シミュレーションRPG【兵藤行彦】
俺は兵藤行彦。子供の頃から、ゲームが好きで、何時間でもやれる自信があった。
だけど、親からはゲームをやることを制限されてきた。
中学くらいからグレ始め、ゲームセンターに入り浸るようになり、高校に入る頃には、ほとんど家には寄り付かなくなり、友達の家や、ネットカフェなどで過ごした。
そして仲間たちは、新作ゲームが出るたびに購入し、俺はゲーム仲間とともに、それこそ何時間も、夜遅くまで、ゲームをやりまくった。
高校を出て、社会人になったものの、仕事の時間になれば仕事漬け。それが嫌になって会社を辞め、それから、どうせなら自分で会社をやろうと一念発起。
自らゲーム制作会社を立ち上げ、会社の名前は、『ゴッド&デビルズゲームス』という社名にした。
ネロと名乗る同志が現れた。そして、最初に開発したゲームのタイトルは、
『教団壊滅クエスト』とした。
ジャンルは、アクション、それと町造りという。これもネロの提案だ。
ネロに言われるがままに作ったが、俺にはさらに作りたいジャンルがある。
それが、『シミュレーションRPG』だ。
『教団壊滅クエスト』の『シミュレーションRPG』バージョンを作ろうと思っている。
シミュレーションゲームとして、戦略を立てながら進める。
RPGのように、敵を倒して、そのキャラのレベルが上がっていく、より強い装備を手に入れれば、さらに強くなる、というものだ。
最初から最高レベル、最強装備を使える状態にすれば、楽勝で進められるチートコマンドも、あらかじめ用意しておこうか。
アクションバージョンと同様、教団側、悪魔側、あるいはどちらにも入らずに、自らが覇者になる道もある。
あるいは、自らが傍観者になって、勝手に殺し合いをさせておく、などと考えているやつほど、
中立だろうが何だろうが、自分たちの邪魔になるやつは殺せ、遠慮なく片っ端から叩き潰せ、ということになって、
結局甘ったるい考えの傍観者は真っ先に殺される運命。
どのみち、勝ち抜かなければ殺される、そういう世界だ。
さらには、シューティングゲームの、
『ガデュリオン』というタイトルのゲームを開発しようと考えている。こちらは教団とは全く関係の無い、SFのシューティングゲームだ。
巨大な敵の宇宙船などが出てきて、必殺アイテムを使って一撃のもとに、敵の宇宙船を葬り去るのが爽快というゲームだ。
自分でゲームを作る、自分でそのゲームを攻略したいから、自分でゲームを考えて作る、それが今の、俺の楽しみだ。




