弐百参拾捌.ミラクルチェンジ II
雨(これはひどい)
俺『これはひどい』
俺たちは中納言の部屋に入って怪我の状態を調べていた。その結果、どんなに美形でも男の裸は別に興味の持てるものではないことが分かった。
天照『いや。あたしは姫ちゃん以外の男の下半身に興味はないの』
俺『俺の下半身は誰かのせいで女だけどな』
雨(ぶーっ)
急に雨が鼻血を吹き出した。汚いなぁ。
俺『とにかく見て直してやれ』
天照『きゃー。妊娠するー』
俺『そんなこで妊娠したら女医さんは仕事にならんだろ』
天照『姫ちゃん、こんな男の子どもを産むくらいなら姫ちゃんの子どもがほしいよ』
バチコン
俺『いいから治療しろ』
天照『ふぁい』
ようやく観念したのか、叩かれた頭を抑えながら患部を確認する天照。真面目くさった顔で眉間に皺を寄せてあちこち手で触っていた。
天照『腰椎と骨盤が複雑骨折して脊椎が損傷してるわ。治すのはちょっと手間ね』
俺『治せるか?』
天照『このままじゃ無理。手伝って』
俺『お、おう』
神妙な顔つきで振り返った天照に思わず頷いてしまった。しまったと思ったがもう後の祭り。
天照はどこからともなくいつか見たことがある魔法少女っぽいマジカルスティック的なものを取り出すとポーズを決めた。
天照『ミラクルチェーンジ(はぁと』
次の瞬間、天照は白衣の女医さんになっていた。巨乳の女医さんとかいけない想像しか浮かんでこない。
天照『きゃー、姫ちゃんかわいー』
俺『何?』
そして、俺はナースになっていた。真面目な顔をしてるから真面目になったと思ったら、結局これか!
雨(すごい! 素晴らしい!! 最高!!!)
隣では俺と天照のコスプレを見て死ぬんじゃないかというほど興奮している残念な神さまが1匹。
先週からお気に入りが増えているのはもしかしてジブリのお陰なんでしょうか?