は黙っているように雨に言って、雪と墨と空との食事を楽しんだ後、雨に念話を繋げた。


 雨(遅いよ、ご主人さま)

 俺(で、状況は?)

 雨(死にそう)

 俺(雨の希望は聞いてないよ)

 雨(死にたいんじゃなくて死にそうなのっ。3年先まで会議の予定がぎっしり詰まってるんだよっ)

 俺(大丈夫。3年なんて一瞬だよ、一瞬)


 ※ この『一瞬』は神様基準です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この小説は、一定の条件の下、改変、再配布自由です。詳しくはこちらをお読みください。

作者のサイトをチェック
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ