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俺の信頼できる知り合い【現実世界】

『高額献金被害者の会』


代表者 川田(かわた)沙理(さり)


幼少期はネグレクトを受けていたという。

思春期は、同年代の女子の間で流行っていた、化粧品や、おしゃれな洋服なども買ってもらえなかったという。

その当時は、脱会信者を支援する団体に資金援助などをしていた、ある大物政治家のおじさんの家にかくまってもらっていたという。

川田沙理というのはハンドルネームで、本名は非公開。今でも教団信者の親とは絶縁状態で、親にバレるのが怖くて本名は非公開だという。

合同結婚式で結婚させられた夫からはDVを受けていたという。

その後、離婚して、現在の夫と結婚。

これも、その大物政治家のおじさんが助けてくれたからだという。彼女にとって、その大物政治家のおじさんは、まさに『あしながおじさん』だったといえる。

俺のような、高額献金の被害者を救済、支援する目的で、この会を作った。

そして、共に手を取り合っていこうという目的も生まれた。

最初は、会を作った主旨が理解できず、心無いことを言ってしまったが、今では信頼できる同志として、俺は、この会の一員でいることで、この会に寄与している。


ゲーム製作会社『ゴッド&デビルズゲームス』

代表取締役社長

兵藤(ひょうどう)行彦(ゆきひこ)


『教団壊滅クエスト』の制作プロジェクトリーダーであり、俺とともに、発起人の一人でもある。

脱会信者を支援する団体の援助もあり、

ある職場に就職したが、幼少期、思春期に受けた宗教虐待のトラウマに悩み、人間関係をうまく築けないで、結局退職する。

その後、自らのゲーム制作会社を立ち上げた。それが『ゴッド&デビルズゲームス』である。

『ゴッド&デビルズゲームス』の社名の由来は、神と悪魔の戦いをテーマにしたゲームを、自らの手で作りたい、というのが理由で、社名にも教団への思いが込められている。

『教団壊滅クエスト』の版権は、『ゴッド&デビルズゲームス』が所有している。

アクション&町造りの1作目に続いて、2作目は装いも新たに、シミュレーションRPGとして制作する予定だという。


川田沙理と話をする機会があったので、

いろんな話をすることになった。


沙理「あなたは?たしか、『教団壊滅クエスト』というゲームの制作に携わっている・・・。お名前は?」

ネロ「ネロ。俺はネロだ。ネロというのは、君と同じハンドルネームだ。本名は非公開にしている。」

沙理「そうなの。私と同じ。私なんて、名前すらつけてもらえなくて、『あしながおじさん』に、名前をつけてもらったの。」


ネロというハンドルネームは、母親のアグリッピーナを殺した、ローマの暴君ネロから拝借した。

川田沙理は、他にもいろんな情勢の移り変わりも伝えてくれた。

沙理の母親は、精神を病んで自殺したこと、父親はギャンブル依存性になり、その挙げ句に愛人とともに焼け死んだということまで、冷然と語った。

俺の両親も、原因不明の謎の死を遂げた。

真相は今も、わかっていない。


教団の合同結婚式の会場の放火殺人では、ようやく犯人が見つかり、政府の勅命で、一人の犯人を鎮圧するために、テロリスト鎮圧のための国防軍の特殊部隊を投入したという。

その犯人は、銃撃戦の末に、逮捕もされず射殺された。これが、政府の方針だった。


教団の日本支部の代表が刺殺された事件では、犯人は取調官の激しい拷問を受けた。

取り調べというよりも拷問。

その拷問によって殺され、死体は犬のエサにされたという。


全て、魔帝サマエルの思惑通り。


そしてついに、現実世界にも魔物が現れたという。しかし、人々は彼らを敵対視すること無く、むしろ魔物が都会にいる光景を日常のこととして受け入れていた。


そして、俺の中には思いがけない感情が芽生えていた。それが、川田沙理への恋愛にも似た感情だ。

年齢は俺と同じくらい、それなのに彼女は一般的な同年代女性よりも、若く、美しい。

俺の中に、教団への恨みつらみ以外の感情が芽生えたのは、おそらくこれが初めてかもしれない。

いや、しかし、彼女は既婚者でもある。

もし俺が、彼女に手を出したら、おそらくは不倫ということにもつながりかねない。






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