チートコマンド
チートコマンド。それはコマンドを入力すると、特殊な能力を得られたり、特殊な武器を入手したり、資金が満タンになったり、あるいはレベルやステータスが考えられないくらい爆上がりしたりするという。
話には聞いたことはあったが、実際に使用したことは無かった。
いよいよ、カズフェルとの戦いへ。
チートコマンドで、機関銃を使えるようになった。
ダダダダダダ!ババババババ!
「ぐわっ!」
「ぐえっ!」
「うげっ!」
俺は機関銃で、教団の兵士たちを撃ち倒していく。
敵の兵士たちは、インベーダーゲームのインベーダーと同じだ。
ただひたすら、次々と現れてはプレイヤーに撃ち落とされるだけの存在。
しかし、それにしては兵士の数が少ないような。スムーズにクリアし、最上階へ。
そして、カズフェルが現れた。
カズフェル「ようやく現れたな、ネロ。」
仲間の兵士たちが斬りかかる。が、カズフェルはこれを一蹴する。
ドカッッ!
カズフェル「雑兵ではかなわぬ。ネロ、お前が来い!」
ついに、カズフェルとあいまみえることになった。
が、しかし、カズフェルは強かった。
機関銃を撃つが、効かない。すると、カズフェルの速攻!
ザシッ!
俺は、カズフェルに、あっけなく倒される。
くそっ、ここまで来て・・・。
ゲームオーバーになると、本当に死を迎える。ああ、死ぬっていうのは、こういう感覚で迎えるのか・・・。
すると、謎の声がした。
「ネロ、ネロ、あきらめるな、力を貸してやろう。」
すると、目の前にコントローラーが現れた。次の瞬間、頭の中に、あるチートコマンドの入力方法が浮かんだ。
俺は、何かに導かれるようにして、
そのチートコマンドを入力した。
次の瞬間、俺専用の武器が現れた。
さらには、レベルが100になり、ステータスが爆上がり。HPは1000越え。
「うおおおおっ!なんとすごい力だ!」
明らかに、このチートコマンドを入力したのをきっかけに、力がみなぎってくるのを感じた。
次の瞬間、再びカズフェルの目の前にいた。
やつは、俺のことを見て、笑っていた。
覚えているのは、そこまで。その後、俺がどのように戦ったのか、やつがその時、何を言っていたのかとか、覚えていない。
気がつくと、カズフェルがそこに倒れていた。
これでひとまず、第1ステージは終わりと思った。
ところが、カズフェルは起き上がってきた。
あれ?この展開は、当初の俺のゲーム開発プランには無かったような?
カズフェル「そうか、そこまで力をつけていたのか。
おや?何を驚いている?この私が、この程度のことで滅びるとでも?
しかし、油断していたな。この私が、こうもあっさりと負けるなど。
しかし、他のステージは、あと5つあるぞ、まだまだ負けてはおれぬ。」
そう言うと、姿を消した。
サキュバス「あ!あーあ、逃げちゃったよ。どうするの?」
ゲーム開発としては、まだ試作段階のプランAだ。
しかし、どうやら俺の想定していなかった方向に進んでいるということを感じていた。
とりあえず、これでヴァルハラは、完全に教団とは全く関係の無い土地になった。
さて、次なるステージは、エンタメランドという。




