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弐百参拾陸.おまわりさんこっちです

 俺『天照』

 天照『ケーキーがー』

 俺『しっかりしろ、天照。ちょっと、お前に頼みたいことがあるんだよ』

 天照『ケーキ』

 俺『分かったよ。ちゃんと後で食べるから』

 天照『えへー。で、何?』


 なんか、勢いで食べる約束をしてしまったが、大丈夫だろうか? とりあえず胃薬だけ用意して、後のことは後で考えよう。


 俺『お前、腰の骨折って治せる?』

 天照『くっくっく。我をバカにするなかれ。病気と怪我の治療なら、死者蘇生以外ならなんでもできるなるぞ』

 俺『何のキャラだよ、それは』

 天照『して、誰を治療するのじゃ?』

 俺『中納言って分かるか?』

 天照『中納言……。嫌だ』

 俺『は?』


 名前を聞いて拒否するってどういうこと?


 天照『中納言とかいう輩には、あたしが直々に天罰を下してやったのだ。むしろ姫ちゃんは喜ぶべき』


 なるほど。鬼の仕業かと思ったら、こんなところに犯人がいたのか。事と次第によっては天照といえどもお仕置きしないといけないかもな。


 俺『とりあえず、詳しく説明してもらおうか?』

 天照『今日、あたしが空から下界の様子を観察して、あわよくば姫ちゃんのあられもない姿でも見れないかなーって思ってたらね』

 俺『ろくでもない動機だな』

 天照『燕を痴漢してる変態がいたのよ!』

 俺『燕を痴漢???』


 何を言っているんだ、こいつは。


 天照『そいつは、燕が子安貝を産み落とす瞬間を狙って、燕のお尻ばかり見てたの』


 ああ、何のことかと思ったら、中納言のことを言ってるのか。


 天照『で、とうとうその変態が卵を産もうとしている燕を見つけて襲いかかったのよ』

 俺『まあ、そうでもしないと子安貝なんて手に入らないもんな。でも、そもそもあれは魔法具の類だから普通の人間に手に入れられるものじゃないだろ?』

 天照『姫ちゃん、何を言ってるの。その変態は加護持ちなのよ。万が一ってこともあるの。で、今日はその万が一だったのよ』

 俺『え、じゃあ、中納言は子安貝を手に入れちゃったの?』

 天照『そうなの。しかも、その変態は燕を痴漢するだけじゃなくって、子安貝と引き換えに姫ちゃんの身体まで狙ってるじゃない』

 俺『言い方がひどいけど、確かにそういう約束だね』

 天照『だから天罰を下してやったのよ』


 鼻息荒くふんぞり返ってドヤ顔で言い放つ天照。神として当然の怒りとでも言いたげだが、明らかに職権乱用だった。


 バチコン

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