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大きな一歩



 去っていくイズの背中を見送りながらある質問をするのをすっかり忘れていたのを思い出した。


 ブリードとゆう言葉の意味を。


 でも今回はとても良い成果が出たと我ながら思っている。殺気に邪魔されずに誰かと普通にコミュニケーションがとれた。

 これはとても大きな一歩だった。


 自身が生成し操れる木に聴覚を共有することが出来るのは以前のウルフェンパイソンの件で判明していた。その応用で聴覚以外も可能なのでは?と、考えたのが今回の策だった。

 かまくらハウスの上に木で編んだ、ボウル型の鳥の巣ようなものを作り、上から覗き込まない限り外からレイスの姿が見えないようにその真ん中に鎮座した。後は遠隔でかまくらハウスの中にレイスの代わりにやり取りする木のマスコットを、なるべく怖くなくて出来れば親しみやすいイメージで作って、それを操るのに集中した。

 マスコットに耳をつけ、目をつけ、口をつけて。そして、会話の流れで動きもつけた。

 さすがに一つの木にこれだけたくさんの感覚を共有するとなるとレイス本体には気をまわす余裕がなく、無防備を余儀なくされるほどに集中を要した。故の鳥の巣だ。


 声帯がない木が声を出せたのは疑問ではあるが、そもそもレイスの身体にも同じことが言えるのであまり深く考えないことにした。自分の常識がいとも簡単に覆る状況にも少しずつ慣れていっているのかもしれない。

 そんな中での今回の成果はレイスになってしまった自分にとって間違いなく【前進】だと思えるものだった。たった1人で目を覚ましてバケモノと呼ばれたこんな世界で初めて、少し……ほんの少しだけ前向きな気持ちで……その日は鳥の巣で床についた。

 


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