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カフェイン中毒~缶コーヒーがチートスキル!?〜

作者: さつ。

 毒は時として薬となる。

 そして良薬は口に苦い。

 ある人は言った。あれは悪魔なのだと。

 ある人は言った。あれは哀れな人間なのだと。

 ある人は言った。あれは神に愛されし子なのだと。

 そしてその哀れな人間は。

「極大魔法、トキシックホーリズム」

 死んだ目をして缶コーヒーを飲み干した。

 ユキが異世界に来てから早半年が過ぎた。

 何の変哲もない一日で、ただ夜にどうしても愛飲の缶コーヒーが飲みたくなったユキが小銭片手に家前の自販機に出た帰りの悲劇だった。

 異世界でのユキの持ち物は缶コーヒー一本。服装はジャージとサンダル。

 缶コーヒーはこだわりのブラック無糖。ただし異世界に来た副作用か何かで飲み干すたびに新品に戻る不思議仕様に変化していた。

 しかもこの缶コーヒー、一口飲めば力がみなぎる。二口飲めば森を吹き飛ばせる。三口四口と飲み進めれば人智を超えた魔法を放つことができる。そんな不思議道具へと進化していた。

 ユニークスキル:缶コーヒー。そんな訳のわからないものを付与されてユキは異世界で暮らしていた。

 けれど問題が一つ。この異世界には缶どころかコーヒーが存在しない。だからユキの持つこの飲み物は異世界の人間には毒物なのだと認識されていた。

 舐めれば体を突き抜けるような苦味がする。そして雷に打たれたように魔力が体を巡る。

 異世界の人間にとってユキの缶コーヒーは恐怖でしかなく、ユキは畏怖と崇拝を向けられ続けている。

 そんな世界でユキは。

「ヒーリングエーテル」

 今日も死んだ目でコーヒー片手に魔法を行使している。

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