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凛と咲き誇る百合の花  作者: イチノセ
第4章 激闘のポーカー編
36/50

おまけ 種明かし

「ところでさぁ、二人でトランプ切ったりしてたのにどうやってイカサマなんてしたの」

 咲百合がトランプの束からジョーカーを取り出し、裏表を観察していた。

「それ咲百合のだし、カードには何も仕掛けて無いよ」

「じゃあどうやったんだよぅ」


「1回戦目にね、初手でジョーカー引いたんだよ。咲百合は自分の手札をじっくり見ていたから、その隙にジョーカーだけ机の下に落として隠した。そして全部交換って嘘ついて、本当は4枚チェンジで5枚抜いただけ」

「な……あの時すでに4枚しか持ってなかったのか……机の下ならすぐ気付けそうだったなぁ」

「いや、その後すぐにスカートの中に入れて見えないようにしたから」

「は、え?」

「勝負中にスカートを捲ったりなんてしないでしょ?」

「い、いやいや。凛ちゃんそんなにロングスカートじゃないよね? そんなスペースある?」

「だって、ポケットに入れたりしたらカード曲がるかもしれないし」

「じゃあこのジョーカーずっとパンツに触れてたの……?」

「い、言われてみればそうかも……いやちょっと下着に当たってたくらいだと思うけど……」

 とりあえず隠せればいいと思っていたので、そんなこと気にしてなかった。

「友達の私物をスカートの中に入れちゃうような女の子だったんだね……」

「ご、ごめん。でもなんか言い方に悪意あるような……」

「というかイカサマってそれだけじゃないよね? まだ何かあるでしょ」


「2回戦目、8が3枚とジョーカー1枚は完全に偶然引いたんだ。スカートの中のジョーカーはまだそのままだった」

「そのままねぇ……」

「2回戦も負けた咲百合はちゃんとこっちを見てなかったからその時のジョーカーも落とした後スカートの中に……」

「こっちのジョーカーも!? 凛ちゃんさぁ、わたしのトランプにマーキングでもしてるの?」

 ただ印をつける意味のマーキングではなく、動物が尿をかけたり体を擦り付けて自分の物に臭いをつける意味で言っているのだろう。

「マーキングなんてしてないし……別に汚れたり匂いが着いたりしてないでしょ」

「どうかなぁ?」

 咲百合がくんくんとジョーカーの匂いを嗅ぐ。確かにさっきまで私の下着に触れていたので目の前でそんな事をされると少し恥ずかしい。

「うーん……で? 3回戦目は?」

「あれ……匂いは……」

「教えない」

 匂いなんてついてるハズもないけど……気になってしまう。

「3回戦目は……A(エース)2枚だけど、これも本当に偶然ひいた。そして隠しておいたジョーカーと入れ替えて」

「じゃあ他のカードもパンツの上に隠してたのか……」

「スカートの中ね」

 そんなガッツリ乗せていた訳では無いのでちゃんと訂正しておく。

「だから全体的に運が良かったの、イカサマはそれを確実なものにしただけ」

「なんだそれ……」

 色んな人から怖いと言われてきた私は、人より弱くてはいけないんだ。弱いと思われたら今度はいじめの対象になってしまいそうで、それがとても怖い。

 だから勝負事には何があっても勝ちたい。


「どんなお願いでも聞くって普通に考えたらあんまり良くないよね」

 それを提案した本人がそんな事を言うのか。

「うん。咲百合は少し変態みたいだから、負けてたらどんな目に合わされてたか少し怖い……」

 咲百合は時々えっちな方向に話を持っていこうとするから心配だ。

「い、いやいや。わたし全然普通だし、そもそも人間なんてみんな少しは変態でしょ」

「まぁ、3大欲求の1つだしね」

「凛ちゃんだって少しくらいはそういう感情あるでしょ?」

「えっ……」

 あんまり考えたことなかった、そういうことって……どういうこと? えっちなこと……。

「うわっ凛ちゃん顔真っ赤」

「ええ!?」

 指摘され、思わず自分の頬に触れる。確かに少し熱い気がする。

「やらしー、何想像してたんだよー」

「な、何も! そういうの全然分からなくて、色々考えちゃった……」

「真っ赤で可愛い」

 ニヤついた顔の咲百合と目が合う。

「や、やっぱり咲百合は変態だ……」

「お互い様だね」


 今はまだ分からないけれど、いつか私もそういう事をする日が来るのかな。もし来るなら、その相手は……1番大切な人がいいな。

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