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ブリード



 こちらの動きに警戒しつつも仮面の紳士は足元に置かれた者の生死を確認する。



「………………」



 黙る紳士。仮面をしているので表情も読めない。

 実のところ、単にその者のことを丸投げしたくて近くに置いただけで生死を確認をして欲しいわけではなかった。ちなみに生きているのは知っている。



「命に別状はありませんが誰の差金かも分かりませんし、コレを持って帰るメリットはありませんね」



 まるで物のように扱う言動に違和感を覚えた。

 紳士は彼に手をかざす。そして、ものの数秒でかざした手をローブの中にしまい、スッと立ち上がった。

 


「……置いていくつもりですか?」


「ええ、後は好きにして頂いて構いません。このブリードに残存している魔力も回収しましたのでもう利用価値もないですので」


 

 弟子達に向ける対応とは違って冷酷な言葉を吐き捨てる紳士。

 "ブリード"とは一体どうゆう意味だろうか。名前?それと素性を示す言葉だろうか。少なくとも良い意味を持つ言葉でないことは紳士の態度から察しがつく。



「……ゲートを開く魔力も足りたことですし、私はこの辺で失礼しますよ。これ以上あなたの殺気を浴び続けるのは老いぼれの体には堪えますので」


 

 紳士の目の前の空間が歪み、すぐに収まった。見ればそこには既に紳士は消えていて見捨てられた彼だけが横たわっていた。



「丸投げし返されてしまったな、どうしようか」



 横たわる彼を眺めながら独り言を漏らす。

 全身を覆うフード付きのグレーの外套から覗く幼い顔は見た感じ中学生くらいの歳の子供だ。伸び切った前髪ごしに見える整った顔は正に美少年と言える。この美少年の命を顧みず見捨てた仮面の紳士の行動から考えて、以前の爆発男の時の様に村人に発見させて保護してもらう、とゆうのはいささか危険かも知れない。そう考えた結果、とりあえずウチで預かることにした。



 



















 


 

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