No.11 部屋
俺は、ようやく元の自分の部屋に帰ることが出来て、一安心した。
「あのまま首を切ったのかと思ったら、違うんですね。」
「あれはナイトメアシリーズ専用武器だ。
外装はなんともなくても、内部がズタズタになっている場合もある。
メンテナンスには時間がかかるぞ。」
椅子に腰掛けている陽さんは、4号機をチェックしている。
4号機をズタズタにした当事者は、あの少女の姿から、
トランクの時よりも小さい、十字架のような形をしたアクセサリーになっていた。
「ナイトメアシリーズって、全部こうなるんですか?」
「そうだな。
元々、要人の護身用に開発されたから、普段身につけても違和感がないようにデザインされている。
ただ、ナイトメアシリーズは扱いが危険すぎるとして、
開発当時は実用化の目処さえ立っていなかったが。」
適当に相づちを打ちながら、十字架のアクセサリーを見る。
確かに、ネックレスにでもすれば、そこらへんに売ってそうなのと遜色はない。
「少年、お前はこれから2号機の保有者になるんだ。
絶対無くしたり、落としたりするなよ。」
「分かってます。」
2号機に夢中で、半分上の空の俺に呆れたのか、陽さんはため息をついた。
さっき陽さんが買ってきてくれたチョーカーに、2号機を通す。
こうすれば、無くしたりはしないだろう。
「明日、この場所に来てくれ。
これからの事について、詳しく話す。」
4号機のメンテナンスのために、研究所かどこかへ帰る陽さんから、どこかの地図を受け取った。
そのあと陽さんは、4号機を車に乗せると、あっという間に視界から居なくなった。