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落ちこぼれ騎士と銀のゴーレム  作者: ベンソン
第2章 災いの始まり
14/28

第7話 同じ匂い その1

初めての一週間ぶりの投稿になります。


楽しみにしていると言って頂いた方、すみません。


次回はもう少し早く投稿できると思います。

 アル達とスカーレットが別れた頃、崖の上で男が2人あたりを見回していた。


 一人は背が高く、猫背がひどいひげ面の中年で身軽な格好をしている。


「クソ、ゲロりそうになった奴がいたら殺せってことだったが、ラモンを殺しちまったら追跡に特化した奴がいなくなっちまったな。ブル、聞いてるのか?」


 「あんたが殺したんだろうが。どっちみち今回はここまでだろ。はやく帰って旦那に報告しなきゃ」


 もう一人のブルと呼ばれた男は背が低く腰に刃渡り50センチほどの短刀を下げていて、やる気のなさそうな顔で中年の愚痴に付き合っている。


 「んなこたぁわかってるよ。…はあ、それにしてもジグたちはまだあの妖魔たちを追ってるのか?俺もあっちが良かったなぁ。沢山化け者共を殺せるって聞いたのによぉ」


 中年は人指し指に力を込め、赤く光りはじめた指先を眺めている。


 そして足元に転がっている拳程の大きさの石を前方に投げると石に向かって人差し指をピンとのばす。


 人差し指が赤く光り、その光が指先からはなれ石にぶつかると、バラバラと石が砕けた。


 赤爆のギャロ、それがこの中年の通り名だ。


 正確な魔力コントロールで遠距離、近距離問わず狙った者を爆発させることができる歴戦の強者である。


 ブルは呆れたようにため息をついた。


 「はぁ、相変わらずだなぁ、あんたは。妖魔達が可哀想に思えてくるぜ」


 ブルの発した言葉に食い気味でどこからとも無く声が聞こえた。


 「可哀想なのはお前達だ、クズども」


 男達が声のする方を見るとそこに姿はなく、かわりに直径30センチほどの塊が転がってきて足にぶつかった。


 「これは、…ジグだ!」


 男達の足下に2つの生首が転がっている。どれも恐怖で顔が引きつったまま顔の筋肉が硬直している。


 ドクンドクン…ブルとギャロの心臓の鼓動が一気に加速する。


 「来るぞ!」


 ギャロはブルの後ろにかすかに何かの気配を感じ、ブルを突き飛ばすとすばやくしゃがんだ。


 その直後、“ヒュンッ”という軽い音とともに赤く輝く円が宙に浮かびギャロの髪をかすった。


 ギャロが体勢を立て直すため、立ち上がるとブルが突然悲鳴をあげた。


 「ぎゃぁぁぁ」


 横を見るとブルの左手首から血が吹き出ている。


 青ざめた表情で右手で必死に押さえるが、血の吹き出る勢いが止まらない。


 ギャロはその瞬間、冷や汗が身体中から大量に吹き出すのを感じた。


 前方には赤い仮面に黒い甲冑を身につけた男が立っている。

 手にはその背丈を上回るほど長い漆黒の棒が握られている。


 威圧的なその姿は目では見えているが、甲冑を着ているというのに音も気配を全く感じさせない。


 甲冑の男は、腕を抑えてうずくまるブルをみて“フン”と鼻で笑う。


 その姿と発言からギャロは相手が妖魔であることを確信した。


 そして、次々に疑問が浮かんでくる。


 “妖魔達はほとんど瀕死の状態で逃げたはず、傷を負っていないということはこいつは新手の妖魔なのか?武器は槍にしては先がとがっていない、ただの棒に見える。じゃあどうやってブルにあれだけ深い切り傷を負わせたんだ?今度も避けられるか?”


 数多の戦闘を経験し、数多の敵を葬り生き残ってきた彼は最上級の危険を感じていた。


 攻撃方法に疑問が残るが恐るべきところはその攻撃範囲の広さと素早さだった。


 “さっきは運良くかわせたが、完全に勘だった。目で追える速さじゃない”


 しかも、しゃがんで避けた際に一瞬宙に広がった赤い円を見るに敵は5メートルは遠くにいたはずだった。


 それだけの範囲であれだけ早い斬撃を何度も避けるはずがなかった。


 “だったら、必殺の一撃を隙をついて叩き込むだけだ!”


 ギャロはしゃがんだときから無意識で魔法はなつ準備をしていた。


 常に戦える準備をしていることこそが、ギャロの才能といっても過言ではなかった。


 “あと数秒で即死させれるほど強力な魔力が溜まる。なんとか時間を作って叩き込む”


 遠距離からの正確な狙撃も得意だが、至近距離から相手の意表をついた攻撃をすることでギャロはいままで生き残ってきた。


 「まさか妖魔一人にここまでやられるとはな、お前らただの脳筋だと思ってたわ」


 ギャロは甲冑の男に向かって話しかけた。


 「ふん、自分達は狩られる気分はどうだ?」


 甲冑の男は話しながら、棒の先をギャロの首元に向ける。


 「どうもこうも、自分からわざわざ狩られにくるなんて、化け物の癖に律儀なやつもいたもんだと感心していたよ」


 ギャロは話しながら相手の出方をうかがっている。


 “また円を描く様な広範囲の攻撃が飛んできたらしゃがんで避けて魔法を叩き込む。見た目通り棒のリーチを活かした突きをしてきたら横にそれてかわして魔法を叩き込む“


 「お前みたいな奴は、朝起きたときの口の中のネバネバ並に嫌いだ」


 甲冑の男が棒を構える。


 「そうかい、だったら早く殺してみろよ、じゃないとオレはどんどんお前らの仲間を豚みたいに殺して、魔石をはぎ取って金に変えてやる!すぐに大金持ちだ」


 ギャロは挑発しながら光った右手の人差し指隠しながら力をため続ける。


 「下衆が」


 甲冑の男がギャロに向かって 棒を突いてくる。

 右手に握られた棒は凄まじい早さでギャロめがけてとんでくる。


 それと同時にギャロの指先には魔力が限界まで溜まり、自分の最大の魔法が仕える状態になった。


 ”…突きだ!”

 

 甲冑の男の放った棒先は、ギャロの首元をそれて宙を突いた。

「同じ匂い」は次回で終わります。

その後はアルとレイの話に戻る予定です。



2014.9.20 訂正しました。

臭い→匂い


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