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「は……葉っぱの人だ!」

「ーー誰が葉っぱの人だっ!!もう葉っぱは付いてねぇ!」



 私が覆いかぶさったまま、ヒョコっと顔を出すネイナは爆発男とテンポの良い問答を始めた。


(葉っぱの人、ってなんだろう……)



「お前、心療所にいた声のでけぇェガキか……んでバケモノと、騎士の姉ちゃんも一緒か……一体なんなんだこの状況は!?」

「葉っぱの人!こんな短期間で動けるはずがない怪我だったのに何で?何でここに!?さっきの爆発何!?」

「うるせぇ、いっぺんに聞くんじゃねぇ!」



 爆発男はビクターの動きに警戒しながらも私と姉妹に近づいて、いつのまにか意識を失っていたシーザの脈に手をやった。



「死んじゃいねぇようだな……」

「……お姉ちゃん……」

「おいガキ、お前の姉ちゃんをこんなにしたのは……この【バケモン】か?それとあの【ヒゲ野郎】か?」


(……バケモン……?ああ……私か)


「あの【ヒゲ野郎】だよ!葉っぱさん」

「……わかった、あと〈葉っぱさん〉はやめろ、《アルフレア・ダンキュリー》だ」



 爆発男、改めアルフレア・ダンキュリーはビクターを見据えてスッと立ち上がり、見覚えのある刀身2メートル近い大型の剣を肩に担いだ。

 その刀身や身につけているもののあちこちが焦げている。私と初見で戦ったところまで行って武具を回収してきたんだろうか……。



「ちょっとコイツらに世話になった者だが、これ以上手ぇ出すってんならオレが相手になるぜぇ?ヒゲ野郎、あとそこ仮面の野郎もなぁ」

「…………はぁ…………」



 ビクターは溜め息をついた後、その身に纏う灰黒の光を解いて言葉を続けた。



「……ここまで立て続けに横槍が入るとさすがに興が削がれてしまった……あとは頼めるかねグレン卿」

「ええ承りました」



 ビクターは少し後方の木に足をクロスして寄りかかって腕を組み目を閉じて黙してしまった。

(ウソでしょ……寝た……?)





『あなたの先程の魔法、素晴らしいものでした』



 不意にサビティ・グレンが割と近い距離で声をかけてきた。本当にいつ移動したかわからない足運びに不気味さと漠然とした苦手意識が芽生えてしまう。



「あぁ!?」



 アルフレア・ダンキュリーもその不気味さを感じたのかガンを飛ばして威嚇する。


 

「あなたの使った爆砕魔法ヴォルグ、あれを戦術レベルで扱える魔術師はそう多くないんです、このアトワイズ国の中でも2、3人程でしょうか……いずれも魔導を極めんとする術師で、あなたのように鍛えられた肉体とは程遠い見てくれの者達です……」



「……何が言いてぇ?」

「歴戦の傭兵のような風貌でヴォルグを使いこなす人物は極めて稀有だと思いましてね」

「…………」

「そうだ……先の戦争で亡国の若い将があなたと同じように剣を片手にヴォルグを使っているのを見たことがあります……たしか名前は……」

「…………」

「……どうしました?黙りこくって。何か気に触ることを言いましたか?アルフレア・ダンキュリー……いや、

【炎将フロスト】」



 アルフレア・ダンキュリーは微動だにせず、少し瞬きをする。



「……悪いが人違いだ」




 次の瞬間、


 否定するダンキュリーの頭上を剣を振り下ろすビクターの影が見える。










 不意打ちにも関わらず見事にビクターの剣を自身の武器で受け止めるダンキュリー。



「ーーやるじゃないかっ!!炎将フロスト!」

「だから違ぇって言ってんだろがっ!」

「割って入ってすまんなグレン卿!【興】が湧いたのだっ!」

「いえいえ、構いません……」



 シーザの時のように新しいおもちゃを見つけたが如く生き生きとしたビクターを灰黒の光が再び纏わり出す。




霊装騎纏キアグリフジードっ』






 



 



 




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