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百拾玖.しゃてー

 天児屋(ううっ、お前はっ、貧相な子どものくせにおっぱいを独り占めしやがってっ。僕だって使い魔になったんだからちょっとくらい分けてくれてもいいだろっ!!)

 俺(そういう態度だからお前は独りで飛べと言ってるんだ)


 俺は頭痛がしそうな頭を押さえながら立ち上がった。


 俺(もう行くぞ。今日中には出雲に着きたいんだから)

 天児屋(いやだ。ご褒美があるまで僕はここから動きたくない)

 俺(そんなにご褒美が欲しいんなら、今ここで「いいこと」してやるぞ)


 そう言って俺が例のムチを取り出すと、天児屋はみるみる顔を青ざめさせて立ち上がった。


 天児屋(あー、なんだか急に大国主に会いたくなったなー。何をぐずぐずしてるんだ。さっさと行かないと置いてくぞ)

 俺(あ、おい、ちょっと)


 俺の声も聞かずに空に浮かび上がった天児屋は、さっきまでぐずぐず言っていたのが嘘のようにスピードを上げて出雲の方へと飛び去っていった。


 俺(なんだ。やればできるじゃないか)

 墨「ひゃっ」


 まだ赤面したままの墨を両腕で抱えると、飛び去った天児屋を追いかけて俺も空に向かって飛び立った。


 それから天児屋は一度も休憩を入れることなく出雲の杵築大社まで飛び続けた。


 俺(お前、やっぱり飛ぶのが苦手とか嘘だったんじゃん)

 天児屋(はぁはぁ、何言ってる、んっ、ふぅはぁ、これのどこが、はぁ、得意に見えるんだ)


 天児屋は息を切らしてそう言ったが、どうして念話に息遣いが混じるんだろう?


 俺(あれが杵築大社か。どこから入れるんだ?)

 天児屋(はぁはぁ、こっちだ。ついて来い)


 相変わらず息を切らしたままで天児屋は大社の中の一点を目指して降りていった。


 春日神社の時と同じく、人間の目では見つけられない神さま専用の入口を通ると、神の世界に入った。


 天児屋(うー、涼しい。やっぱ、人間界は暑くてやってらんないよなー)

 俺(そうだな)

 天児屋(おーい、大国主ー! 天児屋さまが来てやったぞー)


 なぜか急に態度がでかくなった天児屋は、大声を上げて大国主を呼び始めた。


 俺(あれ、知り合いなのか?)

 天児屋(ふふ。あいつは僕の舎弟みたいなもんだからな)

 俺(舎弟ねー)


 (自分の本拠地では全然相手にされてないのに、こんなところに舎弟って人間関係(というか神さま関係?)のバランスの悪いやつだな)


 天児屋は大国主の名前を呼びながらずんずんと奥の方へと進んでいく。それを追いかけて俺と墨も杵築大社の奥の方へと入っていった。

更新タイミングが乱れていて申し訳ありません。ここ数日私事で忙しくていつもの日時に投稿できないでいます。


これを機会に更新をこれまでの日・火・木から月・水・金に変更しようと思います。土日には不定期な予定が入りやすいようですので。


後、これまた申し訳ないですが、次回更新は私事のためお休みさせてください。次話の投稿は金曜になります。よろしくお願いします。

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