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弐百捌拾肆.息子たち

 雨(ご主人さま!?)

 月☆読(私は何でもいいのですが)

 武甕槌(大国主が担当していた仕事は多い。これまで何の仕事もしてこなかった奴がいきなりできるような仕事ではない)

 雨(そうだよ。僕はね、仕事はね、ちょっとくらいだったらご主人さまのためにしてあげてもいいかなと思わなくもないけど、大変なのは絶対にやだからね)

 武甕槌(ほう。ちょっとくらいならいいのか?)

 雨(え、あ、いや、えと、あの、その……)

 武甕槌(仕事がしたいなら他にもいくらでもあるぞ)


 武甕槌の突っ込みに、しどろもどろになりながらすり足でちょっとずつ俺の背中に回り込もうとする雨。


 俺「最近、雨は仕事ができるようになったんだよね」

 雨(できないっ。全然できないっ)

 俺「仕事ができないのなら春日神社に帰ってもらうけど」

 雨(はうぅぅぅ)


 すこしいじめると、雨はがっくりと崩れ落ちてしまった。


 でも、雨は一応は名の通った神様なはずなんだし、いつまでもニートなんてやってないで少しは働いたほうがいいと思うんだよ。食器の片付け以外にも。


 俺「でも、それじゃあ、他に誰がいるの? 別雷の爺さんは隠居してるし、八幡は有給休暇だし」

 武甕槌(すせり姫、事代主ことしろぬし建御名方たけみなかたは今どこにいるのだ?)


 事代主と建御名方はご存知の通り大国主の息子たちだ。大国主が倒れた今、息子たちに仕事を継いでもらうというのは大いにあり得る話だ。


 そう言えば、神話が事実なら武甕槌は事代主と建御名方とは直接面識があったような。


 すせり(事ちゃんは天児屋の100倍くらい筋金入りの引きこもりだから、前に海に引きこもったきり最近は見てないわね)


 引きこもりかよっ! しかも、また例によって時間間隔が狂った話をしている気がするし。


 俺「あの、ちなみにその「前」って何年くらい前ですか?」

 すせり(そうね。もう500年くらいになるかしら)


 やっぱりか!!


 すせり(たけちゃんの方は「ビックになって帰ってくる」って行って日本を飛び出して行っちゃったから、今はどうなってるのか)


 ビッグじゃなくてビックか! 電器屋の修行か!!


 月☆読(前に一度別雷の爺さまから聞いたことがあります。何やらヨーロッパの方で異国の女神と駆け落ちをしてそのまま行方知れずだとか)


 修行はどうした!!!


 俺「なんか、話を聞いてるだけで疲れたわ」

 すせり(仕方ありません。他にいい考えがないのなら、お父さまにお願いしてみましょう)

 俺「え?」

 雨(お父さまって)

 すせり(スサノオですわ)

 雨(だめーーーっ)

 俺「うん。それはいいアイデアかも」

 雨(ご主人さまっ)


 スサノオは根の国を上手く治めているみたいだし、神力も強くて神格も高い神だ。地上を治めるにはもってこいじゃないか?

神話によれば、武甕槌が大国主と事代主と建御名方を説得して葦原中国の平定を成功させたということになっています。武甕槌と建御名方はその時に力比べをしています。

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