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第4章 最強領主 & 勘違い外交が加速!

 朝の空気がまだひんやりしているうちから、村……いや、もう“街”と呼ぶのがしっくりくるこの場所がやたらと騒がしい。

 あちこちで馬車の車輪がきしむ音や、誰かが大声で荷物の搬入を指示している声が響いている。

 昔は鳥のさえずりしか聞こえなかった辺境の田舎が、今じゃまるで王都並みの活気だ。


「おはようございます、レオン様! 今日もお忙しいですか?」


 広場を抜ける途中で商人らしき男に呼び止められる。聞けば、温泉宿と紙幣交換所を兼ねた新しい施設を立ち上げるとかで、オレの“お墨付き”が欲しいらしい。

 いや、別にオレは承認印でも何でもないのに……いつの間にこんな権威が生まれてしまったのか。

 正直、面倒な半面で悪い気はしない。せっかくだから話を聞いてみる。


「忙しいかどうかは微妙だけど、用件は?」

「いやあ、実は新施設で“温泉割引券”を紙幣とセットにして発行しようと思いまして。もしよろしければレオン様に“温泉の神”として一筆いただけると、なおありがたいんです!」

「オレはそんな大層な神じゃないけど……まあ、いいんじゃないのか? 今さら止めても勝手にやるんだろ?」

「さすがレオン様、わかってらっしゃる!」


  男は大はしゃぎで去っていき、残されたオレはなんとも言えない脱力感に襲われる。追放された“無能”と呼ばれていたころのオレが、こんな形で祭り上げられるとはなあ。人生わからないもんだ。


 ――が、そんな呑気な姿勢でいられるのも、まわりに頼れる仲間が多いからだ。

 視線をめぐらせると、すぐ近くでエリシアが何やら外交らしき交渉をまとめているのが目に入る。帝国の紋章をつけた使節団を相手に、彼女は流れるような口調で話をしている。目が合うと軽く手を振ってくれるが、すぐまた難しそうな書類に目を落とす。どうやら“この街を正式な国際拠点として認める”だの“通商協定を締結したい”だの、次々と持ち込まれる要望に対処しているようだ。


「なんだかもう、オレがどうこうという話を超えちまってるよな」


 小さくつぶやく。実際、この“アインハルト自由都市”は勢いが止まらない。温泉と農産物の成功だけでも破格だったのに、最近は魔導技術や商人の流入、独自の軍事力まで整い始めている。

 周囲の国々も黙っていられなくなり、続々と使節団を送り込んでくる。そうなるとエリシアが大忙しになるのは当然だ。


「おい、レオン!」


  やけに陽気な声が聞こえて振り向くと、グラハムがこちらへとやって来る。先日は大規模な軍事演習を成功させたばかりで、今や“最強傭兵軍団の頭領”として恐れられている男だ。彼の後ろには精悍な顔つきの兵士や冒険者たちがずらりと並んでいて、むしろ“王国軍”とでも呼ぶほうがしっくりくるくらい統率が取れている。

 例のエリシアの交渉相手である帝国からすれば、これがどれほど脅威なのか想像に難くない。


「どうしたんだ、その物々しい行列は」

「はは、ちょいと町の警備を強化してるだけさ。この前、帝国の使者が“王国のほうが黙ってないぞ”って妙に含みのある言い方をしたからな。万が一、余計なちょっかいを出されちゃ困るだろ?」

「いや、確かに助かるけど、あんまり派手にやると余計に警戒されないか?」

「大丈夫大丈夫。むしろ下手に弱く見られるほうがやばい。こっちは“いざとなればやり返す力があるぞ”って示しておくのが平和への近道だ」


 グラハムは豪快に笑い、兵士たちに軽く手を上げて合図をする。すると彼らは整然と散らばって、街の主要ポイントへと配置についていく。その動きに、通りを歩く外国の使節や商人がざわめき声を上げるが、すぐに納得したような顔つきになって足早に通り過ぎていく。

 どうやら“ここじゃ妙なことはできない”と理解したらしい。


「なんだかもう、王都顔負けの統制じゃないか。オレがスローライフを望んでいるなんて、誰も信じないだろうな」

「はは、悪いな。俺たちが好き勝手やってるからお前の気苦労が増えるかもしれない。でも、これもアインハルト自由都市を守るためさ。いや、守るっつーか……結果的に勢力がデカくなってるだけだけどな」


 グラハムが誇らしげに言うものだから、オレは思わず苦笑する。

 守るどころか、すでに“最強領主”扱いをされる始末。実際はオレが強いというより、周りに有能な連中が集まっているだけな気がするが……まあ、誤解されるならされるで構わない。今はこの勘違いが、かえって外交や治安を安定させる要因になっているのが面白いところだ。


 昼下がりになると、街の一角で「温泉を利用した外交サミット」なるものが始まる。エリシアのアイデアらしく、「世界の代表者が湯に浸かりながら平和を語る」という前代未聞の催しだ。

 オレも半ば強引に呼ばれて行くと、大きな露天風呂が用意され、すでに複数の国の使節が湯煙の中で談笑している。


「これはまた斬新な……」


 オレが思わず呆れていると、エリシアがにこやかに近づいてくる。タオルを手に持ち、指をさして湯船へ促す。


「レオン、あなたも入りなさいよ。『湯に浸かってこそ真の平和が語れる』って評判なんですから」 「うーん、みんな裸同然で交渉するのか? なんか色々気が散りそうだけど……」

「ふふ、逆に身一つで話し合うからこそ、お互いに余計な駆け引きをせず、率直な意見交換ができるってわけ。実際、好評みたいですよ」


 見ると、湯船の向こうで帝国の代表と隣国の役人らしき人物が「ほうほう」「なるほど」なんて言い合っている。隣国側はこっちの紙幣導入に興味を示し、帝国側は逆に「技術協力」を持ちかけているらしい。

 彼らがこんなにリラックスした様子で話すなんて、普通の会議室では考えられない光景だろう。


「じゃあオレも失礼して……」


 オレは服を簡単に脱いでタオルを巻き、湯船に浸かる。適度な温度で気持ちいい。すると、さっきからこっちを見ていた帝国の男が、興味津々な顔で寄ってくる。

 まだ若い使節らしいが、表情には緊張の色が混じっている。


「はじめまして、レオン様。あなたがお噂の……いえ、“最強領主”と呼ばれるお方ですね」

「なんかそう呼ばれてるらしいけど、個人的にはただの温泉好きなんだが」

「あはは……それにしても、この街の力は本当にすさまじいですね。経済だけじゃなく、軍事も外交も兼ね備えているとは……帝国としても、軽々しく敵対はできません」


 男は湯に浸かりながらちらりとグラハムのほうへ視線を走らせる。彼の背後には軽装備の兵士が待機していて、こちらを監視しているわけではないが圧倒的な存在感を放っている。

 なるほど、帝国としては“こんな辺境がいきなり無双状態になるなんてどういうことだ”と疑問に思っているに違いない。


「まあ、オレがどうこうっていうより、みんなが好き勝手やってたらこうなっただけだよ。オレはただこの湯を掘り当てて、畑を少しいじっただけだ」

「それがすでに奇跡だと言われてるのをご存知でしょう? もしあなたのお力が本当に“神懸かり”ならば、帝国が下手に手を出せば痛い目を見るかもしれませんからね……」


 彼は微妙に含みのある口調でそう言い、湯の表面をはらいながら視線をそらす。どうやら帝国内部でも、アインハルト自由都市をどう扱うか意見が割れているのかもしれない。

 「国交を深めて恩恵を得よう」という派閥と、「こんな得体の知れない勢力は排除すべきだ」という強硬派がいるのだろう。

 ま、その辺はエリシアに任せておけばうまいこと折り合いをつけてくれると信じたい。


「帝国でも大変そうだな。なんなら温泉で疲れを癒やしていけよ。平和が一番だろ?」

「ええ……おっしゃるとおりです。平和が一番ですね」


 彼は苦笑いしながらもう一度こっちを見やる。その表情には若干の安堵が混じっていて、“目の前にいるこの男は少なくとも侵略者ではない”と感じているのかもしれない。そういう勘違い外交なら歓迎だ。平和に越したことはないからな。


 温泉サミットを抜け出し、少し服を整えてから外に出ると、今度はルカが慌てた様子で走ってくる。

 彼女は相変わらず手にスパナのような工具を握りしめ、ゴーグルを額に引っかけたまま、オレの腕をつかむ。


「ちょうどよかった! 新しい魔導兵器……じゃなかった、魔導防衛システムのテストをしたいんですよ! グラハムたちには軍事演習で使ってもらう予定なんですけど、ちょっと地形を補強してもらえます?」

「魔導防衛システム? まさかぶっそうな兵器をまた作ったわけじゃないよな?」

「ぶっそうだなんて失礼な! ただ“空飛ぶ監視装置”を導入して、街の上空から外敵を早期発見できるようにしようってだけです! それで、この辺りの土地に発着台を作る都合上、あなたの力をちょびっと貸してもらえないかと……」


 また妙なテクノロジーが生まれそうだ。でも確かに、“空からこの街を監視して安全を確保する”というのは理にかなっている。ルカの暴走のように見えて、意外と現実的だし、周辺の国がいきなり攻めてきても対処できるなら心強い。


「わかったよ。場所を見せてくれれば、土の強度をどうにかするくらいはできる。けど、変に屋根を吹き飛ばさないでくれよ?」

「もちろん! むしろ屋根の修理費用はこっちもちで……あ、いや、その話はまた後で!」


 彼女は先を急ぐように、オレの手を引っ張って工事現場へ向かう。そこではすでに職人たちが足場を組み始めていて、紙幣で雇われた傭兵や冒険者が資材を運んでいる。

 何というか、あらゆるギルドや人材がこの街に吸い寄せられ、互いに協力しながら新しいものを次々と作り上げている。普通の国なら何年もかけてやる開発を、こっちは数日から数週間でやってしまう勢いだ。


 夕方頃、工事を手伝い終えてようやく一息つくと、フェンリスがどこからともなく現れてオレの足元にすとんと座る。昼間は遠慮していたのか、あまり姿を見せなかったが、夜が近づくと人々の活動も落ち着いてくるので、散歩にでも来たんだろうか。

 かすかに鼻を鳴らし、あたりを警戒するように見回している。


「お前も大変だな。昼間からこの街にいたら、みんなびびってまともに仕事できないかもしれないし」


 フェンリスは尻尾を一振りして、まるで「別に構わん」とでも言いたげだ。

 神獣クラスの魔狼が人間社会に溶け込むなんて普通はありえないはずなのに、この街じゃ“レオンの仲間”として受け入れられている。考えてみれば、それだけで十分に異常事態だ。


「…そういや、噂で『王国がいよいよ動くらしい』って聞いたけど、具体的にはどう出るんだろうな」


  思わずつぶやく。紙幣が普及し、商人たちがこっちへ総流出し始めた今、王国は経済的なダメージを受けているはずだ。いわゆる“バカ王”がどんな暴走をするか想像もつかないが、このまま黙って見ているとは考えづらい。いずれ王国の使節が大挙してやって来たり、あるいは軍事的な圧力をかけてくるかもしれない。


「まあ、グラハムたちが備えてるし、エリシアも外交でがっつり抑え込むかもしれない。オレはそのときはそのときで、温泉に入ってればいいか」


  気楽な口調で言ってみるが、内心ではほんの少しだけ胸騒ぎがする。追放された当人がここまでデカくなってしまったら、王国の貴族連中が面白く思うわけがない。どこかで必ず衝突が起きそうだ。

 オレがそれを望まなくても、周りが勝手に仕掛けてくるに違いない。


「だけど、ここまで来たらオレのほうから王都に戻る理由なんてないし、向こうが土下座しても知らんがな……って感じか」


 小さく肩をすくめる。こんなにも自由と活気がある街を離れて、またあの退屈な王都生活には戻れない。今さら「やっぱりお前が必要だ」と言われたって、オレの居場所はここだ。

 フェンリスも同じ気持ちなのか、鼻をひくつかせて森のほうをちらりと見やる。まるで「外敵が来るなら迎え撃つのみ」と構えているように見える。


 夜になり、街の広場は相変わらずの熱気に包まれている。世界各国の使節が滞在しているせいか、屋台のバリエーションも国際色豊かだ。時折耳に飛び込んでくるのは「レオン様がこう言った」「アインハルト紙幣がどうした」など、オレをネタにした会話の数々。どうやら勝手に“神託”扱いされてる発言もあるらしい。何か「近頃の物価が高いよな」ってオレがぼやいたら、それだけで「レオン様のご意向だ!」と通貨相場が動いたという噂まで出ている。まったく、勘違いにもほどがある。


「すごいな、オレそんな大物に見られてんのか」


  ぶつぶつ言いながら、通りを歩く。横では祭りの楽器が鳴り響き、冒険者たちが酒を酌み交わし、商人が紙幣の換金サービスを始めていたりと、ここだけで一つの国が回っている感じだ。

 ほとんど無計画で突き進んでいるのに、なぜか滞りなく運営されているのが不思議でしょうがない。


 エリシアがいつの間にかこちらに寄ってきて小さく笑う。


「レオン、あなたのおかげで街の認知度はうなぎのぼりよ。『最強領主』という看板が世界中を駆け巡ってるわ」

「最強領主か……あんまり自覚はないんだが、勘違いしてくれるならそれはそれで楽だよ。変に舐められるよりはいいし」

「ふふ、そういうふうに割り切るなら賢明ね。実際、いろんな外交がスムーズに進むのは“あなたを恐れてるから”でもあるわけだし」

「ええい、脅し文句じゃないぞオレは。のんびりしたいだけなんだが……ま、いっか」


 エリシアがくすくす笑う。その視線の先には、温泉街の灯りが揺らめいている。湯気が立ち込める夜の空気には、どこか落ち着いた雰囲気が漂っていて、こんなに人が多いのに妙な安心感がある。

 もともと田舎だったこの地が、いまや国際都市として光を放ち、各国の要人すら温泉に浸かりに来る時代。そう考えると、この発展ぶりは異常だが……それがアインハルト自由都市の面白さでもある。


「さて、明日も使節団との会合があるし、紙幣の追加発行に関する話し合いも進めなくちゃ。グラハムやルカも新しいプロジェクトで忙しそうだけど、あなたも呼ばれるかもしれないわよ?」

「やれやれ、ひと息つく暇もないな。でもこういうバタバタも嫌いじゃないから不思議だよ」


 本音を漏らしつつ、エリシアと並んで夜の街を歩く。

 右手では鍋をかき混ぜる屋台の主人が「レオン様! 無料試食どうです?」と呼びかけ、左手では冒険者ギルドのメンバーが「オレたちの依頼、どうにかレオン様からも宣伝してもらえないか?」と声を上げる。

 彼らの勘違いが加速しているのを肌で感じながらも、オレは心のどこかで笑いが止まらない。ここでは“無能”扱いされることは絶対にない。むしろ放っておけば「神」扱いに近づきかねないが、そこはうまく手綱をとりながら、みんなを一緒に盛り上げていくのも悪くない。


 ――そんな充実感をかみしめていると、遠くから聞き慣れない馬車の音が聞こえる。どうやら新しい客人が夜のうちに到着したらしい。まさか王国の使いか、あるいは新手のスパイか。そちらを横目で見つつ、オレはエリシアに尋ねる。


「また新しい客か? 今度はどこの国だろう……まあ、どうせ“レオン様に謁見したい”とか言うんだろ?」

「きっとそうね。大丈夫、わたしが先に話を通しておくわ。あなたはゆっくり温泉に浸かってきて。そのほうが『レオン様は悠然としている』と喜ばれるんだから」

「ほんと、勘違い外交って面白いよな。ありがたく温泉行かせてもらうか」


 オレは苦笑しながら肩をすくめる。こうして何をしていても、勝手に周囲が好意的に解釈してくれる。もちろん、それに甘えすぎるのはよくないけど、この街の発展に反対する人間がいない今は、とりあえずこの状況を楽しんでいいと思っている。

 少なくとも争いが起きていない限り、“最強領主”の威光は平和のために使えるからな。


「じゃあエリシア、任せた。オレは先に湯へ行く」

「オッケー。まあ、くれぐれも長湯しすぎないでね。明日の朝も会議があるわよ」

「了解了解」


 エリシアと別れ、まばらになり始めた屋台通りを抜けて温泉街へ向かう。途中でフェンリスが背後からついてくる気配を感じるが、もうすっかり夜の散歩コースとして慣れてきた様子だ。彼が近くにいるだけで、変な連中は寄りつかないし、そういう点では助かる。

 道行く人からは少し怖がられるが、もう“アインハルト自由都市”では見慣れた光景になりつつある。


 湯けむりが立ち込める坂道を上がり、静かな露天風呂へ潜り込む。ちょうど今は混雑も少なく、夜風が心地よい。空には満天の星と、どこか遠くで鳴り続ける祭りの太鼓の音がかすかに届く。湯に浸かると肩の力が抜けて、思わずため息が漏れる。


「ふう……ほんと、贅沢な話だよな。こんなに忙しいって言いながら、結局温泉に浸かれてるんだから」


 自分でも笑ってしまうほど、この街での生活は充実している。


「強いて言うなら、この幸運がいつまで続くかってところか……」


  少しだけそう考えるが、湯の心地よさに思考が溶けていく。深く考えなくても、目の前にある自由と活気を満喫するほうがオレの性分には合っている。フェンリスも近くの岩場に腰を落ち着けているらしく、ちらっと覗けば満足そうに目を細めている。彼にとっても、この街は快適なのだろう。


 ――だが、いくら温泉で平和を満喫していても、世界の情勢は常に動いている。既に周辺諸国はアインハルト自由都市を“侮れない新勢力”とみなし、帝国も友好を深めるか戦うかで揺れているらしい。王国は経済崩壊の一歩手前だという噂も聞こえてくる。もしバカ王が本気で何か仕掛けてくるなら、近いうちに大波乱が起こるかもしれない。


「……まあ、起こるなら起きるさ。どうせオレに止める権利はないし」


  開き直ったようにつぶやいて、湯の温もりに身を沈める。今はまだ、勘違いされようが恐れられようが“最強領主”として街を盛り上げ続けているのが現状だ。これがどこまで続くのか、まったくわからない。だが、周りのみんなが楽しそうに暮らしているなら、それでいい。


 夜空を見上げると、星が瞬き、ほんの少し先の未来を暗示するようにまたたいている。

 王国に戻ってくれと泣きつかれても嫌だし、敵として攻めてくるにしても、やっぱり騒ぎになるのは面倒くさい。けれど、もし何かが起きるなら、オレはオレのやり方でこの街を守るだろう。

 そういう覚悟は自然にできている。

 追放されたからこそ見つけた居場所だし、ここで得た仲間との絆は本物だ。いざとなれば、グラハムやルカ、エリシアと一緒に何とかなるはずだ。



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