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弐百肆.解放

 中納言「やはりこれもかぐや姫殿の持つご加護のせいなのかな」

 俺「かぐや姫、…殿…、のご加護?」


 何それ。そんな話になってるの?


 中納言「噂だよ。かぐや姫殿の縁者が急に出世をしているものだから、そういう噂が立っているんだ」


 そういえば、雪の実家も出世してるんだったな。後、詳しく知らないけど爺の親戚も出世してるみたいだし。そういう噂が立つのも無理はないか。


 中納言「かぐや姫殿に求婚している身で言うのも変だけどね、彼女と結婚した男が次の太政大臣になるという噂まであるんだよ」


 中納言は冗談めかして言ったが、ちょっと冗談ではない。そんな噂が立ったら、今の求婚者を断った後もそれ目当ての求婚者がまた来ちゃうじゃないか。


 雪「かぐや姫さま、大丈夫ですか?」


 予想を超えた展開に呆然として思わず動きを止めた俺の耳元で、心配そうに雪がささやいた。


 そうだった。忘れてた。


 我に返ると再び強烈な尿意が俺の下半身を襲ってきた。


 だめだ。限界……


 俺「お……」

 中納言「お?」

 俺「おしっこ、どこですか?」


 恥ずかしすぎで死にたい……



 俺の異変にようやく気づいた中納言に案内されて樋殿ひどのに到着した俺は、たまりにたまったものをようやく解放した。ああ、なんて開放感。


 おまるの処理を雪に任せて、俺はしばらくぶりに手足を伸ばして凝り固まった身体の筋をほぐした。


 ちなみに、雨は外で待機だ。ずうずうしくもトイレまでついてこようとしたが、最後の力を振り絞って蹴り出してやった。だけど、お陰でまたちょっと漏れちゃったんだよ!


 俺「あ、雪も今のうちについでにしてくといいよ」

 雪「はい。分かりました」

 俺「でも、その前に」


 俺は閉めた扉の側へと回り道をして近づいて、復元させた太刀を扉の隙間に一思いに突き立てた。


 俺「何か、悪い虫が1匹いたみたい」


 あ、ところで、俺が雪にトイレを進めたのはやましい理由じゃないからな。純粋に雪の身体を労っただけで、雨とは違うんだからね。

おしっこ我慢するとき、男の子は足をばたばたさせるけど、女の子は足をもじもじさせるという統計が(私の脳内に)あります。

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