表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
126/362

百廿陸.リスニング

 すせり(わからなくてもいいのよ、お子様には)

 天児屋(何いってんだ、貧乳のくせに。お前だってお子様じゃないかっ)


 天児屋の言葉を聞いて、すせり姫をもう一度見た。確かに神さまだけあって肌の張りとつやが素晴らしい上に、胸もないし背も低いから正直なところ10代の少女にしか見えない。まあ、天児屋は見た目小学生なのだけど。


 俺『実年齢はどっちも数百歳のくせに』


 すせり(何か言いまして?)

 俺(いえ、何も)


 びびった。現代語のつぶやきが理解できたのかと思った。


 すせり(実際、数百歳だから仕方ないですけど)

 俺(聞こえてたの!?)

 すせり(あんな大きな声で話せば聞こえますわ)

 俺(いや、現代語、というか1000年後の言葉が理解できるんですか?)

 すせり(DVDを見て覚えました)

 俺(は、DVDすか)


 そういえば、お○んを見たと言っていた。なら現代語くらい聞き取れて当たり前だった。


 俺(ところで、そのDVDはどこで手に入れるんですか?)

 すせり(主人が時々くれるんです。見たいものがあったらリクエストしておくと、次の時に取り寄せてくれます)

 俺(主人って大国主?)

 すせり(はい。ポッ)

 俺(いや、その「ポッ」って意味分かんない)


 しかし、ここで大国主。やっぱり、大国主と時間転移魔法には何か関係があると見て間違いなさそうだな。


 そして夕方。すせり姫はあの後も30分ほどボケ続けて家事が残ってると言って走って行ってしまった。偉い神さまの奥さんなんだから人雇えばいいのに。


 それはともかく、大国主。もう仕事上がりのはずだから、そろそろこの廊下を通るはず。


 ……

 ………


 (来ない。おかしいな)


 天児屋(あっ!)


 天児屋が声を上げて指さした方を見ると、大国主が反対側の方から回り込んでアニメ鑑賞室へと入ろうとしているところだった。


 大国主(ひぃっ!!)

 天児屋(お前、何こそこそしてるんだよ)


 大国主は返事もせずに部屋へと飛び込んだ。


 バシンッ


 障子を勢い良く閉めた音を聞いた俺たちは、不思議に思いながら大国主の部屋へと駆け寄った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この小説は、一定の条件の下、改変、再配布自由です。詳しくはこちらをお読みください。

作者のサイトをチェック
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ