表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ネコの気まぐれ放浪記

「にゃー。うにゃーん。」

今日は日曜日。

でもだれも遊んでくれないから、

縁台でいつものようにくつろいでいる。

「あたしも人間だったら、ご主人様と一緒におでかけできたのに…」

てか、あたしは野良猫だから寂しくないし。

と言いながらも、寂しいのが本心だ。


だからって、人間に姿を変えることなんか

できるわけがない。

あきらめて、狩りにでも出かけるかにゃ。

こうして、あたしは家の周辺をゆっくりと

歩き始めた。


さっそく、近所のおばさん集団に遭遇した。

「今日も可愛いわね~。」

「抱っこしてもいいかしら?」

あたしはこのおばさん集団はちょっと苦手だ。

一番さわられたくないしっぽやお腹を平気で

さわってくるから。

いつもは圧力に負けて抵抗できないけど、今日は

なぜか鋭い牙で噛みつくことに成功した。


「ちょっとちょっと。今日はいつもよりも元気があっていいわね~。」

おばさん集団は怒るどころか、笑いながらそう言った。そして、

「私たちもあんたにエネルギーを分けてもらいたいわ。」

と言って、またぺちゃくちゃしゃべりながらどこかへ行ってしまった。


「焦ったにゃ…でも、これで解放されたにゃ♪」

あたしはさっきよりも軽やかな足取りで、再び歩き始めた。


「チュンチュン。チュンチュン。」

30m先に、すずめがいた。

見つけたら、あとはもうまっしぐら。


すずめの元までたどり着くと、野生動物としての

威力を思う存分発揮した。


必死に逃げ回るすずめと、必死にそれを追いかけるあたし。


2分くらい経って、ついにすずめはあたしに足を噛みつかれ、動けなくなってしまった。


すずめを近くの畑までくわえて放置し、あたしは

勝ち誇った表情でまた歩き始めた。


と、そのとき…


「ぐぅ~。」


あたしは、お腹がすいてきたのだ。

「すずめもいいけど、やっぱりキャットフードが食べたいにゃー。」


そう言って、一度来た道を引き返し、

優しいおばあちゃんにキャットフードをもらって、

思う存分お昼寝をしたのであった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ