モテる男はつらい 3
転校初日。新しい制服に身を包みこれから通う学園の門のそばで立っていた。
門の前では、生徒会委員みたいな人たちが門をくぐる生徒に挨拶をしていた。
朝から声を出すなんてなんて大変なお仕事なんだろう。
しかし、生徒会というのはあこがれるもので、運動部とは違った充実感がありそうだと思ってしまう。
「おはようございます!!!!!!」
門に入ると、なんか背が高いいかにも志が高い男子のあいさつをされた。
ちょっと、犬にほえられた感覚である。
その圧にやられたというか、ちょっとビビったというか、自分の声が出なかった。
元気がいいというのはとてもいいことである。
だが良すぎるというのもどうかとは思う。俺がおばあちゃんだったら、いまごろあの世行きだ。
心臓に悪すぎる。
「こら、源道くん 相手がビビってるよ。」
くすくすと笑っている女がいた。 何が面白いのだろう。このアマ。
僕がビビった?はっ。 この日本魂と呼ばれる僕が?
きっと、あの元気源道君の横の女は生徒会長なんだろう。
なんか自分えらいですよってオーラが半端ない。
見とけよ そこのアマ
「おはよおおおおおおお ございまああああああすうううううう!」
ゴジラ並みの声は学校中 いや、街中に響き渡った。
大声を出すのはひさしぶりだったが、こんなに気持ちがいいものとは思わなかった。
また今度大声を出す機会があったら、叫びたいものだ。
さぁ。あいつらの反応を見ようじゃないか。
棒立ちしている生徒会長、その顔は固くなっていた。
きっと動けないのだろう。この僕の波動みたいなものにやられたのだろう。
彼女には悪いけど、男っていうのはなめられた瞬間に格が下がってしまうものだ。
相手に先制を取られない これは大事なことである。
しかし姉は別。姉には勝てない。
いや、まぁ勝負を仕掛ければ..... 嫌だめだ 怖すぎる。
ともあれ、これで生徒会からは目を付けられることはないだろう。
別に、悪いことをしようとも思っていないし、安全に生活しようと心掛けている限り、
そんな問題を起こすこともないだろう。アデュー生徒会の皆さん。