僕と遭遇 姉と幼馴染み(♀)の場合 -確率的には兄と幼馴染み(♂)より実は上-
「――フッ……有坂 修、命を貰いに此処へ俺は帰ってきたアアアァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
一人の少年がまだ日射しが眩しい空に向かい吼えた。
(眩しいなぁー強がらずにサングラスかけたら良かったかな?)
「ちょいとお兄さん、道路の真ん中で突っ立っていると危ないでしょ!!」
「あっすいませんでした」
実は素直な良い子なのか?
―ポンポン
「ん?」
「ちょ~といいかな?」
「お疲れ様です!!お巡りさんが僕に何か御用でしょうか?」
「ほう、御辞儀も出来て敬語も使う、こんな世の中も君のような子がいれば先が有りそうだね」
嬉しいそうに頷く穏和そうな高齢のお巡りさん。
「ありがとうございます!!」
少年は嬉しそうに丁重に頭を下げるが‥‥やはり好青年なのかな?
「声も大きく素直で宜しい、此から聞くことも素直に答えてくれるかな?」
「はい!」
「命を貰うとはどういう事かな?」
突然の質問内容に狼狽えだす少年は目を逸らしたり挙動不審になりがちだが、さっき吼えていたのは只の虚勢なのか?
「あのー、えーと、そのぉ……」
(なんて答えたら良いんだよ!?急にとかわかんねぇよ!!)
さっきまで菩薩のように何でも許されそうな顔をしていたお巡りさんの顔が変貌する
「少年、答えれんのかな?」
それはみたことも無いけど罪を裁く閻魔のような顔だった。
「はう、は、はう」
狼狽える少年の額にはお巡りさんの拳銃が突き付けられていた。
しかし、何処から取り出したのかライフルをチラチラ見せるのは暗に『逃げたらコロス』と言って要るようだ。
「早く答えんか!!」
お巡りさんも痺れを切らしたのか手錠を取り出すしまつ
「答えられんのならついてこい」
―ガチャ!
(ちゃんと帰ってこれるかな?)
う~ん‥‥たぶんね。
――有坂家――
不思議な光景を目にしている。
あれから先輩が姉さんに甘える事で泣き止んでくれたんだけど‥‥年齢退行してない?
「忍ぅ?」
「んっ?どうした、眠くなってきのか?」
「うぅ~」
「よしよし、日向の当たる所でお昼寝しような」
あーうん、僕はと言うと、撮影の途中から二人の奇妙な関係に一人じゃ耐えきれなくて助っ人を呼びました‥
「修くんのぉ~言うぅ通りだねぇ~」
真琴を呼んでみたんです。
「まさに親子だろ?」
「うん、修くんは知らなかったのぉ~?」
「知っていたら僕だってこんなに戸惑う事もないさ」
「それもそうだねぇ~」
ハァ~、最近は溜め息をよく出している気がするよ
まったく、話し相手が欲しくて真琴を呼んだって言うのにさ、先輩を眺めているから暇でしょうがない。
お茶の御代わりでも入れますかッて!?だから立ったぐらいで睨まないでよ!!
「‥‥音で眠気が醒めた時は‥ツブス」
力には負けるもの、だから僕は逆らっちゃいけない、逆らっちゃ生けないんだ!逆らって逝っちゃいけないんだ!!
さてと、自分への呪文の様な慰めをしながら僕は席に静かに戻るんだけど本日も帯刀なおバカさんは‥
「そんな慰め方なんてぇ虚しくなるだけだよぉ~」
「相変わらず僕の心を抉るのが好きだね」
あまりにも当たるから心でも読めるのかと聞いた事があったけど、返って来た答えは【修くん限定女の感】らしい
そこまでピンポイントで当たる女の感を持つなよ!!
「柊もやっと寝むったが、お前達は此からどうするのだ?」
「何時の間に後ろに現れたんですか?」
貴女は僕の背後をとるのがそんなに楽しいのですか?
「何時と言われてもな、今しがただが?」
「忍さんもぉ~、別に趣味で修くんの背後をとるんじゃないよぉ~」
「心を読まないで!もう背後をとらないで!僕にもあんもふッ!」
「騒がぬか? 騒がぬのなら解いてやる」
「ごめんねぇ~、修くんの事は好きでもぉ~、忍さんには逆らえないのぉ」
だからって刀の切っ先を喉元に突き付けるな!!
「なにも言わないが大人しくすると受け止めて良いのだな?」
「うん、良いみたいだよぉ~」
てやんでぃばぁろぉ、オイラはもぅ心を読まれるなんざ痛くも痒くもねぇんだよ、へへぇんだぁオトトイ来やがれすっとこどっこめが!
「どうした?難しい顔をして」
「修くんが‥‥コワレタ。」
――いよ~ポン♪――
「ご迷惑をお掛けしました。」
とにかく土下座、ひたすらに土下座、雷が鳴ろうが雨が降ろうが微動だにせず土下座。
かなり必死に謝る僕にそっと一本の木刀の様なものが置かれたがそっと目を逸らす、だってこれって長ドスじゃーん!
‥‥だけど現実って厳しいね。
「私は二人の子守りをせねばならん、よって貴様の処分は夜になるまで私と顔を合わせるな」
「早い話が家から出ていけと?」
「理解しているのなら早く出ていけ、それとも切腹が良かったか?」
姉さんがさした指の先にはあえて見ないようにしていた一本の長ドス。
「不躾ではありますが何処でこの様な物を?」
「不躾と思うなら聞くな、切腹の作法と異なるが今は其れしかない我慢しろ」
誰が我慢するかぁー!!
――チャキ
「真琴さん? 僕の後ろに立ってるのは君かい?」
「そぉだょ~、修くんのぉ~ 介錯するのぉ~」
誰がさせるかぁー!!
僕は切腹なんざぁしねぇぇよ!
「まだ逝きたくはありません!生きていたいんです!!」
声を静かに張り上げる何て僕も母さんの様に器用になってきたな‥んッ?、まてよ!?
蛙の子は蛙なら母さんの子は母さんに似るのか!?そんなのイヤだぁぁぁぁぁーーー!!
あんなのには成りたくない!僕は父さん似だ!!
「お前は何を百面相をしておる?‥‥やはり世間の為に今のうちに‥」
「僕は大丈夫だよ!」 「修くん、説得力ないよぉ~」
ぬううああああぁぁぁぁぁーーーー!!
「命だけはご勘弁を!!」
もうワイには土下座しかありまへんねや!!
「またぁ、修くんがコワレてきたみたい」
「仕方ない、最後の一撃は姉からの全てを懸けた斬撃だ、痛みも苦しみも無い安心して眠るがよい」
寝たら起きれねぇーよ!哀しそうな顔でこっち来ないで!!
殺る気だ!止まる気がまったくない、止めなくちゃ僕が止まる事になる!!
長ドスを掴まれる前に長ドスを掴むんだ!!
「姉さん!僕は大丈夫です、ただ単に必死なんです!!」
長ドスは渡さない!言ってしまえば僕の命綱だ!!
「んぅ~とねぇ修くん嘘は吐いてないけどぉ~、必死すぎて危ない人に見えるよぉ~」
「まったく、貴様は迷惑を掛けおって!」
僕が悪いの?とにかく助かったんだよね?
少々コワれてたのは僕だし二人にはやっぱり僕が謝るのかな?
さっきから睨まれてるってことはそう言う事?
「え~と、ご迷惑をお掛けしました」
「解ればもう良い、お前達で出掛けて私の前から姿を消せ」
切腹騒動になるのも嫌だしここは僕の処罰が曖昧なまま出掛けるか、なにより姉さんから逃げたいです。
「うぅ~ん」
――ペキッ、パキボキッ、ぺキバキ、ポキッ♪
伸びをした時にこんなにも骨って鳴るものなのか!? 音からして何ヵ所か折れてるぞ!
‥‥平気だから良いのか?‥いいよな?
――トゥルルル
「姉さん任せた。なぁ美緒さん(仮名)に会いに行かないか?」
「うぅ~んとねぇ~、……うん、いいよぉ」
こいつ手帳なんか持っていたのか!?‥‥なんて似合わないんだ。
「修よ、貴様は警察に世話に成ることでもしたのか!?」
「僕は何もしてないよ‥僕はね」
怪しむ目を向けられたまま受話器を渡されたけども‥‥怪しむ目を向けている貴女が暗に僕が違法者だって言ってるの解ってる?
「はい、代わりました僕が有坂修です」
『いやぁ~、急な電話で申し訳ない、なにやら君のお姉さんは勘違いしていらっしゃる様子だが?』
顔も知らない貴方!大正解です!!
まさに疑惑の視線を穴を開けられる勢いで観られています!!
「その通りです、出来れば疑惑を解いてからにして欲しかったのですが?」
『いやぁ~、まったくその通りなんだがねぇ~、君の知り合いかの確認なんだよいやはや申し訳ない』
コイツ!謝る気がないな!!
先に疑惑を晴らすとするか、姉さんの疑惑の視線だけで何もしていないのに何かした気持ちに成るから耐えられないんだ!
「誰かはまだ知らないけど僕へ身元確認だってさ」
「なんだと?」
ヤバいッ!目付きが鋭くなっちゃった。
まったく、誰だよ!僕への手の込んだピンポイント撃破する奴は!?
「貴様は警察の世話になるような奴と遊んでいたのかぁー!!」
「違うよ!それにまだ、僕の友達かは決まってないじゃないか!」
「ぬッ!すまん、私の早とちりだな」
ふぅ~、まったく覚えていろ!誰か判れば僕の【鉄板ドロップキック!】改良型【花火ドロップ!!】を喰らわしてやる!!
『‥‥修?』
「誰だよ!ハキハキ喋ってくれ!」
『‥上杉です。』
「久しぶりだな、今度はどんなバカをやったんだ?」
『‥怒らない?』
「あぁ、怒らない怒らない」
「なんだ、相手は上杉なのか?我が家に掛かってくるのは久しぶりだな。」
姉さんも納得してリビングに戻った事だしピンポイント撃破も不発だな♪
『‥‥街中で叫んだ』
「僕の命を貰うって何時ものか?」
『‥うん、帰って来たのが嬉しくて』
「久しぶりも何も、たったの1ヶ月じゃないか!」
『それでも! 俺が修に会えなかった1ヶ月がどれだけ苦しかったか!叫びたい位に待ち焦がれてのが解ってくれないのか!?』
解りたくない、解ろうとしたくもないよ!
「何度も言ってるけどさ僕は男なんだよ?」
『そんな事は関係ない!』
・・・駄目だ、何度突き放してもこれだ。
「とりあえず、そこから帰って来なよ」
『うん、解った』
「何度も言うけどさ、街中で叫ぶの止めたら?」
『俺の愛の叫びは修にも止められない!!』
あれの何処が告白だよ?ただの宣戦布告じゃないか!
『‥いやぁ~彼から聞いたよ、君達がそんな関係だったなんてね、これは失礼したな』
「違います!!」
上杉からとんでも発言はいりましたぁぁぁ!!
そんなの鈴だけで十分なんですッ!
・・・鈴のとんでも発言に慣れ始めてる僕‥ヤバいかも?
『いやいや、そんな恥ずかしがる事じゃないっ!、彼の叫びに君は惚れたんだろ?凄い考えじゃないか君の命と君の存在をかけている叫びだなんて』
初めて知ったよ!貴方と上杉に何があったのさ!?過大評価し過ぎだからね!!
そいつはただの『危険人物弐号機』だから気を付けてぇぇぇ!!
『それで本題なんだが良いかな?』
「‥はい」
いきなり真剣な口調になったな、緊張して少しどもっちゃったかも?
‥‥‥緊張で汗が出てくる、本題って何だろう?もしかしたら上杉の奴逮捕されたりして!
それなら嬉しいんだけどなー、それにしても焦らすな。
『君と彼との件なんだがね』
キタッ!
『どっちが受けで、どっちが責めなのかな?』
「脳ミソ見えるまでノックされたいのかァァァァァーーーーーー!!」
――ガチャン!!
ピンポイント撃破の件は許してやろうと思っていたが、上杉には僕からの【花火ドロップ!!】を喰らわす!
「貴様の頭を先にノックしてやろうか」
この低くて戦慄を与える声は
「姉さん!?」
「貴様の怒声のお陰で柊が起きたよ」
知ってたかい、無表情で怒られると死を悟るぐらいに怖いんだよ。
怒られた側の対応ってさ、許して貰う気持ちが無くなる代わりに出てくる気持ちが‥‥
「晩飯は食べられる程度にお願いします」
「よかろう」
生き延びるって気持ちなんだぁー♪
「ボ――、ボディボディボディボディボディボディボディボディボディボディボディボディボディボディボディボディボディボディボディボディボディボディボディボディボディボディボディボディボディ―――貴様はもう内蔵破裂している」
「ガハッ!」
倒れる僕に人差し指をさしながら極め科白に入った姉さんに意識が途切れる前に疑問を投げ掛ける
「何時の間にマユゲが太くなったのさッ!‥‥‥……----―」
ふもっふ。
ヤッホー♪ 柊お姉さんだよハハハ♪
私がどんどん幼児化してるけどそれでも私さッ! ハハハ♪
もうちょいキャラクター紹介的なのしてから物語は進めるよぉ~ じゃぁね~♪




