No.15 名前
それからしばらくエシカと一緒に遊んでいた。
何だか妹が出来たみたいだ。
『ますたー、ますたー。』
「どうした?」
『あれ、なんですか?』
エシカが指さした先には、窓があった。
「窓がどうかした?」
『ううん、そのさき。』
「先?」
窓の外をよく見ると、電線に雀がいた。
「あれは雀っていうんだよ。」
『すずめ?』
「うん。」
何故こんな事をしてるかと言うと、俺らの様子を見ていた陽さんは、
「4号機はまだまだ学習途中だから、色々聞いてくると思うけど、
出来るだけ教えてやってくれないかな?」
と頼んできたのだ。
それから、エシカに質問攻めにされている。
まだ「なんで?」攻撃はしてこないから、大丈夫だが・・・
「そういや少年、2号機はいるよな。」
「はい。」
陽さんに言われた通り、あれから肌身離さずつけている。
今日もつけてきたのだが、
「2号機も遊びたいだろうし、出してやれば?」
という陽さんの一言で、チョーカーから出してみることにした。
とりあえず、十字架に向かってしゃべりかける。
「2号機もでてみるか?」
『はい』
2号機の声が聞こえ、一瞬十字架が白く光り、目の前に2号機が現れた。
チョーカーを見ると十字架が無くなっていた。
『おはようございます、マスター。』
2号機はそう言って、ふわりと微笑んだ。
エシカも見たときは綺麗だと思ったが、2号機は日の光を浴びると、
まさに【光り輝く】ようだ。
髪がまるでダイヤモンドのようにキラキラして見える。
『あー、サーシャだー。』
エシカがテコテコと2号機の方へ歩いていくと、
2号機も笑いながらエシカの頭を撫でている。
「サーシャ・・・って、それ2号機の名前?」
『はい。』
なるほど、何かイメージ通りの名前だ。
二人して仲良く遊んでいる姿を見て、俺は昨日のシーンを思い出していた。
「・・・陽さん、たしかあの2人、昨日殺し合いしてませんでした?」
こそこそと聞くアレに、陽さんはあっけらかんと、
「いや、別にあいつらは気にしないぞ?
4号機が暴走したのを止めただけ、ってイメージしか無いからな。」
と言い放った。
「そ、そうなんですか・・・」
俺は思わず頬を引きつらせた。
しばらくして、2号機はサーシャ、4号機はエシカと覚えた俺は、
ついでに他のナイトメアシリーズの名前も聞いてみた。
『えっとねぇ、エシカがしってるのはね、
5ごうきのマシアだよ。』
『私が知っているのは、
3号機のメィスールと1号機のエズトラです。
あとは製造期間が違うので、よく知りません。』
「へー。何か難しそうな名前だな・・・」
日本人の名前に慣れている自分には、覚えにくそうな名前だ。
サーシャもエシカも、あまり他の機体とは喋らなかったようで、
それ以外の情報を知ることは出来なかった。
追加情報
<名称>
nms-02 2号機 <サーシャ>
nms-04 4号機 <エシカ>
他のナイトメアシリーズの名前も出てきましたが、
彼女たちが出てくるのは当分先です;