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横槍
灰黒を纏うビクターは剣を止められることを予測していたかのように息を飲む間もなく次の動作に移る。右回りにクルッと回転し、強烈な回し蹴りを繰り出しアルフレア・ダンキュリーの右側面の脇腹を強打。
「ーーグアァッッ!」
苦痛に声を上げるダンキュリーは蹴りの衝撃で数メートル吹き飛ぶ。が、身体をよじり受け身を取って体勢を立て直す。
「ーーやってくれるじゃねぇか!このヒゲ野ーー」
ダンキュリーの言葉は最後まで言い切ることなく終わる。体勢を立て直すダンキュリーの前には既にビクターの姿があったからだ。
「悪いが少し遠くに行かないかね?もう《横槍》はお腹いっぱいでね……」
ビクターはそう言って剣を構える。
「ーー追黒ーー」
聞き覚えのある言葉をビクターが発した後、大きな金属音と衝撃波とともに2人の姿はその場からいなくなっていた。




