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事件発生!【現実世界】

こちらは現実世界。臨時ニュースが入った。


「番組の途中ですが、臨時ニュースです。

高額献金問題などが取り沙汰されている、エホバ教団の教団施設で火事があり、教団の信者と、大幹部のハニエル司教が死亡しました。

火事のあった施設では、エホバ教団の信者たちによる合同結婚式が行われた会場でもあり、教団にとって極めて重要な施設でもありました。

国から解散命令が出ている教団にとって、痛手となることは確実です。

なお、今回の火事は、放火の疑いがあるとしていますが、有力な手がかりはなく、犯人が特定されないまま捜査が打ち切られる可能性もあるそうです。」


はい、合同結婚式の式場を潰した。一丁上がりー!


政府も、カトリック教会も、プロテスタント教会も、エホバ教団はキリスト教の名を(かた)るエセ教団であり、本来のキリスト教とは全く異なる考えのエセ教団であると、正式に認めた。

警察に訴えるどころか、自分たちが違法な霊感商法や高額献金をやってきたような、エセ教団だからな。

このようにして、やつらに対して、自分たちの

信仰の無意味さを叩き込む、それもまた、復讐の一環だ。


本当に、このゲームは現実と連動しているということを、改めて示した形となった。


そしてついに、『教団壊滅クエスト』が、

ゲームソフトと、スマホ配信版で販売されることに。

これが、史上空前の売上となり、課金による収入も入って、大もうけ。

「ウハハハハ!なんともうかるんだ!

空前絶後の大ヒット!これで今まで教団に献金してきた分の金くらいは、すぐに取り戻せるぞ!」

その金で、ゲームでも買うか。課金アイテムも買うか。ゲームを有利に進められる。

鉄道模型でも買い集めるか。できれば金のかかる趣味に、金を投じたい。

なぜなら、これら全ての行いが、教団への復讐、当てつけにつながるからだ。


これが、魔帝サマエルの望んだこと。まさに、

悪魔の成せる業とは、この事だよ。


そうだ!この悪魔が!お前のことだよ!


そんな幻聴が、響いた気がした。


ただし、一つだけ言いたい。鉄道模型のことに関しては、本当に俺は、鉄道や、鉄道模型に興味があったんだ。

できることなら、鉄道に乗って、今は亡き両親と、いろんなところに旅行に行きたかったな。

鉄道模型は、高校の同級生に、鉄道オタクのやつがいて、鉄道や、鉄道模型に詳しかったというのを思い出した。

だけど、鉄道模型なんて高くて買えないと当時は思っていた。

このゲームがヒットして、売上金が入ってきて、大もうけ。

鉄道模型の収集とか、できそうだな。


そして、とうとう『エホバ教団』は、破産手続きに入った。

今さら、損害賠償なんか求めていないんだよ。完全に消えろよ。

それよりも、今までの人生を返してくれ、時間を返してくれ。


現実世界では、早くも破産手続きに入った教団だが、ゲームの中では、なおも教団との戦いが続いていた。


はっきり言って、教団内部はかなり混乱しているようだ。もう、ひどい状況だ。


「今までの我々の信仰は何だったんだ。

もうおしまいだ、みんな悪魔に殺されるんだ!」

「このままじゃ、殺されるか、魔帝サマエルに取り込まれるかだ。」


そしてついに、魔帝サマエルは、現実世界への侵攻を開始した。

ただし、享楽に関する産業だけは栄えたようだ。人々は信仰を捨て、目先の、その時限りの享楽に走る。

現実世界も、魔界と化していく。


「神への信仰が世界を救うよりどころなどと言われていた。しかし、そんなものは

もはや、何の役にもたたない。

そんな、役にたたないものよりも、今は、その時限りの楽しみが心のよりどころだ。」


教団の悲劇はさらに続いた。

なんと、日本支部の代表が刺殺された。

それも、報道陣の目の前で。報道陣はその瞬間、撮影カメラを近づけた。

日本支部の代表を殺害した動機を語った

実行犯によると、

「記者会見での態度がムカついたから」

殺してやったという。そんな理由で。


この2つの事件の犯人は、『教団に親を殺された被害者の会』の過激派メンバーだと、後に判明した。


しかし、この『エホバ教団』は、並みの組織では無かった。世界各国に支部があり、日本支部の代表もまた、日本国内を担当する方面軍の指揮官程度の地位だった。

『エホバ教団』の全貌は、今もって解明されないでいた。

アジア総本部は韓国にあり、ヨーロッパ総本部、さらにはアメリカ総本部があり、おそらくは、ヨーロッパかアメリカが総本山だとされている。





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