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落ちこぼれ騎士と銀のゴーレム  作者: ベンソン
第2章 災いの始まり
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第5話 スカーレット その5

スカーレット編が終わると言っていたのですが終わりませんでした(苦笑)

投稿しようと思うとどうしても追加したくなることが増えてしまい話がのびてしまいます。

次回こそは終わらせる予定です。


 美女が手をかざすと、リスの体から紫色の煙でてきてかざした手に吸い込まれていくように見える。


 「妖魔の術…貴様ぁ私のリスを食ったな!」


 ラモンは吐き捨てるように叫んだ。


 目の前の美女は信じられない事だが、話し方からしてスカーレットに間違い無い。その姿は先ほどまでの少女の時とは打って変わり、私が知っている妖魔そのものだった。


 緑色の瞳が仮面の下から怪しく輝き、見る者を吸い込むように魅了する。露出された柔肌はどこまでも白く、豊満な肢体が頭の奧を痺れさせる。


 私は、戦いの最中だというのにその圧倒的な存在感に目を奪われてしまった。


 「フン、下手物は嫌いなのだが貴様の溜飲が下がる顔を見るのも悪くないな」


 リスはスカーレットがしばらく手をかざしていると体が小さくなると、踏みつぶされ血をあたりに撒き散らす。


 「おのれぇ」


 ラモンは懐から手に握っていた黒い石と同じものを取り出すと右手で握りしめる。


 「これでまたリスを作り出しやる、見ろ!所詮お前達は私たちに蹂躙されるべき汚れた存在なのだ!」


 「させると思うか?」


 スカーレットは信じられない早さで間を詰めると、ラモンの右手を凄まじい力でねじ切った。


「ぎゃぁぁああ!!」


 ラモンは皮一枚で辛うじてつながっている腕を左手で抑え絶叫する。


 「馬鹿な奴め、同族に討たれるが良い!」


 私はリスの目に手刀を突き刺し、リスが暴れている隙に肩から刀をひき抜いてリスの首に向かって刀を力一杯に振りきった。

 するとリス体は首を切断され、後ろ向きにその巨体を倒し絶命した。


 「くそぉぉ!」


 「これで終わりだぁぁぁぁ!」


 私はラモンまで距離を瞬時につめ、その勢いにされに体重をのせ振り下ろす。

 

 ラモンは左腕で腰に下げた剣を逆手で抜いて身を守ろうとするが私の刀の勢いは止まらず、その剣ごと身を切り裂いた。


 「なぜだ、同じ人間なのになぜ妖魔の味方をする。同盟など、この者達に命を奪われた英霊達が許すはずがない…」


 「お前は騎士として王と民に忠誠を誓ったはず。それを破るなど、許される所行ではない」


 ラモンが地面に倒れるとともに、アルが刀の柄を隠すために巻いていた布がほどけ、王都騎士団の紋章が目に入った。


 「その紋章は王都騎士団の、なぜこんなところに…」


  スカーレットは話途中のラモンの腹を蹴り上げ首を掴むと腕一本で宙吊りにする。


 「“石”は誰から手に入れた?」


 「ぐぁああ、言え、るか、化け物め」


 「このまま首を折られたいか?」


 「うう…」


 私は、高台から赤い光がこちらに近づいてくるのを感じスカーレットを突き飛ばした。


 すると、突然ラモンの体が爆発した。


 「危なーい」


 さらに二発目の光が放たれた瞬間に目の前にレイが現れその場から移動する。

元いた場所を振返るとさらに爆発が起きて大きなクレーターが出来ていた。


 「もう、動けない」


 茂みに身を隠しつつさらに瞬間移動で崖下まで逃げるとスカーレットがその細身の体でからは信じられない腕力で動けなくなったレイを持ち上げその場から走って離れた。


 しばらく走っていくとさすがに私も目の前がかすみだし、倒れ込んでしまった。


 「追手は来ないみたいだな」


 「ああ、しばらくここで身を隠そう」


 あれから追撃がないのをみるに、先ほどの爆発はラモンへの口封じが目的であろう。追手の気配も全く感じられない。


 私はしばらく休んだ後、追手に位置を気づかれないように生で食べれる山菜を探してレイに食べさせた。しばらく待っていれば目を覚ますだろう。


 「小僧は騎士であったか」


 スカーレットはすでに元の少女の姿に戻っていた。


 「まあ、昔の事だ。今はただの旅人だ」


 「お前のような人間がいるのなら、この同盟は意味のあるものになるだろう」


 「そうだといいな」


 よくよく考えれば、騎士の中でも落ちこぼれの私がこうして妖魔の大貴族の一人と話すなんて人生とは不思議なものだ。


 「そう言えば、ラモンが握っていた石は何だったんだ?何をしていたか知っていたようだったが」


 「知っているも何も、あれ妖魔の体にある石だ。人間達は妖魔を殺してあれを取り出す事で魔力を補充している。知らないのか?今回の同盟はあの石を取り締まることが目的だ」


 「え?」


 「あのまま石を使われたら、あやつは一時的に魔力を回復してまたリスを作り出して妾達を襲ったであろう。まあ、妖魔の姿にさえなっていればあんな奴に遅れは取らないがな」


 「じゃあ、人間は殺した妖魔からあの石を奪っていたというのか?」


 「そうだ。私たちは土地とあの石を守る為に戦争していた。それを取りやめ、ともに歩むための今回の同盟なのだ。今のお前達の国王はなかなか面白い男だったぞ」


 たしかに人間と妖魔が仲が悪いのは人間が、妖魔を“密猟”しているからという噂を聞いた事があった。


 妖魔達が人間を恨むのも無理は無い。


 私は自分たちにこそ正義があると教えられてそうだったため、自分たちに非があるなど考えもしなかった。


 私はこの時、この妖魔の魔石がレイと自分の運命に大きく関わってくるとは夢にも思わなかった。

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