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参百拾壱.レイズ

 天照『むー。なんか、すごく乗り遅れた気分』

 俺『何言ってんの? こんなのブームでもなんでもないよ!?』

 天照『決めたっ! 私も姫ちゃんに求められてキスされるっ』

 俺『え、そんなんでいいの?』


 一晩好きにする、ってのからは随分後退したな。いや、望むところなんだけど、天照はそれで納得なんだ。


 天照『その代わり、姫ちゃんが本気で求めてくれなきゃ嫌なんだからね』


 何っ!? それはある意味余計にハードルが高いんじゃないか?


 天照が俺を一晩好きにするってのは、俺が受け身だから我慢してやり過ごすことも可能だけど、新しい条件は俺のほうからアプローチしなきゃいけないじゃん。


 俺『雪……』

 雪「わ、わたし、あっちを向いています」


 そう言って雪はくるりと後ろを向いてしまった。……これで最後の逃げ道が潰えた。


 目の前には準備万端で目を閉じて上向き加減でその時を待つ天照の姿。


 雪の時も空の時もその場の勢いってのがあったけど、今は全くの素面しらふだから、改まってキスしなきゃいけないとかすごい恥ずかしいんだけど……。


 といっても、もうこうなったらキスしないわけにはいかないわけで。ええい。もう、知らない。


 俺は考えることを止めて、わざと平常心を装って天照に近づいて、肩に手を置いた。


 そして、そのまま顔を近づけて……


 天照『姫ちゃん』

 俺『ふへっ』


 唇が触れようというところでいきなり天照に声を掛けられて思わず変な声が漏れた。


 天照『本気でキスしようとしてる?』

 俺『あ、えっと……』


 痛いことを言われてしまった。


 俺『……ごめん』


 でも、そんなことを言われても、キスするしないは天照の方から言ってきたことで、俺は今の今までそんなことをしようなんて考えてなかったんだから仕方ないじゃん。


 そんな言い訳が頭をよぎるがそれを口に出すことはできなかった。


 天照は表現はふざけているが気持ちは直球だから、それに対してあれこれと言い訳するのは恥ずかしい気がしたのだ。


 天照『いいよ。姫ちゃんの気持ちは分かるから。いきなりそんなこと言われても難しいよね』

 俺『……』

 天照『同化の解除のことは姫ちゃんに任せるよ。雪ちゃんがOKなら雪ちゃんの体に同居するので構わないから』

 俺『……分かった』

 天照『じゃ、他になかったら私はもう行くよ。長居すると武甕槌が怒るからねっ! じゃねっ!!』

 俺『じゃ、また』


 それだけ言うと、天照は慌ただしく空へと去っていった。


 なんだろう。……俺、何か間違った?

金曜日でかぐや姫を投稿し始めてから満3年です。3年経っても完結していないとはこれいかに。書き始めた時にはそんなつもりは全くなかったのですが……。全然年内にすら完結する気配もないし。


今回の更新はここまでです。しばらくまた書き溜めて、次回更新は11月末から12月頭になると思います。よろしくお願いします。

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