僕と双子-男女の双子は似ていないけど女装男装させればどうなるのだろ?-
……はて?
ここはどこだろう?
確か僕は家で
…………あっ!?
デジャブ!
「起きましたか?」
黙って声が聞こえる方へ向く僕を待っていたのは意外な人で
「美緒さん(仮名)!?」
「‥‥(仮名)は抜いていただけませんか?」
驚いた僕に呆れたような諦めたような顔の美緒さん(仮名)
疲れているのかな?
「‥‥何を読んでいるんですか?」
「バイク雑誌です、良かったら読まれます?」
「…僕には向いてなさそうなので」
「そうでしょうか?これとかお似合いだと思いますよ、ほら!」
素敵な笑顔で進めてくれるのは嬉しい、とても喜ばしい事だと思うよ、うん、ただバイクがね違うんだ
ハンドルがなんかこれでもかッ!って ぐらいに上に向いているしさ、三人は乗れそうなシートでこれは僕と真琴に上杉の三人で乗れて便利そうだよやったね♪
「そんな違法改造車に乗れるか!!」
「何ですかいきなり?」
‥‥冷静になれまだ決まった訳じゃ無いからな
額に手を当て軽く左右に揺らしていたの止めて笑顔を貼り付けたら確認だ!
「美緒さん(仮名)はその様なバイクが好きなんですか?」
「女の子がこの様なバイクが好きのは可笑しいでしょうか?」
憧れるのが当然だと言いたげな美緒さん(仮名)
男女とかじゃ無いのに貴女は気付かないんだね?
ならば気付かせてあげようじゃないか!!
「それ以前の問題ですよ!」
「何がでしょうか?」
「違法改造がダメだと言っているんです!」
「普段は良い子にしていれば良いんですよ♪」
腹黒発言デターーー!!
なんで僕の周りに常識人が居ないんだよー! みんなして好き勝手やりたい放題してるしさ、僕への苦労を考えてみろ!
――コンコン
誰だ? こんな時に、まったく常識と言うものを最近の若者は解っとらん!
大体にして今何時だと思っておるのだ‥‥
‥‥‥‥何時だ?
「まだ15時だよバカ」
ホントに誰だ!? いきなり僕の事をバカ扱いにするのは?
「やっと顔を向けたか」
「あッ!?興里!、何で居るの?、 あと、喧嘩なら買い取るぞ! シスコンナルシストが!!」
「家に行ったら忍さんにヤられたって真琴ちゃんに聞いて来たんだよ、 訳わかんねぇ事をほざく奴はバカで十分なんだよ! シスコンで何が悪い!!」
「‥‥あの〜」
「僕に何か用? 僕は何も言っていない!お前はシスコンからナルシストが付くんだよ!!」
「ここ病院ですし」
「暇だったからな遊びに行っただけだ、 若者がどうのとか言っていただろ! 俺はナルシストじゃ無いだろ!!」
「いい加減に」
「お前の大好きな妹は顔がそっくりじゃないか!!」
「いい加減にしなさーい!!」
「「ウホッ!?」」
「喧嘩をするなとは言いません、場所を弁えなさい!」
「「ウッホ!!」」
――暫し待て!――
まさか美緒さん(仮名)に止められるとは思っていなかった僕と興里は、原人となり猿の惑星に窓から飛び立とうとするのを必死な形相をした美緒さん(仮名)に止められた
止められてばっかだね
「ハァ、ハァ、‥お聞きしたいのですが、‥男性ですよね?」
「それより息を調えて!」
「なぁー帰って良いか?」
コイツ!自分にも責任が在るくせに、逃げる気か!
「佳奈を迎えに行きたいんだよ」
「煩い!妹ばっか構ってないで勉強でもしてやがれ」
「ですから、ケホッ!ここは」
病弱な人に見えるのは僕だけ‥‥
「押す?」
じゃあ無いか
「コールは大袈裟だろ?」
「私なら呼吸が落ち着きましたから止めてください!」
興里もナースコールを置いた処で紹介といくか
「それじゃ紹介しますね」
「えっ?なに?俺を紹介しても付き合わねぇよ」
「煩い!ナルシストが!モテるからって頭に乗るなよ!」
「……」
「なんだよ?」
「‥‥ゴメン」
「だから、何が?」
そんな僕の疑問の答えを美緒さん(仮名)が横から哀れむ目で教えてくれた
「‥‥泣いてますよ」
「コホン」と一つ咳払いをして僕は
「それじゃ紹介しますね」
再度チャレンジした
こんな事を出来た自分を僕は男の中の男、詰まりは漢に近付いたと思うけど、どうかな?
「‥初めまして、私は美緒と申します」
丁寧に頭を下げる美緒さん(仮名)はそっと僕にハンカチを渡してくれる
この人の事を大佐から大和撫子に改名しよう、バイクに跨がりながらマフラーを吹かす大和撫子‥‥‥‥彼女はバイクに跨がれば腹黒撫子か!?
‥‥なんかやだなー
「どもっ、興里って言います宜しく」
この最低男め! せめて椅子から立ちやがれ! 僕をチロチロ見るな気味悪いんだよ、大和撫子を見ながら話せ!
あと、今日の服だけど何で佳奈のスカートを履いてんだよ!!
「男性ですよね?」
「そうッスよ」
「俺も聞きたいンスけど、何で苗字じゃ無くて名前を名乗るンスか?」
「私も失礼な事は判っては要るのですが、好きでは無いもので」
そう言えば僕も聞いてなかったような?
「美緒さん(仮名)!僕達もちゃんとした自己紹介はまだでしたよね?」
「そうですね、しかし私は」
言い訳のヒマなんかは与えない!
「改めて、僕の性は有坂、名は修と言います」
改めて自己紹介するからには、ちゃんと頭を下げなきゃね♪
「次は俺だな、俺の性は倉橋、名は興里これで良いのか?」
最後に僕を見るな! 美緒さん(仮名)から上手く逃げやがって
こんど姉さんを仕向けてやる!
「有坂 修さんに倉橋 興里さんですね」
美緒さん(仮名)が何かを諦めたかの様に「はぁ〜」と息を吐いてから、一回 キッ!と僕を睨んだ
クソッ、やっぱり興里のせいで恨まれたじゃないか、雑誌なんか読みやがって!
ムカついたので仕返しに小声で「‥‥今日の服装の事を姉さんに知らせる」って言ってやったら真っ青になって「‥‥何でも言う事を聞くから言わないでくれ」って返ってきましたとさ
――閑話休題――
「仕方ありませんね、私の性は轟、名は美緒と申します。」
「…」
「厳つい苗字ですね、確かに美緒さん(仮名)には似合わないや」
「はい、ライダーとしては好きなのですけど、女としてはちょっとね」
苦笑いをしている美緒さん(仮名)の苗字が好きに成れない理由は解るけど‥‥‥‥
なんでコイツはさっきから黙ってるの?
「‥修、お前は何で驚かねぇんだよ!?」
「何がさ?」
「コレを読んでみろ」
渡された雑誌を見てみると美緒さん(仮名)が読んでいた物だった
興里の趣味が解らないよホントに
「それで何さ?」
「ここを見ろ」
「んっ?」
扉絵を飾る一台のバイクと女性、彼女に飾られた誉め言葉の数々の中にある皆に呼ばれている二つ名が
【公道天女】轟美緒
なんて書かれているもんだから僕はそっと本を閉じて美緒さん(仮名)に返した
「そっくりですね、妹さんですか?」
「現実から目を離すなァーーーー!!」
オイオイ、僕はちゃんと現実を見てるさ、大和撫子と公道天女が姉妹なんだろ?
確かに大和撫子もバイクに乗っては要るけど雑誌に載らないさ、だってバイクに乗れば腹黒いし
それより興里にお願いしなくっちゃ、妹さんのバイクかもしれないし、もし妹さんのを壊してたんなら違法改造で修理費も上がるだろうしね
「と言う訳で直してくれ」
「意味わかんね」
「もしかして、私のバイクをですか?」
流石は大和撫子、アホ面興里とは大違いだ、そのオドオドした感じも僕的には高ポイントだね!
「そう言う事」
「かまわねぇけど、〔私のバイク〕って処をスルーしてね?」
呆れ面で戯言を吐いてからもブツブツと「早めに現実に戻さねぇとな」とか呟きながらバイクの基へと行った
――夕食の時――
「有り難う御座います、バイクの事はどうしようか私も考えていた処なんです。」
「それは良かった、妹さんのバイクだったら大変な処でしたね」
会話に出てきたバイクの事で深く頭を下げてくれた大和撫子に笑顔で返したのだけど
「…いい加減、認めてくれ無いのでしょうか?」
疲れた顔をして何かを呟いた様だけど何だろ?
それよりも困ったな、夕飯は食べられる様にしておいてくれる約束なんだが‥‥‥‥
「…リバースしそうだ」
隣で美緒さん(仮名)が何やら言っているようだが今の僕には腹に全神経を集めなきゃリバースする事になる、まさかの時間差攻撃とはやられたよ姉さん
「せーーのッ!!」
「フギャッ!」
なんかキタ!、頭になんかデカイのキタ!
「よっス、新型の威力どうよ? 兄貴に聞いてウチから来てやったんだぞ、新型ハンマーの威力を喰らった具合を聞かせろ!」
指を指す前に僕に謝りやがれ!、あと、ハンマーで頭を叩くな!割れるかと思ったわ!!、感想は以上です!
「‥興里さん?」
「アンタ誰よ?」
首を傾げるぐらいなら僕に向かって縦にゴメンナサイって謝れ!
「美緒ですよ、バイクの修理をして頂いているじゃ在りませんか」
「それって兄貴っしょ?ウチの専門は造ること」
そして造った武器の試しは何時も僕が受ける、お陰で意識を残して身体をピクピクさせてるんだろ!
「では貴女が妹さんの、名前は確か佳奈さん?でしたか?」
「オォー正解!! そんな正解者のアンタに修くん叩きの権利をあげよう、はいこれハンマーね」
「うんぬあぁぁぁ!!、佳奈ァー!! お前はなんちゅう権利を渡しているんだ!」
怒りでリバースも治まったわ!!
「二度目のよっス! 修くん叩きの権利だけど?」
元気よく笑顔でご挨拶よくできました。
残念!手を上げたまま首を傾げるのはキミの変態兄貴しか喜ばないよ
「そうぅぅじゃねぇぇぇよッ! 普通に返って来たから頭の中が旅立とうとしただろ!!」
「でもさ、この姉さんハンマー放す気が無さそうだよ」
佳奈が目で僕を促した先にはハンマーを物欲しげに見詰める美緒さん(仮名)
「‥‥美緒さん(仮名)?」
「ふぁいッ!」
誰かストリートファイトでもしているの?
「あ〜、欲しいんですか?‥‥ハンマー」
「あっ、いえっ、そんな訳、あっ!見ていたのはですね、ただちょっとですね」
佳奈と二人で数分は大人しく眺めていたんだけど‥‥‥‥慌てぶりすげぇ!
佳奈も小声で「…マンガだ」と呟いていた訳さ、なにせ両手と顔の残像を残す早さで何分も振り続ける人なんて漫画でしょ?
「なぁー修くん」
「なに?」
「あの人さ、美緒さんだっけ?」
「うん」
「あのハンマー美緒さんに上げるわ」
「うん、有り難う」
「じゃあウチは帰るわ、まったねぇ〜♪」
鼻歌スキップな佳奈が帰って行くのを見届けて美緒さん(仮名)を観るけど佳奈が帰ったの気付いてないよな?
「…どうしよ」
多分だけど美緒さん(仮名)的にハンマーが欲しいけど言えない状態だよな?
「美緒さん(仮名)」
「ふぁふぁふぁふぁふぁいッ!」
貴女は何人とストリートファイトをしているのですか!?
「佳奈なら帰りましたよ」
「……!!、それなら私も帰りますぅ〜」
駄目だな冷静に成るまで待つしかなさそうだけど、眠いし今日はもう寝よ
「寝ないで下さい!私はどうしたら良いんですか!? ねぇ!」
今日は徹夜だカンバロ
ヤッホー♪柊お姉さんです!
あと二回で紹介編の更新が終るってさ、いつ名前なんて付けたんだろねハハハ♪
更新とかどうでもいいからお姉さんに手紙ちょうだいね!
お姉さんからのお願いだよ!
それじゃぁまったねぇハハハ♪




