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ポーション





 この大陸にて一般的に知られている回復薬ポーションは3つある。


 1つ目はピールポーション。ポーションの中でも効果が最も低いが値段が安く最も市場に流れているポーションだ。


 2つ目はフレシュポーション。ピールポーションとは比べものにならないほどの効果が持つ、いわゆる高級回復薬だ。一般流通はしているが値が高く、それをまとまった数を所有するものはどこぞの富豪や貴族だけ、もしくは王国の保管庫にて厳重に管理されている。ただの一市民が手に入れるのは不可能ではないが極めて入手困難な品だ。



 そして最後に【賢者のしずくエルダーポーション】。これはもはや伝説級の回復薬で……ほぼすべてのケガや病を瞬時に癒やす、と言われている。実際に見たことはないし、存在するのかもわからない。辺境にいる物好きな収集家が持ってるという噂があるとか……ないとか。値段は……お城がいくつも買える程だとか。








「……で?これ何?」

回復薬ポーションだよ?はよ飲んで」



 寝たきりで身動き取れない私の上体をネイナに起こしてもらった直後……ネイナは液体の入った筒状の瓶を私に差し出す。


 色は紫。そう……紫。



「……ネイナが作ったの?」

「当たり前じゃん何言ってんの、はよ飲んで」



 グイグイ来るネイナの態度が尚不安を煽る。

 

 何故なら私の知ってるポーションの色は薄いピンク色だからだ。高級になるとその色は濃くなる。そして目の前に差し出されたポーションの色は紫。……付け加えると濃い紫…いや藍色も混じってるかも知れない。何にせよ……色が濃い。



 どうしよう……。


 めっちゃ怖いっ!!


「………………」

「お姉ちゃん?」

「ん?あ?はい?」

「はよ」

「え?ああ……えーっと、へへ……」



 妹を相手に変な愛想笑いをした。間が持たないのでとりあえず差し出されたポーション【濃紫】を手に取った……ーー



 



 ーー次の瞬間ーー





「ビビってんじゃねぇええええええーーっっ!!」

「ーーんぐっ!!んんんんんんっっっっ!!?」



 ネイナはポーションを持っている私の手ごと握り強引に私の口に突っ込んだ。



「ーーっっうぇっへ!!……えっへ!うへ!!けへ!!……」



 空になるまで全て喉に流し込まれた私はしばらくむせ返る。



「それめっちゃ貴重なんだから間違っても吐かないでよねー!」



 そう言いながら私の口元を布で拭ってくれるネイナ。(力が強いから痛い)



「ーーちょ!ネイナっ!急に何し……」

「どう?もう立てるでしょ?」



 は?そんなわけ……。


 今さっきまでネイナの手を借りなければ上体すら起こせなかった身体がそんなすぐに……。





 ……え?


「…………痛く……ない……」



 被っていたブランケットから足を出し、ベッドの外に足をつける。その動作に何ら痛みを感じなかった。


 そのままの勢いで立ち上がる。


 やはり痛くない。



「…………凄い」



 静かに関心した。

 そんな私を見るネイナと視線が合った。



「凄いっしょ!」



 凄いドヤ顔だった。











「ねえ……ネイナ」

「なに?」

「お姉ちゃんと一緒に旅しよっか」

「え!?する!!」



 何も聞かずに即答する妹。

 なんだか自然と笑みが溢れた。




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