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弐百拾肆.三十六計

 と、そこまで話したところで、急に俺の胸が何かに掴まれた。


 もみもみ


 俺『天照、またお前かっ』

 天照『くー。最近、姫ちゃん分を摂取してなかったから、生き返るようだよ』

 俺『お前はさっき落ち込んでたんじゃなかったのかっ』

 天照『最高神の持つパッシブスキル「超回復」の効果です』


 精神的なダメージまで回復するとか、どれだけはた迷惑なパッシブスキルなんだ。というか、そんな能力があるなら今日最初に見せたあの表情は何だったんだ。


 ゴツン


 天照『痛い』

 俺『自業自得だ』

 雪「くすくす」

 俺、天照『?』

 雪「天照さまが元気になったみたいでよかったです。それに、かぐや姫さまも天照さまがいると楽しそうで嬉しいです」

 俺「私、全然楽しくないよ!?」


 胸を揉まれて楽しそうにしてるとか、どんだけ変態なの、俺!?


 天照『やっぱり、姫ちゃんもあたしとラブラブエッチなことをするのが楽しいんだね』

 俺『だから、違うと言ってるじゃないか!』


 大体、俺は攻められるより攻める方が、じゃなくて、俺は変態じゃないよ!


 雨(あー。ずるい。僕がいない間にみんなで楽しんでるなんて)

 俺『楽しんでないよっ! ひゃんっ』


 雨の登場に気が逸れた一瞬の隙を突いて、天照が先端を攻撃してきたせいで思わず変な声が漏れてしまった。


 俺『やめろよ。俺の胸はおもちゃじゃないんだ』

 天照『何を言ってるのさ。本物だからいいんじゃないか』

 雨(そうだよ。おもちゃなんかじゃ満足できないよ)


 ぞわぞわっ


 やばい。1対1ならともかく、2人掛かりじゃ俺の分が悪すぎるかも。


 ちろと雪を見てみると、純真無垢な瞳でにこやかに微笑んでいらっしゃる。ああ、そういうすれてないところも好きだけど、今はもうちょっと危機感をもって助け舟を出してくれるとありがたいなぁ。


 しかし、ないものねだりをしても得られるものは何もない。というか、刻一刻と何か大事なものが奪われてしまう危険がどんどん高くなってきているわけで、一秒でも早くなんとかしないと。


 って、考えるまでもなく、逃げる以外の選択肢なんてあるわけなかった。


 雨(あっ、逃げたっ)


 俺はぱっと縁側から飛び降りると八咫烏の羽を取り出して地面に足がつく前に羽を具現化させた。


 俺『やってられるか』

 天照『待てー!』


 俺が音速に迫る勢いで空に舞い上がると、天照が負けじと空に飛び立つ。


 雨(ちょっと、僕、空飛ぶの苦手なんだけどっ)


 雨もふらふらと飛び立ったが、俺と天照の速度についてこれるわけもなく、まるでトンボをチョウが追いかけるようにしかならない。


 それはすでに若干様式美の域に入りつつある気もする俺と天照の天空の追いかけっこ。満月の今日は邪魔者(=月☆読)も入らないので天照が飽きるか夜明けが近づくまで、いつ果てるともなく続くのだった。

天照とも仲直りできてめでたしめでたしです。


さて次はまた公卿が課題の品を持ってかぐや姫を訪れるのですが、はたしてどうなることやら。


少しおやすみしてからの再開となります。猫魔女の執筆が遅れ気味で、そちらを完了させてからこっちに取り掛かるので、多少再開までお時間をいただくかもしれませんが、よろしくお願いします。

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