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ニートな俺の進化論  作者: スミ
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いざ、出陣。

 ついにこの時が来た。


 心技体を鍛えた2年半。決心がつかずどうせなら丁度3年の時に出ようと決め、いよいよその3年が経った。


 そして今日は土曜日の休日。下からは家族の楽しそうな声が聞こえる。どうやら妹も今日は珍しく家にいるようだ。


「妹か……」


 体を鍛え始めた時は中1だったので、今は高校生か。

 昔から可愛く、頭も良かったので今では一流の高校に通っているのだろうか。

 小さい頃は良く後ろをついて来て可愛かった思い出がある。自慢の妹だ。


 だが部屋に困りきりになったあたりから段々と仲は悪くなり、今では偶に壁ドンをされる関係だ。

 ちゃんと壁ドンされたら生存確認の為に壁ドンを仕返している。

 その後追加で強めな壁ドンをされるが気にしない。


 とまぁ、いよいよこの部屋から出る時だ。今の俺を両親と妹はどう思うのだろうか。

 もしかしたら今まで迷惑をかけていたので怒られるかもしれない。

 妹からは罵声を浴びるかもしれない。


 だが、それでも俺は今日部屋を出る。今日出なかったらそのまま一生部屋を出れる気がしないからだ。


 思い返せば3年なんてあっという間だった。みるみる変わっていく自分を見るのが楽しかったのだ。昔の醜く太っていた自分が日に日に好青年になっていくのだ。体が痩せて来た辺りから毎日パソコンで記録をつけ、写真を撮って来た。昔の太っていた体と今を比例すると自分でも驚くようなビフォーアフターになってた。


 この部屋から出たとしても体を鍛えるのはやめない。やめたらまたニートに戻ってしまう気がするから。


 だが体を鍛えるのは楽しいので止めることはないだろう。


 こんなに自分はのめり込む性格だったんだなぁと感傷に浸ること早2時間。部屋にこもっていると時間感覚がおかしくなるのはしょうがない。


 さぁ、出よう。この部屋を出て、親に謝った後はちゃんと就職して、毎月お金を家に入れて、親孝行して……旅行に連れてくのもいいかもしれないな。


 そんな未来の妄想を止め、俺は最後の確認で新品のスーツと練習を重ねた髪型を見て頷く。


「いざ、出陣」




 俺は部屋を出た。


やっと出ました。

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