ダンジョン・オブ・トウキョウ
兵藤行彦は、『エホバ教団』の宗教2世でありながら、自らのゲーム製作会社を立ち上げ、『教団壊滅クエスト』の大ヒットによって、一代にして財を築いた。
今日は、その兵藤行彦の次回作『ダンジョン・オブ・トウキョウ』の完成記者会見。
インタビュアー「さあ、『ダンジョン・オブ・トウキョウ』の製作者、兵藤行彦さんです!」
兵藤行彦は、『日本ゲーム製作者協会』の会長も
兼任し、次に狙う地位は、そのさらに上の
『国際ゲーム製作者連盟』の会長で、日本人はもとより、アジア人初の会長になるかどうかが注目されている。
もともと、幼少期から無類のゲーム好きで、また出世欲も強かった。
教団の信者だった両親からゲームを禁止されていた時期もあったが、思春期頃には、ほとんど自宅には戻らず、友達の家でゲーム三昧の日々を過ごし、またゲームセンターや、ネットカフェに入り浸っていた時期もあったという。
無類のゲーム好きが、自らの手でゲームを作ってやろうと思い立った。
インタビュアー「この、『ダンジョン・オブ・トウキョウ』とは、どのようなゲームなのでしょうか?」
兵藤「このゲームは、東京都内各所に突然現れる、ダンジョンの入口からダンジョンに入り、
そのダンジョン内で与えられる、クエストというミッションをクリアして、見事にクエストをクリアできたらダンジョンクリア、また次のダンジョンのクエストへ、というゲームなのです。」
そして、『ダンジョン・オブ・トウキョウ』は、信仰する宗教は問わない。誰でもプレイヤーとして参加できる。
性別は、自分の性別と同じでも良し、自分の性別と違う性別をあえて選んでも良し、
戦士、魔法使い、盗賊などから職業を選べるという。
インタビュアー「実は今、東京都内では、相次いでダンジョンへの入口が現れて、大変な騒ぎになっているんですよ。」
兵藤「実は、ゲーム内で起こったことが、現実世界でも本当に起こってねえ。
『ダンジョン・オブ・トウキョウ』で、東京都内各所にダンジョンへの入口を設定したら、本当にその場所に、ダンジョンへの入口が現れたんだ。本当だって。」
おまけに、ダンジョン内からモンスターたちまで地上に出てきているという。
『ダンジョン・オブ・トウキョウ』には、以下のコースがある。
東京23区コース
山手線駅名コース
西東京市町村コース
どのコースのダンジョンを選ぶかは、プレイヤーたちに選択の権利を与えよう。
そして、開発者である兵藤行彦自ら、プレイヤーとして参加することを表明した。
「ヒューヒュー!」
「そうこなくっちゃ!」
客席から歓声が上がる。




