僕と先輩 ―色んな先輩の中でも、酒癖の悪い先輩には捕まるな!―
学校に来たのは良いけどもうすぐ放課後。
教室に向かうのも意味がなく、職員室に向かう二人は歩きながら美緒の事をこれからはどのように呼ぶか口論を繰り広げていた
「やっぱりぃ~希望さんだよぉ~」
「違う!あの方は大佐と呼ぶべきだ!」
「でもぉ~真琴の希望さんだよぉ~?」
「真琴のじゃないあの方は僕達の夢と希望だ」
ル~プ♪
――職員室――
「失礼します」
何の疑いも無く僕が開いた扉の向こうは地獄絵図だった。
「許してくれ」
「もう‥駄目だ」
「「イヤァァァァァァァァァァァァァァァ」」
「ヒァハハハ」
「俺は神だ!!」
それは、泣き喚き発狂し幻覚を観る先生達の絶望も許され無い姿。
「ハハハ♪」
そんな光景を僕の横で笑いながら心の底から楽しみビデオに録画する女性がいた
「今度は何をしました?」
寧ろ、何をしたら此所までの世界を創れるんだ?
「精神錯乱剤♪」
人の皮を被った悪魔、発見しましたぁぁぁ!!
「先生達を治して下さい!」
「拒否致します!」
即答で拒否入りましたぁぁぁ!!
「ハハハ♪冗談冗談、二時間待ちね♪」
そんなに待てない僕は、踵を返して帰ろうとしていたのに先輩が僕の肩を掴んでくる‥‥
「帰っちゃ駄目だよ♪」
嫌なの、お願い離して!僕は今すぐ帰りたいんだよォォォ!!
僕の必死な願いは
「帰ろうとしたら同じ薬を飲ますよ♪」
粉々に打ち砕かれた。
・・・泣いてもいいですか?
―――二時間後
僕は、先輩の暴走にまた巻き込まれて殆ど先輩の私室扱いにされている生徒会室にいる訳だけど…………
ここって来るたびに内装どころか広さも変わっている気がするけど
・・・気にしちゃダメだよね?
「いやいや待たせたねー♪」
笑顔を振り撒くこの人に、罪悪感というものが本当にあるのだろうか?
「真琴ちゃんはいないけど今日は一人?」
「逃げました」
‥‥僕も連れていって欲しかったなぁ
「修くんがフラれたぁ~。ハハハ♪」
‥‥先輩から逃げたって考えないんだ。
そう言えば、先輩の彼氏も逃げ出したんだっけ?
「……先輩、彼氏にふご!?」
そんなビニールで被されたら息ができないから!死ぬから!!
「修くん、それは言っちゃいけませんよ」
「ふごッふ!ごふふふごふ!!」
(解った!だからはずせ!!)
「えっとー君はふごふごと何が言いたいのかな?お姉さんには解らないや。ハハハ♪」
ワザトなのか!?
・・・意識が
ふごっふ。
――◇◆◇◆◇――
「そなたの意識頂戴したり…」
修に背を向けて、なんだかそれっぽいセリフとポーズを極めている先輩。
「どうしようかな?1人は暇だしなー」
好き勝手に事を進めて、周りに迷惑を掛けても気にせず繰り返す。
(それでも生徒会長やっます♪)
おかげで 『この者あるところでカオス有り』と言われていたり、生徒会室の扉には校長印の押された『カオス有りマス。』の札が貼られていたりと色々と話の種が尽きない御人だったりする。
だけど、この人と付き合っていた人達は勇者と呼ばれはしません!
(みんな最後の砦って呼んでたけど酷いよね?)
そして、この生徒会カオス長の名は
「僕を殺すつもか!?」 「起きたんだおはようかな?ハハハ♪」
(あれ?なんだかいつもの修くんじゃないぞ?)
「答えろ柊!!」
「ちゃんと計算してたから大丈夫だよハハハ♪」
(ありゃりゃ?怒ってるけどなんでかな?)
「落ち着きなよ怒ってるみたいだけど何かあったの?お姉さんが相談に乗るぞ」
「…」
「柊相談事務所は1時間6000円です!!」
(おっこれいいかも♪、生徒会室の扉にこんど看板作ろ~♪)
「…もう、いいや」
「んっ?何か言ったかな?」
「‥いえ」
(そうだ!いま修くん暇そうだし作ろ♪)
「修くん!看板作るよ!」
「えっ?看板?」
「うん!柊相談事務所の看板だよ♪安いし面白そうだからハハハ♪」
修は遠くを見詰めながら自然と思っている事がポツリと小さく出てきた
「‥‥また、巻き込まれるのか」
「ハハハ♪さぁ修くん今日中には作るよ!ハハハ♪」
悩み事は何時でもお姉さんに相談しなよハハハ♪




