表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/45

姉さんからの常識 ―色々な国があって、国々で常識が変わるから、日本語が変でも気にしないでね‥‥無理ですか?―

 僕は、何時も真琴に起こされるんじゃなくて、目覚まし時計で起きている‥‥たぶん。

 

 だけど、今日は、目覚まし時計の代わりに鳴った音は‥‥

 

 ―パッパラパー パーパーパー パッパラパー♪

 

 競馬のゲートが開くラッパ音。

 

 ‥‥なんで競馬?

 

 ―ズドンッ!!

 

 「えっ!? 何さ、今の大砲音は!?」

 「たぶん、佳奈がタイミングを合わせて空砲を撃ったんだろ」

 

 僕の隣で寝ていた、姉さんと激闘を繰り広げたシスコン興里が説明をしてくれた‥‥けどね

 

 「何でそんなに落ち着いてんだよッ!」

 「気付いてんだろ? 常識なんて無いって、何時もの事ってぐらい」

 「‥‥言わないでよ」

 

 僕だって気付いていたさ、この家で常識を求める方が馬鹿だって事ぐらい。だけどね、朝ぐらいは忘れていたかったんだ‥‥

 

 興里のお陰で、お通夜の様な空気が僕を纏いだした。

 

 そんな暗い空気から、意外な人が僕を助けてくれた‥‥

 

 「おっはよー! ハハハ♪ 朝食ができたようぉ〜」

 

 元気よくドアを開いて、空気を読まずにぶち破る柊先輩。

 

 先輩、初めて先輩に感謝します!

 

 「さぁ、行こう若人達よ! ハハハ♪」

 

 僕たちに声を掛けた先輩は、自分から声を掛けたクセに動こうとしない。

 

 「そこ邪魔ですから、リビングに移動するなり横に動くなり、退いて下さい」

 「えっ? だって、そこ‥‥」

 

 先輩が、心配そうに指をさす方には、僕が簀巻きにした上杉くん。

 

 でも、あれはちょっと‥‥

 

 「ガキは、あんなの見てんじゃねぇよ。

 オラッ! さっさとメシ食いに行くぞ」

 

 同じ考えだったらしく、興里が先輩を米俵みたいに担いで一階に降りて行く。

 

 アイツ、本当に佳奈以外の女性に興味ないのかな?

 

 そして、もう一人の女性に興味の無さそうな男‥‥

 

 「も、もっと強く! もっと強く俺を縛ってくれッ!」

 

 簀巻きにされて悦に入ってる上杉くん。

 

 ‥‥病院につれて行った方がいいかな?

 

 「やめとこ、どうせ無駄だし‥‥

 それより、僕も御飯食べに行こっと♪」

 

 どうでもいい上杉の事は置いて、僕も一階に降りて行く。

 

 

  ――リビング――

 

 

 何時もと違って賑やかな食卓には、先に降りた先輩と興里の他には‥

 

 「空砲のタイミングだが、ずれておったぞ」

 「そッスか? ウチは丁度だど思ったんスけどね」

 

 先程の事で反省会を開いている、姉さんと佳奈。

 そして、この二人に僕は言いたい。

 

 朝から空砲とか撃つことを反省しろッ! てか、撃つな!!

 

 まっ、弱者な僕が言える訳ありませんけどね‥‥

 

 「哀しいね、修くん」

 「僕を哀れむ目で見るなッ! そして、心を読むなッ!」

 

 相変わらずピンポイントで僕の心を読む真琴。

 

 ハハッ♪ 皆が、僕の平和を侵すから、心に罅が入ったよ‥‥

 でも、大丈夫! まだ折れてはないよ!

 ただ、気になるのが、頬を流れる液体は何だろね?

 

 「ねぇ、ひぃーちゃん見てよ! 何かお兄ちゃんが泣いてるよ。可笑しいね♪」

 「そんな汚いものを見ては駄目ですよ鈴ちゃん。目が腐る前に行きましょう」

 

 妹の鈴と後輩の平野ちゃんの連携プレイで、僕の心が折れた。

 

 多くは望みませんから、平和な朝を僕に下さい!!


 

 みんな元気ですかぁぁ!? ヒイラギお姉さんは元気ですよぉぉ!!

 

 東北で震災が起きたけど、お姉さんの親族が津波で流されました。みんなの親族や知り合いは無事だったかな?

 

 不幸って続くものって言うけどさ、不幸を知らない人は幸せに気付かないよね?

 

 そこで、お姉さんは思います! どんな人生でも笑って生きて行こうと。

 

 笑顔は幸せの元。みんなも暗いをしないで笑って行こう!

 

 何時も説教くさいヒイラギお姉さんでした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ