1/3
8月15日
ギルドの扉を雑に開ける。
がらんがらんと鈴が鳴る。受付嬢が目を向けて、そしてああなんだと興味を失う。
ギルドに来たのに依頼の紙には目もくれず、
隣接する酒場で浴びるように酒を飲む昼時。
依頼をこなすこともなくただ浴びるように飲んで、潰れる。
木漏れ日のような温かい照明に当てられて席に突っ伏す。そして眠る。
「いいよなああいつは昼間から飲んで突っ伏して」
「いい御身分だよほんと」
氷で割ったきつめの酒でギルドの喧騒、陰口もろとも流し込む。日課だ。醜態を晒すのももう慣れた。どうでもよくなったからこそ醜態を晒すのかもしれない。ぐるぐるした感情を酒で誤魔化し、そして潰れる。良い気分だ。
「あの」
だからな、人が気分良くカウンター席の隅で酒に溺れてる時に
「貴方がホリデーナイトメア…ですか?」
あいつの顔を見たときは吐くかと思った。酷い一日だった。