7月7日《嘘》by平野 ―真実を混ぜた嘘は騙されやすいから気を付けてね。―
結局、鈴ちゃんを見付けることが出来なかったボクは、大停電から復旧しないまま夜を迎えた街を歩いていた。
「う〜ん、ボクの欲望を満たしてくれそうな年上女性がいないですかねぇ?」
そんな風に周りを見渡しながら歩いているのですが‥
・・・人の姿すら見えない
困ったボクは立ち止まって考え始める訳ですが‥
「う〜ん、大停電と言っても一人もいないのは変ですよね?」
一人言を呟きながら解けない謎にボクは首を傾げ始める。
しかし困りましたね、ボクの欲望を解消するのは大事ですが‥
「‥街に女性がいないとボクの生死に関わりますからね」
あっ!でも、街にいなくてもお姉様の家に寝泊まりすると言うのも‥
「‥‥ありですね」
そして、ボクは計画実行の為に携帯を取り出そうとしたとき‥
「あぁ平野ちゃんだぁ〜♪」
後ろからボクを呼ぶ声が聞こえたので振り返ると‥
「真琴お姉様!?‥‥何をしてらっしゃるのですか?」
‥刀を抜き身で歩いてたら逮捕されますよ?
「ふふぅ〜ん♪百人切りだよぉ〜」
予想の斜め上を超えた返事を頂きましたぁあ!!
「でねぇ平野ちゃん私にぃ斬られてぇくれなぁい?」
相変わらず凄い事を恥じらいながら言う人だけど‥
「ハイッ!ボクを三枚切りにでもして下さい!」
そんな真琴お姉様のお願いをボクは‥
「えっ!?ほんとぉ〜にぃ?」
二つ返事で聞いてあげる事が出来る‥
「ウソに決まってるでしょッ!!」
命がけじゃ無ければね♪
「平野ちゃんのぉ〜嘘つきぃ!!」
「嘘付いてすんませんしたぁぁあ!!」
嘘付いた事は本当だし腰を90℃に曲げて謝る訳ですが‥
「平野ちゃんのぉ芸風だけどねぇ、なぁんだかぁ修くんに似て来たね?」
それを言われてしまってボクは‥
「それだけは言われたくなかったぁぁあ!!」
空に向かって叫んだ。
後日、鈴ちゃんから聞いた話ですが、ボクの絶叫が届いたらしく、修先輩の枕に涙の痕があったらしいですよ。
運命的な出会いを求める柊お姉さんだぁ〜いッ!ハハハ♪
みんなは運命って信じているかな?
お姉さんは信じるじゃ無くて、信じていたいよ!
でもさ、この違いって大きいよね?
実際に友達との間で信じるか信じていたいかを比べると
自分が相手の事をどんな風に思っているか判るんだけど‥
・・・なんだか少し怖くなるよ
だからね、お姉さんは実在しない事には信じていたいって言うんだッ!ハハハ♪
みんなはどんな風にしているかな?
それではお姉さんは旅立ちます。ハハハ♪




