アルフレア・ダンキュリー
とある村へ向かう途中、顔色の悪い大人の男性と小さな男の子に出会った。たぶん親子だろうか、酷く疲弊している様子だ。
「……あんたら、何かあったのか……?」
「ーーっはぁ!!っはぁ!!ーーっはぁ……」
声にならない男性の危機迫る表情を眺めながら彼らの息が整うのを少し待った。
「ーーあ、あんた狩人か!?助けてくれ!!」
男性はこちらの大きな得物に目線をやりながら助けを求めてきた。隣の子供からも助けを求める視線が注がれる。
「何が出た?ウルフェンパイソンか?それならちょうど始末しに行くとこ
「ーーーー違うっっ!」
こちらが言い終わるの男性の大きな声が遮る。
「違うんだ!そんなんじゃない!ーーあれは……レイス……森のレイス!正真正銘の化け物だ!」
「森のレイス?おいおい!あのおとぎ話のか?」
「ーーし、信じられないだろうけど見たんだ!実在したんだ!」
不審に思いながら目線を子供の方に泳がせた。
「ーーほ、本当だよ!僕と父ちゃんでレイスに会ったんだ!」
「そうか小僧、それで?今追われてるのか?」
「ーーそ、そうなんだ!一刻も早く化け物を退治してくれないか!頼む!」
子供の返答を待たずに父親が割って入ってくる。子供の方に視線向けると少し困惑した表情をしている。追ってきてるってのは嘘だな……切迫した依頼の際は良くある小さな嘘だ。別に気にしないが。
「……まあ、ついでだ。そのレイスとやらも見てきてやるよ」
「あ、ありがとう!」
「ところでお前らはタルホ村のもんか?」
「そ、そうだが……」
「じゃあ村長に言っとけ、レイスの件が片付いたらすぐに犬の始末に向かうってな」
「わ、わかった。一応あんたの名前を聞いてもいいか?」
「アルフレア・ダンキュリーだ。ところでレイスはこっちの方向でいいのか?」
親子が来た方角を指差して尋ねると、父親は険しい顔で二回首を縦に振った。
「心配すんな、俺が倒せねぇ奴なんかこの世にいねぇからよ!じゃあまた後でな」
不安げな表情の彼らを背にして森を進んでいった。
日が落ちてきて森も暗くなってきたところで進むのをやめて野宿することにした。おそらく死霊系のモンスターのレイスにわざわざ夜に会敵するメリットはないと思ったからだった。




