二度目の人生は教団と全く関わりを持たない人生を
全ての宗教2世が思うこと。それは、この
サブタイトルの通りだ。
『二度目の人生は教団と全く関わりを持たない人生を』
全くその通りだ。ある者は教団の被害者の救済に身を捧げ、またある者はトラウマに苦しみ、あるいは恨みを抱えながら生き、事件を起こして、その後は刑に服す。
あるいは、結局は自らの命を絶つ、結局は宗教2世として生きることに疲れたからだ。
結局最後まで、教団との関わりに縛られた人生だ。
被害は一生残る。一生抱え続けながら生きるか、あるいは自らの命を絶つことでしか絶ち切れないのか。
それならば、来世に期待しようか。転生して来世を迎える。
あの教団と二度と関わらないようにするためには、そうだ、あの教団の存在を完全に消し去ることだ。
二度目の人生は教団と全く関わりを持たない人生にするために、一度目の人生では、あの教団を完全に消し去ることを考えた。
そして、『教団壊滅クエスト』というゲームを開発したのだった。
ゲームの中で、教団幹部を一人殺すと、
現実世界でも、教団幹部が一人死ぬ。
ゲームの中で、教団施設を一つ潰すと、
現実世界でも、教団施設が一つ潰れる。
現実世界と連動している。このゲームは。
教団と全く関わりを持たない人生に向けて。
あとは、パチンコ三昧、ゲーム三昧、ゲームの課金三昧。
なんなら、温泉旅行にでも行って過ごそうか。
そうだ、鉄道模型でも買い集めようか。
どうせなら、お金のかかる趣味を楽しみたい。これも、教団へのあてつけだ。
『高額献金被害者の会』で知り合った、
俺の知り合いは、小学校時代に好きなアニメキャラクターの筆箱を買ってもらえず、学校の同級生がその筆箱を持っていて、自慢していたのを、うらやましそうに見ていたという。
その筆箱は今、ようやく今になって俺が買って、使っている。
当時のアニメが今になって再び人気となり、復刻版として販売されたのだ。
このまま、教団と全く関わりを持たないことも考えたが、やつらは手を変え品を変え、しぶとく生き延びることだろう。
それならば、やはりやつらと戦って、やつらを完全に殲滅するしかないだろう。
誰かがそれをやらなければならない。
さて、いよいよゲームの攻略に入るとしよう。アプリを起動する。すると、スタート画面が表示される。
スタートと、コンティニュー、オプションと、表示される。
新規スタートで始めからプレイの場合は、スタートを押す。
すると、ゲームが始まる。
『教団壊滅クエスト』のプレイ開始。
スタートを選ぶ。すると、案内役のサキュバスが登場する。
「初めまして!プレイヤーさん。私は
魔帝サマエル様に仕えるサキュバスです。
今やこの世界は、教団の教えが支配する、自由など全く存在しない世界になっています。
これも、教団の唯一絶対の神であるエホバ神の仕業といえましょう。
プレイヤーさん、私たちといっしょに、
この世界を教団の手から取り戻しましょう。」
そこから、アクションモード1-1に入る。
そして、いよいよ俺の、俺たちの長い戦いが始まる。