サラリーマン川柳の総集編のような小説をめざしています
「よし。わが社も新年度からはフリーアドレス制度を導入しよう、これで生産性があがるぞ!」
おっと、今度はフリーアドレスか。
就職氷河期に就職し、いつのまにか庶務課の課長。先細りの業種ともいわれる創業100年以上の金融業界での管理職。トップは新しいことの取入れに余念がなく、そのたびに庶務課ではちょっとした仕事とトラブルが発生する。この悲喜こもごものやり取りは、実は第三者からみればコントじみているのではないかと常日頃から感じていて、こっそりとメモに残している。これをネタに、そのうち芋洗坂係長のようにデビューできるだろうか。
フリーアドレスとは。オフィスから各職員の机を廃止して、フロア内の自分の好きなスペースで働くことができる制度。庶務課の立場では、シェアしやすい机への入れ替え、社員の持ち物の保管場所の整備、定期的な机の清掃手配、なにやら色々やることがありそうだ。現在の机と椅子を撤去するだけでもひと作業だ。ちなみに、所在をつかまれづらいれをいいことに出社しなくなる職員への対策、騒音やにおいの公害をまき散らす職員とその周辺に座った職員の間のトラブル、については人事部がケア。ただ、基本的には、各課の課長がしっかりとみるということらしい。
また、当社の場合は、フリーアドレス制度として導入するというのがややこしい。固定された配置が合理的な場合な部署でも、全社的な制度に抗うことは難しく、一度決めたら後戻りは難しい。また、自由には乗り越えるべき壁も多く、机や椅子の高さ、オフィス内の明るさ、様々な調整が必要な社員においてもできるだけ特権的に座席を固定することなく、簡便な調整を自身でできて、快適に仕事をできる環境づくりが必要だ。