S級冒険者パーティ《猛る獅子》
ある都市セングクレードルの酒場で食事を取るS級冒険者パーティ《猛る獅子》の面々がいた。
「テュフォンは今頃どうしてるだろうね。あの娘の火力さは私らに劣らないから凄いもんだ」
「竜を5回以内に仕留めるんだぜ。テュフォンが抜けて依頼をこなせるスピードが遅くなったよな?」
魔法使いのルクスリアが樽の形状をしたジョッキでビールをあおぎながらテュフォンの話題を上げた。
剣士のカルトがテュフォンが抜けたパーティを嘆いた。
「勿体ねぇよ、アイツ。あんな火力が出せるのに、鍛治をするなんてよ!!何処に居るんだっけ?」
槍使いのストラムが愚痴って、居所を訊ねた。
「さぁね……グリットリグに住むなんて言ってたっけ。彼女なら王様に好かれてたりするんじゃない?」
治癒師のキャッラがストラムに応える。
「テュフォンなら気付かないうちに助けてそんなことになるんじゃない……あはは」
ルクスリアが苦笑した。
「は、はっ……ハックシュン!!くしゅん、くしゅんっ……ハックション!!!!」
私はくしゃみが止まらなかった。
ずずっと鼻水をすすった。
「誰か噂をしてやがるかぁ?はぁー、いい出来だぁ……高値で売れそうなんだよなぁ、いや私が嵌めるのに……はぁー、今は納めるのにしなきゃかぁ」
銀の指輪に頬擦りをして優柔不断な思考を固める。
「それにしても……身体がなまりそうだ。魔物を生み出す装置の研究を費やす時間もいるし、迷宮都市であるあそこに行きたいな」
寝室に向かい、羊皮紙に王へメッセージを綴り、伝書鷹の脚に括りつけ、王城へ飛ばす。
行くとして、料理人は同行して欲しいな、料理人探しを早急にせねば!
こうしてはおれぬ!!
私は旅の同行人探しに出掛けた。
干し肉では物足りなく、3食温かい食事にありつきたい。
魔法鞄を購入しに鞄屋に赴いた。
「ヘイ、いらっしゃい……ってテュフォンじゃないか。何をせわしなくしとる」
「おやっさん、大きい魔法鞄はいくらくらいだ?」
「大きいサイズの魔法鞄じゃと……金貨3枚からになっとるが。何処かに行くのか、仕事を放り出して?」
「仕事を放り出して行くか!仕事に関わることを研究しに行くんだ!決して仕事を放り出してなど……私が中途半端な仕事するか!!まったく」
私は腰に手を添えて、否定する。
「おまえさんが中途半端な仕事をするとは言っておらんわい。金貨3枚以上あるんかい?」
「金貨3枚……うぅーん、痛い出費だ。金貨3枚に銀貨6枚で買える魔法鞄をひとつ!!」
カウンターに金貨と銀貨を叩きつけた。
「毎度あり!待ってな、今から持ってくる」
私は魔法鞄を鞄屋の店主から受け取り、鞄屋を後にした。




