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葉っぱの人




 騎士である自分が扉越しとはいえノックされるまで人の気配に気付けないなんて……冷静を装っても内心かなり動揺していたことは明白だった。

 再度、ノックの音が聞こえる。



「シーザは帰っておるかの……?」



 扉を開けると村長がいた。



「村長。どうしたんです?」

「おおシーザ……ネイナは一緒じゃないのか……?」

「……ええ、ちょっと出てます……」

「……そうか」



 村長はまじまじと私の顔を眺める……。



「もう……言うたのか……?」

「……はい」

「…………そうか」



 事情を知ってる村長はそれだけ聞いて、それ以上は何も聞いてこなかった。



「……ああ、そうだ。馬小屋に繋いでる男の、警ら隊への引き渡しの件なんだがね……」



 村長は気をつかってなのか、別の話を進める。



「今日には警ら隊のもんが村に来てくれるそうなんだが……手続きと諸々の説明に騎士として同席してもらって構わんかの……?」

「ええ、わかりました……」



 ネイナを探しに行くのに少し時間を置きたかったので快諾した。それに抱えている別件も片付けてしまおうと考えた。



「…………ところで、葉っぱの貼ってある男って……わかります?その……馬小屋に繋いでいる男が殺し損ねた者なんですけど……話を聞きたくて」

「葉っぱ……?……葉っぱ……ああ!ダンキュリーさんのことか……彼なら診療所におるよ」



 葉っぱ……という情報だけでこうも容易く特定出来るなんて……一体どんだけ葉っぱ貼ってるあるんだろう……。


 

「……どうゆう人なんです?」

「素性は全然知らないけどねぇ……ここ数ヶ月前からモンスターの被害が増えてきた頃に突然現れて、その度に助けてくれるようになったんだよ、だからこの森に点在する村々の村長達は私も含め大変感謝してるよ」

「騎士団の者ですか?」

「いやー……そんな感じには見えなかったけどねぇ、それに騎士団や警ら隊にモンスター被害のことを言ってもなんにもしてくれん……ああ、すまん……シーザのことを悪く言ったわけじゃないんだよ」



 村長は少し焦ったように弁明する。



「いえ、大丈夫です……国の体制には私も少なからず疑念がありますから」



 ダンキュリー……?何者だろう……。



 葉っぱの貼ってある……こんな妙な情報だけで男の所在がすぐわかったのに少し驚いたけど、診療所へ足を運ぶことにした。












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