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百肆.天照さまを俺にくださいっ

 天照『あれだ。いわゆる薄い本だ』

 俺『いや、それ多分ちょっと意味違う』

 天照『こうやって姫ちゃんの精神面のケアまで考えてるなんてとっても甲斐甲斐しいと思うの』

 俺『そんなことまで考えなくっていいですっ』

 天照『じゃあ、これ、要らないの?』

 俺『うっ……』


 い、要らない、とは言えない。むしろ見てみたくて仕方ない。しかし、そんなことを口に出そうものなら天照にこれからどんなふうに弄られるか。


 俺『おっ、俺がそんなものに、きっ、興味があるわけないじゃないか。ははは』

 天照『そ。もったいないなー、せっかく作ったのに』

 俺『そっ、そんなに言うなら、しっ、仕方な……』

 天照『そうだ、雪ちゃんにお詫びの印ってことで上げてこよう』

 俺『ゆっ、雪に!?』


 (ちょっ、ちょっと待て、そんなものを雪が見たら、俺のことを変態だと勘違いするんじゃないか?)


 雪は俺が魔法を使えることを知っているわけで、その魔法の内容がピーやピーみたいな内容だと知ったら、いやまだ中身は見てないが、きっと天照のことだからこれはひどい内容に違いないわけで、そんなひどいものを見たらきっと軽蔑されてしまうに違いない。


 俺『だっ、だめだー』

 天照『ん?』

 俺『おっ、俺が貰うっ』


 天照は心底楽しそうににこにこといい笑顔を見せて俺の方を見た。


 天照『どうしよっかな~』

 俺『俺によこせ―』

 天照『んー、人にものを頼むときにはやり方があるよねー』

 俺『くっ、お願いします。俺にください』

 天照『何が欲しいのかわからないなー』

 俺『その本を俺にくださいっ』

 天照『どっちかっていうとそれを言うなら「天照さまを俺にくださいっ」の方がいいかな?』

 俺『天照さまを……って、それは意味が違うだろ!』


 (あぶなかった。どさくさに紛れて何かとんでもないことを宣言させられるところだった)


 天照『ちっ』


 あからさまな舌打ちをした後、天照は手に持っていた薄い本を手渡してきた。


 天照『じゃあ、一緒に読もうよ』

 俺『断る』

 天照『またまた恥ずかしがっちゃってかわい~。えっとね、おすすめは5ページ目の……』

 俺『やめろっ、まだ開くなっ』

 天照『ちょっと姫ちゃん、手、邪魔だよ。あ、それとも無理矢理されるほうが……』

 俺「別雷の名により、我が敵を滅す」


 !!!!!!!!!!!!


 もう日常的に耳栓をしているべきだな。今度はこれまでにない超至近距離に雷を落としたせいで耳のキンキンも最大級だ。ちなみに雷が落ちた室内は結界の力による自動修復が開始していて、徐々に元の状態へと戻ってきている。


 天照『いってて。あのくそじじい、力込めすぎでしょ』


 驚いたことに天照は雷をぎりぎりで避けていたようだ。月☆読ですら直撃を受けて墜落してたのに。天照、戦闘力高すぎだろ……


 天照『さて、姫ちゃん。もうおイタはやめにして、あたしと朝まで遊ぼうねっ』

 俺『ひぃっ。いっ、いやーーーー』


 俺は叫び声を上げながら八咫烏の羽を手にして全力で部屋から飛び出した。その夜は季節はずれの2匹のゲンジボタルが十七夜たちまちの平安京の夜空を飛び回っていたのが目撃されたという……


第2章「かぐや姫」完

とうとう無事(?)にかぐや姫の裳着も終わりました。竹取物語だとここまでが序章ですね。序章というには随分書いた気もしますが……


第3章は少し趣向が変わる予定です。あいかわらずの残念さはパワーアップの方向で行きたいと思っていますが果たしてどうなることやら。


さて、このお話、最初に書いたプロットにない設定やストーリーが追加されて、プロットの見直しが必要な状況になってきています。その上、第3章は当初のプロットには背景説明で数行程度しかなかったネタを中心にストーリーを作る予定なので、少し時間を頂いてプロットの練り直しをしようと思っています。


というわけで、申し訳ありませんがいつもよりちょっと長めの2週間のお休みをいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。


あ、後、もう少しで総合評価が1000ポイントに到達しそうです。せっかくなので第2章が完結したお祝いに評価ポイントを5+5とかつけて頂いて一気に1000ポイント超えとかにしてくれると嬉しいなーとか(上目遣いでうるうるしてみる)

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