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僕と家族 前編 ―男の好きなタイプは家族の中に居る女性が基準です。―


 やっと先輩から解放されてからの僕は、身も心もボロボロされていた。

 そして、今は帰路を軽くイジけてながら歩いている‥‥

 

 

 「なんだよ『君なら硫酸プールを泳げるはずだ!ハハハ♪』ってさ!」

 

 看板作成が終わり、解放されるかと思いきや先輩に『1人は暇なんだよ、だから遊んで♪』と、半場強引に遊び相手をさせられるハメになった訳だけどさ‥

 

 「硫酸プールは遊びじゃないだろ!処刑じゃないか!!」

 

 先輩は僕の事を不死身扱い方する事があるから一緒にいることをなるべく避けているけど‥‥‥

 

 「・・・最近よく絡まれるよなぁ。」

 

 

 今日は色々とあったし、風呂に入って寝るのが一番だな。

 

 

 

 ――有坂家――

 

 

 歩きながら愚痴を漏らしていたからか

 不審な目で見られて居たけど着いた我が家。

 

 ‥‥次からは気を付きなきゃなぁ

 

 「‥ただいま。」

 

 直ぐにイジけた僕の帰りを迎えてくれたのは‥‥

 

 「遅い!そして油断をするなぁぁあ!!」

 

 帰りが遅くなってしまった事にたいしての叱責に‥

 

 「ぐぼべふ!!」

 

 姉さんからの過激な愛情が籠った‥

 

 「この有坂忍の弟とあろうものが、この程度の攻撃も避けられんとわ!情けないぞ!!」 

 

 アックスボンバーだった!?

 

 

 姉さんからの過激な愛情の籠ったアックスボンバー(激愛ボンバー)のお陰で僕は、入る事もできずに居る家からダンプに弾かれたかのように弾き飛ばされた!!

 

 「はやく立て、メシにするぞ。」

 

 伝える事は伝えた、とでも言うように

 姉さんは僕に見向きもせずに踵を返しリビングへと向かうが、僕が殺られるだけの弟と思っていたら甘い!! 

 

 「あぁ、それなら先に逝きなよ姉さん」

 

 僕は姉さんの後ろ姿を確認後

 姉さんの頭を目標に定める

 そして、その場で渾身の跳躍をかまして

 喰らわすは【鉄板底ドロップキック!!】

 

 「死にさらせぇぇぇ!!」

 

 姉さんの頭に血の華を咲かす筈が

 

 「殺らせはせんよ」

 

 振り返り見せた姉さんの顔は余裕の表情だった。

 

 「天高く飛んで逝くがいい!!」

 

 僕の【鉄板底ドロップキック!!】は、姉さんの頭に血の華を咲かす事なく

 姉さんの手に掴れて、掴んだまま身体を回し僕を投げる。

 

 

  つまり

 

 

 「カウンタァァージャイアントォォォォォオ!!」

 

 と言う事になる。

 

 

 だけどさ、回す時は周囲を見ようよ

 自転車にぶつけられた時は僕から意識が翔びそうだったんだよ!

 

 そして、直角に近い角度で飛ばされた僕は‥‥

 

 「‥‥この姉は人間なのかな?」 

 

 常日頃に思う本音を呟きながら呑気に考えていると

 最後の一撃である自然落下を、いつの間にか妹が助けてくれていた。

 

 ―――ポヨ~ン♪

 

 ふむ、今回はトランポリンか‥

 

 「鈴いつも助かるよ」

 「お兄ちゃんの為、それが私の存在意義であり行動理由」

 「今回はブラコンに挑戦か?」

 「うん。」

 

 鈴は何かにつけて挑戦をしたがる、その向上心は見習いたいとは思うが‥‥

 確実に間違っているのに対して心配が尽きません!

 

 

 「家に入ろ、お兄ちゃん♪」

 

 だから、笑顔で話し掛けてくる鈴に対して僕が出来る事は‥‥

 

 「判ったから腕を絡めないでね。」 

 

 微笑みながら、優しく最低限の方向修正をしておく事です。

 

 

 まぁ、今までに『楽しめば良い』とか言う人も居たけど‥‥

 僕にはそういった性癖は無い!

 だからと言って、鈴をこのまま野放しには出来ない僕は、姉さんに一つの相談を持ち掛けた。

 其こそ後に結成した【鈴対策本部】だ!

 そして、結成後の対策本部は何度も会議を繰り返すが、案件を出しては否決を繰り返すと言う熾烈な日々だった‥

 疲労もピークな対策員達に遂に一つの計画が産まれた!

 その計画の名前は【有坂鈴修正教育計画】だ!

 僕が修正教育の教育-審査員となり

 姉さんが鈴の行き過ぎた行いに対しての捕縛や罰を与える補導-実行員と成る。 

 お互いをサポートしつつも鈴の修正教育に全力で立ち向かう計画なのだが‥‥

 

 思ってたより手強くてさ、そろそろ野に放しても良いかな?なんて思っちゃったりします マ~ル。

 

 

 

 ――閑話休題――

 

 

 「何してるの?早く入ろうよ」

 「判ったから下に手を回すな!」

 

 鈴は誰に対しても過ぎた振る舞いを取るから心配だ!

 

 「それともお外でしたいの?」

 「お願いだから、黙って下さい!」

 

 特に頭の中が心配です!!

 

 

 

  ――自室――

 

 

 鈴から逃れて部屋に入り、部屋の鍵を閉めようとしたんだけど‥‥

 

 「・・・壊されてる。」

 

 修理をしようにも原型をとどめないし、付け替えようにも都合良くそんなものは無いし‥‥

 

 「・・・どうしよ。」

 

 

 ――コンコン

 

 「鍵なら壊されているよう」

 

 優しくドアノブを回し、中に入って来たのは僕に激愛ボンバーをかました

 

 「やはり壊されていたか」

 

 忍姉さんだ。

 

 でも "やはり" ってどういう事?

 

 「ふむ、どういう事だ?と聞きたそうだな」

 「うん、姉さんは何か知っているの?」

 

 「あぁ」と頷く姉さんは、腕を組み僕を貫くように睨み付けて語り出す。

 

 

 姉さん、睨み付けないで下さい!

 貴女の目付きは睨まなくても恐いので、実は足がガクブル状態です!

 

 「前回のシスコンレズ妹の時だが」

 

 まさか!姉さんもやられたのか!?

 

 

 あっ!りきんだらチビっちゃった!!

 

 「私の部屋の鍵を壊そうとしていた鈴を見つけたのを止めたのだ」

 

 鈴さん今回も夜這いですかーーー!?

 

 この部屋の防衛ラインは鈴の事前工作により突破された‥‥

 

 しかし!僕には捨て身の防衛策がある、一歩間違えてしまえば命を落としかねないが今回は大丈夫だろ……たぶん。

 

 

 早く替えなきゃ染みになっちゃう♪

 

 「忍姉さんにお願いがあります」

 

 そして、これが僕の最終手段だ!僕は貞操を守るのを優先させる!!

 

 「言ってみよ」

 

 僕は久しぶりにこのお願いをする、ちょっと恥ずかしいけどそんな事は言えない状況までやられてしまったんだ!

 

 

 

 

 

 「一緒に寝てください。」

 「……」

 「…」

 「……」

 

 何か言ってくれないと余計に恥ずかしくなりますから!

 断るなり何なりと、言ってよ姉さん!

 

 「その手があったか!?良く言った、修よでかしたぞ!!」

 

 あれ? 姉さんが驚愕の表情で僕を見てるぞ?

 とりあえず僕が返す言葉は‥‥

 

「お褒めの言葉、有り難き幸せで御座います」

 

 でいいよね?

 

 「私は先に床に入る、修よ、お前は染みになる前に風呂に入り着替えてこい」

 「姉さん、気付いていたんだね」

 

 僕は心に深傷を負いながらも着替えを持って風呂に向かう

 

 ・・・風呂でこの事は忘れよう。

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