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弐百伍拾伍.西方浄土

 俺(雨、墨、三羽烏!)

 三羽烏(はいっ!!)

 墨(姫さま?)

 雨(うふふ、ご主人様、ぱふぱふはそうやるんじゃないですよ)

 俺(起きろ、雨!)

 雨(はっ、ご主人様、ぱふぱふは?)


 念話で寝言とか、どこまで残念なやつなんだ。


 俺(いいか、緊急事態だ。一刻も早く関白が蓬莱山に行っていないことを証明しないといけない。三羽烏、お前たちはいまから関白の屋敷に行ってとにかくなんでもいいからこの半年間、関白が何をしていたかを調べろ)

 三羽烏(えっと、何を?)

 俺(京に残した部下とやりとりしていた手紙とかがあるかもしれないから、そういうものを探せ)

 三羽烏(はいっ)

 俺(それから、墨、お前は今からすぐにイッチーたちのところへ行って来てくれ)

 墨(市杵島姫さまの?)

 俺(そうだ。確か、イッチーたちは一度関白にあったことがあると言ってた。どこで会ったか聞いて確認してきてくれ)

 墨(でも、あんな遠くまでどうやって行けば……?)

 俺(雨、お前が送れ)

 雨(えー。あんな遠く、疲れちゃうよ)

 俺(いいから行け)

 雨(無理ー。ご主人さまのぱふぱふとかがあれば行けるかもしれないけどー。ちらっ、ちらっ)

 俺(それ以上言うと、脱出不可能な方法で縛って根の国に捨てるよ)

 雨(嫌ー。根の国は止めてー。ガクガクブルブル)

 俺(じゃ、全力で飛ぶこと。ちょっとでも手を抜いたら、根の国行き決定だからな)

 雨(鬼っ。悪魔っ)

 俺(1時間で飛べ)

 雨(無理。死んじゃうよっ)

 俺(根の国)

 雨(ううー。ご主人さまのバカーー)


 よし。後は墨と三羽烏が何か見つけてくれるのを祈るだけだ。


 関白「いかがですか? 何か気になることでもございましたかな」

 俺「そうですね。とてもよい品だと思います。手に入れるのは大変だったのではないでしょうか」

 関白「はい。正に命がけでしたので」

 俺「真贋についてはこの場ではっきりさせることはできません。もう少し時間がかかります」


 墨たちが証拠を発見するまでの間、俺はこの会見を少しでも引き伸ばして結論を後回しにしないと。


 関白「そのように逃げてしまわれては困ります」

 俺「逃げているのではございません。蓬莱の玉の枝はそのままでも比類なき宝物ですが、西方浄土からの光を浴びるとその美しさがさらに神秘的なものになると言います」


 嘘です。でも、これで西日に当てて確認すると言えば、夕方まで時間を稼げる。いっそ、雨でも降ればいいんだけど。そしたらもう一日稼げるから。


 俺「真贋の判断はそれを見てからにさせてください。それにせっかくの蓬莱の玉の枝です。本物であれば、その真の美しさを見ずに終わらせてしまうのはもったいないと思いませんか?」

 爺「確かに。もしそのような美しいものが見られるというなら、是非とも私も見てみたいものですな」

 関白「……、分かりました。それでは、折角ですから私は今晩はこちらに一泊させていただくことにいたしましょう」

 爺「それはよい考えです」


 えっっ!!!

今日は煮干しの日だそうです。みんな墨に煮干をあげよう!

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