No.12 地図の場所
2号機と衝撃の出逢いを果たした翌日。
俺は陽さんに手渡された地図の場所に立っていた。
「で、でかい・・・」
まるで豪邸。
高層ビルのような高さはないが、横にデカイ。
建物の真っ正面に立つと、視界全てに収まりきらない。
とりあえず、建物の方に歩いていくと、玄関らしき場所を見つけた。
インターホンがついていたので、押してみると、すぐに聞き慣れた声がする。
『あぁ、少年か。今開けるから待っててくれ。』
ガチャ、と音がして、目の前の扉が開く。
「お邪魔します。」
恐る恐る、家の中に入ってみると、まるで生活感の無い空間が広がっている。
「よく来たな。迷わなかったか?」
辺りを見渡していると、後ろから声をかけられた。
「おはようございます、陽さん。」
迷子の心配をされたが、それはまったく無かった。
迷う以前に、ここらへんには建物が少ない。
そこにこんな建物が建っていたら、逆に素通りするほうが難しいだろう。
陽さんは昨日のスーツ姿ではなく、ラフな格好をしていた。
家では、結構普通の格好をしているらしい。
それでもスタイルの良い陽さんが着ると、とてもおしゃれに見えるから不思議だ。
美人は何を着ても似合うというのは本当らしい。
そんな馬鹿な事を考えながら、陽さんに連れられ、傍の階段を下りる。
しばらく歩き続けると、透明なガラスの扉があった。
陽さんが横の番号が並んだ機械の上に指を滑らすと、しばらくして扉が開く。
扉をくぐると、想像していた『いかにも研究所』みたいなのではなく、
せいぜいパソコンが3個ほど並んでいただけだった。
ただケーブルがとても多い。
「4号機のメンテナンスに、時間がかかるかと思ったが、結構早めに終わってな。
さっき最終点検をし終わったところだ。」
陽さんが歩いていった先には、あの4号機が椅子に座っていた。