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プレイ開始【ゲーム内】

もう教団の教えに縛られることはない。


これからはゲーム三昧だ。


『教団壊滅クエスト』のプレイ開始。


スタートを選ぶ。すると、案内役のサキュバスが登場する。


「初めまして!プレイヤーさん。私は

魔帝サマエル様に仕えるサキュバスです。

今やこの世界は、教団の教えが支配する、自由など全く存在しない世界になっています。

これも、教団の唯一絶対の神であるエホバ神の仕業といえましょう。

プレイヤーさん、私たちといっしょに、

この世界を教団の手から取り戻しましょう。」


俺が、いや正確には俺たち『教団壊滅クエスト プロジェクトチーム』が制作した、初めてのゲームだった。


『魔界村』や『アクトレイザー』の制作にも携わった人たちの他に、俺と同じように教団の宗教2世として苦しんできた人たちも、このゲームのプロジェクトチームに参加していた。


このゲームは、『アクションモード』と、『町建設モード』に分かれる。


世界は、いくつかのステージに分かれていて、最初のステージから順番にクリアしていく。

『イージーモード』『ノーマルモード』『ハードモード』とあるが、まずは『イージーモード』を選ぶ。


『イージーモード』は、敵が弱く、一撃で倒せる。ステージボスも、『イージーモード』だから、弱い。簡単に倒せる。


ちなみに、軍資金はというと、教団から

取り戻した金でまかなうという。

高額献金で集めた金を取り戻して、こちらの町建設の軍資金にするという、なんとも愉快、痛快なゲームだ。


さっそく、町の長から話が。


「おお、プレイヤー様。

我々は、『パチンコ』なる遊びを町中に広めたいのですが、よろしいでしょうか。」


パチンコか。まさに世俗の遊び。教団の金を、パチンコで使い放題。


サキュバス「ちなみに、教団の人たちは、あなたたちの野望を阻止するために、敵として攻撃してくるので、悪魔の矢を使って倒してください。

って、それは私がやるのですね。あなたはその様子を、指をくわえて見ているだけでいいのです。」


サキュバス「あなたのやることは、マップ上に道を敷くだけ。そうすれば、町の建設、施設の建設、教団の攻撃からの防衛や、教団施設への破壊行為なども、町の住民たちが勝手にやってくれます。

時々、様子を見に行って、どこまで進んでいるのかを確認しましょう。」


ちょっと説明が長くなってしまったが、


天使の矢ではなく悪魔の矢で攻撃

倒す敵は教団の信者、攻撃部隊

魔物の巣を封印するのではなく、教団の施設を破壊して、信者を教団の教えから解放し、こちら側に取り込む、そうして住民を増やしていく、というもの。


そして、テレビゲームやり放題、好きな食べ物食べ放題、漫画、アニメも見放題。


生きることにすら無気力になっていた我々に活力を与えることにつながる。


教団の連中と敵として戦い、教団の施設を破壊して、自分たちの町を拡大していくことで、これまでの恨みつらみも、少しでも晴らせるというもの。

しかし、できれば思春期にそれをやりたかったな。


ここで、サキュバスが突然、

「そういえば、あなたのお名前は・・・?

あーーーっ!このサキュバス、一生の不覚ですわ!

あなたのお名前を最初にお聞きするべきでした!」


名前、名前・・・。すると突然、俺の脳裏に『ネロ』という名前が浮かんだ。


「ネロ、俺はネロだ。」



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