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ステルス



「……見えてなかっ……た?……のかな?」



 いやいや、そんなわけがないとは思うけれども……見えていて無視出来る容姿ではないことは不本意だが自負しているつもりだ。なんせ近づいただけで気絶した人もいるくらいだ。しかも今ついさっき。


 

「あー、なんか似たようなことが以前あったような気が…」


「…………」


「…………」


「…………あ!」



 思い出した! 森で親子と会った時だ。



 目の前にいる化け物の私を、その親子は全く認識出来なかったのだ。その際も今も下手に身動きが取れずにジッとしていた時に起こった現象だった。







 ーーこれは……森のレイスの能力だ。


 まだ、そう結論付けるには判断材料が少ないとは思うが、何故か直感的にそう感じた。

 この能力の条件は『限りなく動かないこと』。それ以外にもあるかも知れないが今分かってるのそれだけ。


 発現するそのチカラは……






 ーーステルスーー


 誰もレイスを見れない。聞こえない。気配も感じられない。


 他者からの認識を一切受けない能力。







 こんな見た目の自分にはとても重宝する能力だと思う。

 

 誰にも認識してもらえないことが能力だなんて、これまでの自分の人生を振り返ると少し皮肉のように感じたが、今回はこの能力のおかげで村人達に見つからずに済んだので良しとする。


 さて、これからどうしようか。



 「…………おや?」



 レイスの驚異的な感知能力にひっかかるものがあった。



「かなりの数の何かが……こっちに向かって来ている……しかも早い……人間じゃない……」



 レイスの自分が何を言っているんだと思いもしたが、向かってくるそれには殺意の様なもの感じた。



 ーー爆発男が危ない!!



 助けたばかりで死なれてたまるか、と気配がする川原とは反対方向に足を急がせた。村人に見つかるとまずいので迂回しようとしたが……。



 「ーーーーウルフェンパイソンの群れだっっ!!みんな早く家に避難しろーーーーっっ!!」



 村人の大きな声とともに高台から警鐘が鳴り響く。

 ウルフェンパイソンが何かは知らないが、けたたましい警鐘が事態の深刻さを物語っている。……迂回する余裕はないみたいだ。



「ーーぅああああ助けてくれぇええええっっ!!」


「ーーいやぁああああーーっっ!!」



 目的の方向から複数の悲鳴が聞こえる。

 既に被害が出ているこの状況に、人目を気にせず行動にでることにした。



 



 

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