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弐百漆拾参.はねびしょう

 寛子「……、あの、ご主人さま」

 俺「なあに? また質問?」


 今日は1日掛けてこのお屋敷の秘密を一つ一つ説明して、その度に驚く寛子を見て楽しんでいたんだけど、気がついたらもう日が暮れて辺りが夕闇に包まれてしまった。


 寛子「外は暗くなったのに、どうしてこの部屋は暗くならないんでしょうか?」

 俺「それはね、居住結界が照明機能も持ってるからだよ」


 そう言って、音声操作で部屋の照明の色味を変えたり明るさを変えたり点けたり消したりしてみせると、また寛子が驚いていたので俺は大変満足だ。


 俺「墨、墨」


 俺は墨を呼ぶと、膝の上に抱っこして座った。昔は猫で今は猫娘の墨は今も昔も抱きまくらとしての性能はピカイチで、くつろぐたいときにはいつも呼び出して抱っこしているのだ。


 墨「んんっ、ふぅ」


 耳の後ろをいじっているとくすぐったそうな声を上げるのが好きで、ついついいたずらをしてしまう。


 俺「そうだ、寛子、これから名前はそらね」


 雪、雨と来たからにはそれっぽい名前を考えなきゃということで、広い空ということにしてみた。雪、墨と並べると白、黒、青ということになるしね。ちなみに明子のイメージは赤で中宮は緑かな。


 俺「でね、空。もし知ってたら教えてほしいことがあるんだけど」

 空「はい。何でしょうか?」

 俺「明子が心を寄せていた人に心当たりはない?」

 空「心を寄せていた人ですか? そんな人がいたのですか?」


 うーん。もしかしてと思ったんだけど、やっぱり分からないか。残念。



 その日から寛子改め空は俺の元で女房として働くことになった。


 空には屋敷に備えられた便利機能の数々を見せて使い方を教えたり、魔法を使って見せて魔法の使い方を教えたりした。意外なことに空は割りと魔法の才能があるようで、教えたらいくつかの魔法はすぐに再現してしまった。


 墨が人間じゃなくて猫娘だということは隠しきれない耳と尻尾のせいでバレバレだが、雨が神さまだということは話していない。俺が未来から来たということもだ。その辺は追々。


 今はちょうど、おしりに優しいトイレットペーパーの作り方を空に実践して見せながら伝授しているところだ。これは魔法を使うので空が覚えてくれると俺の仕事が減って助かる。


 そこへ雪が慌ててやってきた。


 雪「かぐや姫さま」

 俺「どうしたの、雪。そんなに慌てて」

 雪「これは確証のないただのうわさ話なのですが、大納言さまの事件の糸を引いたのは実は関白さまだったという話で持ちきりになっているみたいです」

 俺「ええ!? まさか、それは流石にないんじゃないかしら」

 雪「それで、帝はこの件をこれ以上追求するつもりはないそうなのですが、関白さまと権大納言さまの関係がかなり悪化された様子で、明子さまの入内も一時見合わせということになったようです」


 あら、また見合わせ? 明子は運がいいんだかなんなんだか。とにかく、また少し時間に余裕ができたみたい。今度は気を緩めずに今のうちにちゃんと明子の件の解決策を考えておかないとな。

というわけで、寛子改め空がかぐや姫の使い魔になりました。魔法も使えてなかなか有望な使い魔みたいです。


来週からはかぐや姫の更新はまたしばらく休みで、代わりに国王様の更新を再開します。


よろしくお願いします。

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