弐百肆拾参.Xmas番外編 其の壱
今日と明日の2日間はクリスマス企画ということで番外編を2本投稿します。本編とは無関係なパラレルワールドの出来事だと思ってください。なお、年内の投稿はこれで最後で、次回は来年になります。
ある日、目が覚めるとそこはいつもの寝殿造りではなかった。
俺『あれ? ここは?』
弾力のあるスプリングの入ったベッドの感触。気密性の高い部屋の窓。机の上に置かれた教科書と漫画とノートパソコン。
俺『戻ったのか? 俺は』
見覚えのあるその光景は確かに現代の俺の部屋に間違いなかった。
俺『はは、夢だったのか』
夢にしては長い夢だった気がする。だけどやっぱり夢だったのだ。
俺『そうだよな。そんなことあるわけないもんな』
俺は身体を起こしていつもベッドの近くで充電しているはずの携帯を探す。今日は一体何曜日だっけ?
『7:34 12月25日(水)』
あれ? 12月? もう冬休みなんだっけ?
よく思い出せない。まだ寝ぼけてるんだろう。とりあえず、顔でも洗ってこよう。
それにしても髪が邪魔だな。面倒だから縛っておこうか。ゴム、あったっけ?
俺はさっきから顔にかかる長い髪を耳に掛けて髪を縛るゴムを探した……!?
あれ、なんで髪が長いの? 俺の髪って短かったはずじゃ?
はっと俺は自分の身体を確認する。胸の当たりにはもう見慣れてしまった2つの膨らみ。そして股のところには以前確実にあったものが相変わらずなくなったままだ。
どういうことだ? あれは夢じゃなかったのか!?
慌ててドアを空けて部屋を飛び出そうとした俺が見たものは!?
天照『ドッキリ大成功ー!!』
俺『天照、お前は何をやっているんだ』
天照『何って、クリスマスのドッキリ企画だよ。どう、このセット? すごくよくできてると思わない?』
俺『ま……、まあまあかな』
天照『ほら、このパソコン。これすごい自信作なんだよ。姫ちゃんがコレクションしてたエロ画像フォルダまで完全再……』
俺『わーわーわーーー』