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4.死の海_後


『地下_商人ギルド支店』



ヨッコラ ドスン!!



アサシン「ふぅ…中々に重い…」


商人「…これで後はトロッコの所に引っ張って行けば良い」


狼女「食料はこれで足りる?」


アサシン「食料が必要なのはお前だけだ…」


商人「アハハそうだね」


影武者「…では私はこれで失礼します…本店の方へ戻ります」ペコ


商人「ありがとう…3日くらいで戻るからよろしくね」


影武者「はい…お任せください」


商人「じゃぁ行こうか…」グイ


狼女「あんたじゃ弱いんだって…」グイ



ガタゴト ガタゴト



商人「一回動き出したら僕でも荷車引けるよ」ヨタヨタ


盗賊「お~~~い!!何やってんだぁぁぁ?」タッタッタ


狼女「んん?」キョロ


商人「おおおおおおお!!?盗賊!!」


盗賊「さっき帰った所なんだ…どっか行くんか?」


商人「丁度良かった…今からトロッコに乗ってお宝探しに行く所だったんだよ」


盗賊「なぬ!?マジか!!」



影武者「やぁ…」スタスタ



盗賊「おぉ!!気球改造してきたぜ?発着場に2台並んでるから見て来い」


影武者「待って居たんだ…これで近隣の村との商談が捗る」


商人「どっちもナイスタイミングだ!盗賊が居れば色々楽になる」


盗賊「しまったな…娘達と食事の約束して来ちまったんだ」


アサシン「盗賊抜きでも構わんが?」


盗賊「いや…お宝探しと聞いて俺が行かん訳にも行くめぇ」


影武者「僕は本店に戻るから伝えておくかい?」


商人「3日程で戻るって伝えれば良い」


盗賊「うむ…んじゃ頼むわ…おっと!!忘れてた…ハテノ村に行ける人駆集めるんだった…」


影武者「それはどういう理由かな?」


盗賊「まぁ…穴掘りか?10人程集めたいんだ」


影武者「それはもしかして硫黄鉱山かな?」


盗賊「そうなるかもな?」


商人「おぉ!!良いね…」


影武者「僕が人駆を集めておくよ」


盗賊「そら助かる…気兼ねなくお宝探しに行けるぜ」


狼女「急がないと兵隊の交代時間過ぎちゃうよ」


商人「あぁそうだね…盗賊!!とりあえず今はこの荷車を運ぶのが先さ」


盗賊「お…おう!!じゃぁ影武者頼んだな?」


影武者「分かったよ…」ノシ



ガタゴト ガタゴト




『チカテツ街道8番_廃線』



ヨッコラ ドスン!! ガチャガチャ



盗賊「重たいなこの箱…何入ってんのよ?」


商人「今は開けられない…」キョロ


盗賊「廃線になってるみたいだが?」


商人「それは政府の嘘だよ…人を近付けない為にそうしてるのさ」


狼女「交代する兵隊が歩いて来る…」クンクン


商人「トロッコの陰に隠れて」スタ



スタスタ


おい聞いたか?古代の兵器はみんな海軍が持って行ったってよ


やっぱりその話は本当なんだな?陸軍が戦線維持頑張っていると言うのに…


前線では脱走兵も出ているらしい…補給もろくに計画してない


俺ら憲兵が言う立場では無いがオークとの戦争はただの消耗戦だ…死にに行けと言ってるのと同じ…


スタスタ



狼女「…」クンクン


商人「…」コクリ


狼女「…」コクリ


商人「トロッコ押して…」ヒソ


アサシン「フン!」カタン コトン


商人「おけおけ…音出さない様に」


盗賊「おま…まさか人力でトロッコ押す訳じゃ無いだろうな?」ヒソ


商人「人力は200メートルくらいだよ…その後はキラーマシンが動かす」


盗賊「おぉ…ほんじゃこの箱の中はキラーマシンだってか」


商人「まぁね?…とりあえず先を急ごう」



--------------


--------------


--------------




『200メートル先』



ゴソゴソ ガチャガチャ



キラーマシン「プシューーー」ウィーン ガチャ


商人「よしみんな!箱の中に入って!」


アサシン「…」ピョン シュタ


盗賊「こりゃ4人じゃ狭いな…」ピョン スタ


狼女「商人!先に乗って」グイ


商人「あぁ悪いね…」


盗賊「クロスボウ3台か…どうする?前方と後方で分けるか?」


商人「前方2台設置であと一台は手持ちだね」


盗賊「まぁ良いや!とりあえず設置しとくぜ?」ガチャガチャ


商人「キラーマシン!トロッコを動かせ!」



キラーマシン「プシューーー」ガチャコン ガチャコン



盗賊「おぉ言う事聞くんだな…」


商人「よしよし動き出した…これで安心だ」


狼女「私前方の索敵やる…クロスボウって引き金引くだけよね?」


アサシン「こう使うのだ…ここを持って照準で狙う」ガチャ


狼女「大丈夫!」


盗賊「あと一台のクロスボウは商人が使え」


商人「あ…うん」ガチャ


盗賊「まぁ少し落ち着いたな…アサシン!女戦士から武器を預かってるんだがよ」


アサシン「武器?間に合っているが?」


盗賊「そう言うと思ってたわ…まぁ使う使わないは任せる」ポイ


アサシン「ほう…これはオリハルコンなのか?」パス


盗賊「破壊の剣っていう呪われた武器なんだとよ…何でも切れるらしい」


アサシン「私はクサナギの剣で十分なのだが…リカオン?使って見るか?」


狼女「私それ知ってるよ…白狼のあの子…未来くんが使ってた剣だ」


アサシン「ゴーレムを切った剣か」


狼女「ちょっと使ってみたい」


アサシン「フフそれはリカオンにやる…使いこなしてみろ」


盗賊「あと一本…商人の分も預かってんだ」ポイ


商人「僕!?剣かぁ…」パス


盗賊「まぁ護身用でぶら下げとけ…何でも切れるからお前でも使えるだろ」


商人「あ…何でも切れる…開かずの扉も開けられるって事だね」


盗賊「そういうこった…爆発しなきゃ良いがな?」


盗賊「ほんでよ?作戦の詳細が知りたいんだが…」


商人「あぁ説明する…この地下路線図を見て」パサ



驚くだろう?こんな向こう側まで地下線路が続いて居たなんて…


ここがバン・クーバ…ウィニ・ペグ…こっちがミネア・ポリス…全部古代遺跡が眠る場所らしい


そして調査済みの場所なんだ…というより既に滅びたキ・カイの様な都市だった様だ


海の恵みの無い場所だから仕方なかったんだろうね…とっくの昔にオーク領になった…



盗賊「てことはトロッコでオーク領まで一直線で行けるって訳か…」


商人「多分そこが最前線だと思われる…まぁキ・カイはその古代遺跡を取り返したい訳さ」


盗賊「まさかそんな最前線に行く訳じゃ無いだろうな?」


商人「そんな無茶はしない…かなり手前…エド・モントという場所に要所が有ってね…そこを調査したい」


盗賊「兵隊が沢山居る場所だろ?前線に行くのと変わらんぞ…」


商人「違うんだ…要所が魔物によって占拠されてしまってるのさ」


盗賊「魔物?オークじゃないのか?」


アサシン「話はこうだ…突如現れたガーゴイルとヘルハウンド…それからゾンビに襲われてキ・カイは補給路が断たれた」


盗賊「ガーゴイル…ヘルハウンド…てことは狭間がその辺にあるんだな?」


商人「ビンゴ!!そういう事さ」


アサシン「狭間が有るという事はそこに何かが隠されている可能性が高いのだ…それを調べる」


盗賊「狭間をそう簡単に見つけられんと思うが…」


狼女「私は匂いで分かる」


盗賊「ほう…なるほど面白そうだ」




『トロッコ』



カタンコトン ゴーーーー



盗賊「…しかし3人で良くこんな遠足行く気になったな?」


アサシン「私と商人は不死者だぞ?何も恐れる事は無い」


盗賊「リカオンは生身だろうが」


商人「盗賊は知らないかも知れないけど…大抵の魔物は襲って来ないんだよ」


盗賊「人間には襲われるじゃ無ぇかよ」


アサシン「人間がこの様な場所をうろついて居ると思うか?」


盗賊「まぁ確かに…さっきからゾンビしか見無ぇし…」


狼女「もうすぐ分岐…次右の方向」


商人「キラーマシン!!速度落として…」



キラーマシン「プシューーー」ウィーーン ガチャ



狼女「見えた!!分岐確認して」


アサシン「私が行く…」ピョン シュタタ


商人「キラーマシン!!一旦停止!!」



カタンコトン コロコロ…



アサシン「分岐を変える必要がある…盗賊!!力を貸してくれ」グググ


盗賊「おう!!」ピョン ダダ


アサシン「そっち側を引っ張ってくれ」グググ


盗賊「こら錆びついて堅い…どらぁぁぁぁ」グイ



ガチャコン



商人「行けるかい?」


アサシン「恐らくな?」タッタッタ ピョン シュタ


盗賊「この分岐はずっと変えた形跡が無いぜ?」


商人「だろうね?通常ルートでは無い線路なんだよ」


アサシン「このまま真っ直ぐでは他の軍と接触する恐れがあるのだ…トロッコで正面衝突はしたく無いだろう?」


盗賊「大丈夫なんか?」


商人「少し遠回りだけど目的地へは反対側から行く感じかな…さぁ乗ってよ!!もう行くよ」


盗賊「なんだかなぁ…俺はビビってんのか?」ピョン スタ



----------------


----------------


----------------




『10時間後』



カタンコトン ゴーーーーー



狼女「正面!!又障害物…止まって!!」


商人「キラーマシン!!止まれ!!」


狼女「見えた!!又放置されたトロッコ」


盗賊「ちっと周囲見て回るか…」ピョン シュタ


商人「これで3台目か…連結して行こう」


アサシン「リカオン!手伝え…手順は前と同じだ…一旦トロッコを横に倒す」


狼女「分かってる…ふん!!」ガタン


アサシン「フフこれで随分な量の宝を持って帰れる」



盗賊「お~い!!商人!!来てくれ!!」



商人「んん?何かな?」


盗賊「立ちんぼのキラーマシンが2台あるぞ?これ動かんか?」


商人「おぉ!!動かなくても部品取り出来る!!」


盗賊「白骨がその辺に散らばってるから良い物有ったら持って帰るぞ…てかキラーマシンが良い物か…」


商人「こいつは2台とも動くかもしれない…」カチャカチャ


盗賊「そら良い!!」


商人「魔石の予備をもっと沢山持って来れば良かった…」


盗賊「ボルトの残弾まだ残ってそうだ…戦力になる」


商人「よし!動く…CMOS初期化した」カチャカチャ



キラーマシン「ウィーーン…プシューーー」



商人「もう一台の方も試してみる」タッタッタ




『3両編成』



ウィーン ガチャ プシューーー



狼女「これちゃんと命令聞くの?突然襲って来たりしないよね?」


商人「初期化してるから僕達以外の命令は聞かないと思う…旧式だから単純なんだ」


アサシン「フフ思わぬ収穫だったな?」


盗賊「俺用のクロスボウも調達できてウハウハよ!!…出発もうちっと待ってくれ!!ボルト拾って来る」ダダ


アサシン「ここは前哨基地だったのか?」


商人「違うね…撤退時にキラーマシン残して下がったんだと思うな」


アサシン「撤退?」


商人「オークの白骨があったんだ…襲撃されたのさ」


アサシン「一本道だが…どちらに撤退したと思う?」


商人「今から行く方向だろうね…そっちの方が近い」


アサシン「側道がいくつかある様だから注意しておかんとな…」



タッタッタ



盗賊「やべぇぞ!!デカいゾンビが居る…早く出発しろ」


商人「キラーマシン!!出発しろ!!」



カタンカタン コロコロ



狼女「正面!!ゾンビ多数!!どうする?」


盗賊「デカいのが混ざってる!!進路に入って来る様なら先に倒せ!!心臓狙え!!」


商人「オークゾンビかい?」


盗賊「だろうな?いつ襲って来るか分からんぞ?クロスボウで狙っとけ」


アサシン「どうやらこの先は危険地帯の様だ…」


盗賊「来るぞ!?撃て!!」バシュン バシュン



オークゾンビ「ウゴゴゴゴ…ヴヴヴヴ…ガァァァァ」ドスドス




『ゾンビ列車』



ヴヴヴヴヴ… ガァァァ



盗賊「ダメだ!ゾンビ相手にクロスボウじゃボルトの無駄だ!!」


アサシン「狙われて居るのはお前だけなのだが…」


盗賊「リカオン!クロスボウ撃つの止めてトロッコに憑りついたゾンビだけぶった切るぞ!」スラーン


狼女「じゃぁ私は左側…」シュタ


盗賊「商人!その破壊の剣を貸せぇ!!」


商人「あ…うん…でもどうして沢山ゾンビが…」


アサシン「死霊術師でも居るのではないか?」


商人「もしかして昔のフィン・イッシュと同じ事が起きて居ないか?」


アサシン「アレは病気の蔓延…」


商人「まてよ?新しく発見された遺跡に細菌兵器の類が有ったのかも知れない」


アサシン「古代の兵器の他に細菌あるってか?」


商人「それも兵器だよ…その事実を知ってるからキ・カイは新しい遺跡を確保しようとしてるんじゃないかい?」


盗賊「オークは病気に掛からんと聞いてるぞ?」


商人「生きている内はね?でも死んだらゾンビになる…そういう病気だったとしたら?」


盗賊「なるほど…オーク領にばら撒きゃ勝手に自滅する訳か」


商人「盗賊ギルド諜報員からの情報でもゾンビが増えて苦戦してると言ってたんだよね?」


アサシン「うむ…」


商人「そうか…だからキラーマシンを増産してるんだ…前線をキラーマシンだけにしようとしてる」


アサシン「それではキ・カイはすでにオークとの戦争に勝っていると?」


商人「自滅を待っている状態…古代の細菌兵器は既に使われている…フィン・イッシュと同じ事がオーク領で起きてるんだよ」


アサシン「その病気は直にキ・カイを蝕むぞ…」


商人「機械化すれば回避出来るよね…」




--------------




盗賊「どらぁ!!」ブン スパ


アサシン「切れ味抜群の様だ…クックック」


盗賊「切れるのは良いが打感が全然無いのよ…素振りしてるみてぇだ」


商人「そろそろ到着する…」


盗賊「いよいよだな?」


アサシン「一応作戦だ…ゾンビは盗賊を狙う筈だ…あとは分かるな?」


盗賊「ケッ!!俺が囮になるんだろ?」


アサシン「分かれば良い…ハイディングで上手く逃げろ…後は処理する」


商人「見えた!!あのゲートを潜ったらエド・モント砦だよ」





『エド・モント砦』



ガチャコン プシューーーー



盗賊「おいおい…こりゃもしかしてキ・カイ並みに滅茶苦茶広いんじゃ無ぇか?」キョロ


商人「そんな感じだね…チカテツ街道と同じ構造だ」


盗賊「兎に角手あたり次第行くしか無ぇな…」


狼女「…」クンクン


アサシン「リカオンどうだ?何か分かるか?」


狼女「狭間の深い方角だけ分かる…でも沢山ゾンビが居る」


盗賊「どっちだ?」


狼女「上の方…多分地上付近」


盗賊「ヌハハ上とは分かりやすい…俺が先頭行くぜ?来い…」スタ




『チカテツ街道のような所』



ガチャガチャ



盗賊「トロッコに大量の物資が積まれたままじゃ無ぇか…」ガサゴソ


商人「火炎放射器だ…スゴイ」


盗賊「使えそうか?」


商人「新品だよ…魔石もある」


盗賊「もうクロスボウは要らん…お前はそれを使え」


商人「…」カチ



ボボボボボボ ボゥ



盗賊「おっし!!それでゾンビ焼ける」


商人「ちょっと重いな…」


アサシン「これはまさにフィン・イッシュの惨状と同じだな…生き残ってる者は居るまい…」


商人「廃線にした理由はコレだね…誰も近づけない様にしたんだ」


アサシン「ゾンビが来るぞ…気を抜くな」スチャ



ゾンビ「ヴヴヴヴヴヴ…」ズルズル





『上に続く通路』



ボボボボボ ボゥ



盗賊「俺が倒したゾンビは片っ端から焼いてくれ!!」


商人「やってる…」ボゥ メラ


盗賊「リカオン!!どっち行きゃ良いんだ?」


狼女「上!!」タッタ スパ スパ



オークゾンビ「ウゴゴゴ…」ピクピク



狼女「焼いて!!」


商人「うん…」ボゥ メラ


盗賊「もう大分上がって来たと思うんだがよう…」


狼女「兎に角上…道なんか分からない」


アサシン「しかし何処ガーゴイルなぞ居るのか…」


盗賊「だな?」


商人「これは広すぎるね…甘く見ていた様だ」


盗賊「魔物さえ居なきゃキ・カイと同じ様に暮らせそうなのによう」




『吹き抜け』



ヒュゥゥゥゥ



アサシン「足を滑らせるな?」


狼女「上の方でガーゴイルが飛んでる…」


盗賊「見えんな…何匹よ?」


狼女「10匹以上…それしか分からない」


商人「この遺跡は大きな縦穴なんだね…」


盗賊「うむ…どうやって作ったんだか…」


商人「ゾンビは階段を上がって来ない…ここで少し休憩しようか」


盗賊「アサシン!!一口ワインくれ」


アサシン「フン!」ポイ


盗賊「もう何時間も歩き通しだ…お宝持って帰るのしんどいぞ」グビ


商人「来た道も分からなくなったね…帰れるのか自信がない」


アサシン「焼けたゾンビを辿れば戻れる」


盗賊「違い無ぇ…」


商人「他の遺跡もきっとこれくらいの規模なんだろうなぁ…」


盗賊「こんなんあるの俺ら全然知らんかったな…」


商人「地下だからね…多分キ・カイの軍事機密でもあったよね」


アサシン「私達が思っていたよりも随分規模が大きかった様だ」


商人「これさ…もしかすると北の大陸も本当はこれくらいの地下が埋まってるんじゃないかな?」


盗賊「全部地下に埋もれてるってか?」


商人「貴族達が独占して隠してるとか…」


アサシン「そういえばフィン・イッシュの地下墓地は相当深い…王族が脱出するのに更に奥へ行ったのだ」


商人「一般人が知らないだけなのかもね」



ヒラヒラ…



商人「んん?雪だ…」


盗賊「ここの吹き抜けはちっと寒い…ちょい上がって通路入ろう」スタ




『開かずの扉』



ダダダ



盗賊「おい!!この扉…」


商人「開いてる…もう盗掘されてるのか…」


盗賊「リカオン!狭間はどっちだ?」


狼女「上…」


商人「う~ん…読みを外しちゃったかも」


盗賊「どういう事ヨ?」


商人「狭間になってるのはさっきの吹き抜けが上空から探せなくする為の物じゃ無いかなって…」


盗賊「アダマンタイトを空中に浮かせてるってか?」


商人「それは分からない…あれだけ大きな穴なら気球で探せた筈」


盗賊「ふむ…しかし誰がそんな事を…」


商人「さぁね?魔術師の黎明時代なら出来たのかもね」


盗賊「まぁとりあえずこの扉は特別なもんだ…入ってみよう」スタ




『古代遺跡』



ヒラヒラ…



商人「ここにも雪が積もって…」


盗賊「なんか色々謎の機械があるぜ?」


アサシン「この並んでいる塔は何だと思う?」


商人「多分光る隕石…ミサイルだよ」


アサシン「やはりな…」


商人「ここはあの光る夜の時天井が開いたんだ…空気が入ったせいで開かずの扉が開いた」


盗賊「火炎放射器で積もってる雪を溶かしてくれ…何があるか調べたい」


商人「もし古代のエネルギーを見つけたら教えて」


盗賊「おう!!ちっと向こう側探索してくるな?」ダダ


狼女「…」クンクン


アサシン「ん?何か臭うか?」


狼女「敵じゃない…何だろうこの匂い」クンクン


商人「何処?」


狼女「今入って来た扉の横…雪で埋もれてる」


商人「あああああああああ!!こ…これは!!」


アサシン「んん?」


商人「石化したホムンクルスだ…」


アサシン「何?」


商人「いつの時代なんだ…」サワサワ


狼女「匂いはその足元だよ」


商人「何処?」ガッサ ガッサ


アサシン「死体か?…いや…これはミイラだな」


狼女「他にも沢山…全部壁際だよ」


商人「ちょっと雪を解かそう」カチ



ボボボボボ ボゥ



------------


------------


------------




『30分後』



商人「みんな同じ衣類だ…全部女性だね」


アサシン「この辺りだけで20体近い…これをどう見る?」


商人「窒息死だよ…生きたままここの空気を抜かれた…これは古代人だ」


狼女「あそこのミイラは何か武器を抱きかかえたままミイラに…」


商人「取れるかい?」


狼女「ミイラが石になってて…」グイグイ


商人「なるほどね…それは多分古代の兵器だ…取れなかったから盗掘されてない」


アサシン「破壊の剣でミイラの部分を切り取ってしまえ」


狼女「分かった…」スパ スパ


商人「これは他にもありそうだな…僕も探して来る」タッタッタ



盗賊「お~い!!こっち来てみろ!!」



商人「何か見つけたね?」


盗賊「この部屋はなんだ?謎の機械が並んでいやがる…」


商人「スゴイ!!」


盗賊「これ…椅子に腰かけてるのはミイラだよな?」


商人「この機械を操作してたんだ…ここは指令室か何かだ」ゴソゴソ


盗賊「ガラス越しの向こうにも部屋があるぜ?」


商人「よし…ここまでは雪が入って来て無いから一旦ここを拠点にしよう」



シュタタタ



狼女「古代の兵器取れたよ」


盗賊「おぉ!!見せてみろ」


狼女「これ使えるかな?」カチカチ


盗賊「ほぉぉぉ…インドラの銃みてえだな…」ガチャ


商人「他にも有るかもしれないから見つけた物は此処に…」


盗賊「だな?向こうも見てくる」ダダ



-------------


-------------


-------------




『焚火』



メラメラ パチ



盗賊「燃えそうな物はここに突っ込んでくれな?…ぅぅぅさぶ」ゴシゴシ


狼女「これで3つ目…」ドサ


盗賊「古代の兵器…一人1つづつ持って帰りたいな…ふぁぁ~あ」


アサシン「盗賊…少し仮眠を取れ」


盗賊「あぁ…ちっと疲れた」


狼女「使える物が無いのが…ね」


アサシン「エネルギー切れなのだろう」


狼女「もう謎の機械は無視して良いよね」


アサシン「うむ…すべてガラクタだ」



ヨイショ ヨイショ ドサリ



商人「やっと見つけたよ…」


アサシン「それは?」


商人「古代のエネルギーさ…容器の中にウラン結晶が入ってる」


アサシン「では見つけた古代の兵器にエネルギー充填出来るのではないか?」


商人「どうだろう?やり方が分からない」


アサシン「まぁ持って帰ってからか…」


商人「今は休憩中かい?」


アサシン「盗賊は軽く仮眠だ」


商人「見つけた物をトロッコまで運ばないと…」


アサシン「持てる量に限りがあるからな…これ以上探索しても持って帰れん」


商人「書物が一切見つからないのが不思議だよ…本棚らしい物も無い」


アサシン「古代では不要だったのだろう」


商人「ちょっと集めた謎の機械類をバラしてみようかな…」カチャカチャ


アサシン「好きにしろ」


狼女「その機械…何だと思う?」


商人「腕らしいものが付いて居るから自律で動くペットの様な物じゃ無いかな」カチャカチャ


狼女「沢山在るけど殆ど傷んでた」


商人「傷んで無い物は持って帰られた感じだろうね」カチャ


狼女「シィィィーーー」ピク


商人「!!?」キョロ


狼女「遠くで何か聞こえる…話し声」


アサシン「…」


狼女「先遣隊…部隊が前線から引き揚げて来るって…」


アサシン「私達も一度引き上げた方が良い…」


狼女「大分遠い…多分10人くらい」


アサシン「商人…今回は目標達成と見て良いか?」


商人「僕の目標は達成だね…でもアサシンの目標は達成してない」


アサシン「これほど広いとは想定外だった…すべての探索は2~3日では終わらん…中止だ」


アサシン「そもそも此処でドリアードと同じ事が起きているかもしれないと言うのは私の勝手な思い込みなのだ」


盗賊「ぬぁぁ寝れやしねぇ…今の話は初耳だが?」


商人「諜報員の情報だとね…エネルギー源としてどこからか持ち込まれたのは黒い魔石らしい」


アサシン「私はそれが魔王を封じた魔石では無いかと疑っている」


商人「ここの所キ・カイでは魔石が供給過多で値下がりしてるのさ…どこかでエネルギーの移し替えをやってる」


盗賊「じゃぁその現場が此処だと思ってた訳か?」


アサシン「前線へのエネルギー補給を考えると此処が望ましい…そう考えて居た…たが確証は無い」


盗賊「なるほど…それを調査したかった訳か…だが広すぎたんだな?」


アサシン「うむ…」


盗賊「まぁ一旦仕切り直しが良さそうだ…マジで探すならしっかり地図とか作らんと厳しい」


商人「軍に見つかってしまう前に戻ろう…」


盗賊「だな?俺がそのエネルギー源とやらを持って帰るからその他は手分けしてくれ」ヨッコラ


アサシン「古代の兵器は1つづつ…後はどうする?」


商人「ちょっと待って…この機械の頭部ユニットだけ外して行く」ガチャガチャ


狼女「帰路は私が先頭…匂いで分かるから」


盗賊「そら助かる…後方は任せろ」



--------------


--------------


--------------





『吹き抜け_帰路』



ヒュゥゥゥ ボボボボ



商人「ガーゴイルが燃えながら落ちて…」


盗賊「空で戦闘やってんな…ありゃ小型の気球が火を吹いてんだ」


アサシン「先遣で陸と空から…定石だな」


盗賊「良く見ると気球が沢山飛んでんじゃ無ぇか…」


商人「ここから一気に降りられると先越される…」


盗賊「ちぃぃ…高くてロープ使っても降りられんな…」


狼女「案がある!!私が変態すれば一人づつなら背負って飛び降りられる」


アサシン「む…」


狼女「元来た道を戻るのは10時間くらい掛かってしまうから…それなら変態した方が早い」


アサシン「良い案だ…リカオンが寝た後は戦力が一人減るがトロッコまで行けばキラーマシンが残って居る」


盗賊「下に降りた後は行き先分かるか?」


狼女「匂いで分かるよ」


商人「よし!それで行こう」


狼女「アサシン…破壊の剣を預かって」ポイ


アサシン「それは私が使おう」パス


商人「あぁぁちょっと!!服を脱いでから変体して!!」


盗賊「ヌハハ後で裸の女背負って行くのも問題が多いしな」


狼女「アッチ向いて!!」ヌギヌギ


盗賊「ヘイヘイ…んん?対岸の兵隊…こっちに気付いてんな」


アサシン「流石は前線の兵士という所か…手練れが居ると見た」


商人「マズいね…軍は貝殻と同じ様な機械を使って連絡し合ってる…気球が降りて来るぞ」


狼女「服を預かって!!」バサ


盗賊「おう!!」


狼女「盗賊から!!背中に乗って!!」ガブリ



ムクムク モサモサモサ



ウェアウルフ「グルル…早く!!」


盗賊「俺が下の安全確保だな?」ピョン


ウェアウルフ「舌噛むな?」ピョン シュタ シュタ



--------------


--------------


--------------




『最下層』



グルルル ガウガウ



盗賊「おら…掛かって来いや」ブン ブン


ハウンドドッグ「グゥゥゥゥ…ガルルル」



ピョン シュタ!



ウェアウルフ「商人降りて…次行って来る!!」シュタタ ピョン


商人「これ…ゾンビの犬かい?囲まれてる…」


盗賊「ゾンビとちっと違う…知能があるから手強いぜ?」


商人「火炎放射器で威嚇した方が良いね…」ゴゴゴゴゴ ボゥ



ヒュゥゥゥ ドサーーー



盗賊「ガーゴイルも降って来やがる…上にも気を付けろ!!」


商人「う…動くぞ!!」


盗賊「さっさと燃やしちまえ!!」


ガーゴイル「ギャアアァァァ…」ヨタヨタ


商人「このぅ!!」ボボボボボ


盗賊「来るぞ?」ダダ


ハウンドドッグ「ガウルルル…ガァァァ」ダダ


盗賊「くっそコイツ!!」ブン


商人「ハッ!!狙われてるのは盗賊だけか…」


盗賊「その様だな?素早くて対処出来ん!!上手い事燃やしてくれ」


商人「分かってる…賢いなあの犬…」


盗賊「だろ?ちゃんと距離を分かってる」


商人「この場合クロスボウの方が良いけど…置いて来ちゃった」



シュン シュン シュン ドス ドス ドス



ハウンドドッグ「ギャフゥゥン…ギャンギャン」バタバタ


盗賊「何ぃ!!?」


商人「クロスボウの撃ち下ろしだ…あの兵隊は降りて来るのが早い…」


盗賊「俺らを助けようとしてる様だ」


商人「そりゃそうだよね…僕達は人間の形をしてるんだから」


盗賊「あの兵隊は特殊な訓練を受けた精鋭だ…リカオンを狙われたらマズイ」




ピョン ズザザー




ウェアウルフ「アサシン降りて!!」


アサシン「…」ピョン シュタ


盗賊「リカオン!!身を隠せ!!」


ウェアウルフ「え!!?」


盗賊「上に居る兵隊に撃たれるかも知れん…あれは特殊部隊で俺ら以上に出来る奴らだ」


商人「兵隊が移動を始めてる…今の内にトロッコへ急ごう」


ウェアウルフ「こっち!!」シュタタ


盗賊「商人!!続け!!」ダダ




『チカテツ街道のような所』



シュタタ タッタッタ



盗賊「ここは見覚えがあるぞ!!」ハァハァ


ウェアウルフ「向こう側…」


商人「ここは補給路だ…彼らはどうして先にここを押さえない?」


盗賊「走って来て分かるだろ?この都市はあの縦穴を中心に円形なんだ…押さえてんのは反対側だ」


商人「そういう事か…」


盗賊「焼かれたゾンビ辿って直ぐにここまで辿り着く…サッサと逃げるぞ!!来い」グイ


ウェアウルフ「声が聞こえる…私達の事を残ってる部隊だと思ってる」


盗賊「そら良い知らせだ…お前が見られんで良かったわ」


ウェアウルフ「見られてるみたい…どうしてウェアウルフが味方してるのか何処かに向かって話してる」


商人「それ機械で通信してるな…」


アサシン「ウェアウルフは北の大陸の生物だ…繋がりを勘繰る者が出て来るぞ」


商人「敵だと判断されるのは時間の問題かもね」


盗賊「どっちでも良い!!急いで脱出だ」




『連結トロッコ』



ハァハァ…



商人「みんな乗って!!」


盗賊「やっと休めるぜ…」ドタリ


商人「キラーマシン!!前後入れ替わって逆走して戻る」


キラーマシン「プシューーーー」ウィーン ガチャコン ガチャコン


アサシン「追っ手は間に合って居ない様だ…」


ウェアウルフ「もう匂いが分からないくらい遠い…」


アサシン「リカオン…今日の主役はお前だったな」ナデナデ


ウェアウルフ「撫でられると眠くなる…」


アサシン「もう良い…早く寝て次に備えるのだ」


ウェアウルフ「グルルル…グゥ」zzz


商人「出発するよ?キラーマシン!トロッコを発進させて!」


キラーマシン「プシューーーー」



カタタン コロコロ…



盗賊「さぁて…ここから半日…又ゾンビ列車だな?」ムクリ


商人「今度は火炎放射器が2台あるから随分ラクさ」


アサシン「トロッコに装着して放射しっぱなしでどの位継続する?」


商人「さぁ?でも魔石は沢山拾って来た…試してみようか」


盗賊「ちっと休めるならそれも良いな…貸せ!俺が取り付ける」グイ



ガチャガチャ




『火炎列車』



ボボボボボボ ボゥ



盗賊「んがぁ…すぴー」zzz


アサシン「このまま進むのは他のトロッコと正面衝突するのでは?」


商人「いや…多分来ないね」


アサシン「地下路線図ではこの路線は一方通行だぞ?」


商人「もうオークとの戦争は終わってる…キ・カイは外海の調査に注力してるのさ」


アサシン「フフ戦地への補給は無しか」


商人「来るとしても少数のキラーマシンを輸送する程度だよ…予定していた子供達が居なくてそれも滞ってる」


アサシン「ゾンビ化の病気をばら撒くとは外道も外道…」


商人「半年もすればオーク領はゾンビだらけ…弱体化した所を攻めるんだ」


アサシン「補給が無いのを不審に思った前線の部隊が戻り始めて居る…そういう事だな?」


商人「多分ね…」


アサシン「もう時間が分からんのだが…まさかチカテツ街道までこのまま突破じゃあるまいな?」


商人「う~ん…帰りをどうするかあまり考えて無かったよ」


アサシン「クックック…詰めが甘い」


商人「流石にキラーマシン3台持って悠々と帰る訳にも行かないなぁ…」


アサシン「キラーマシンは放棄が良かろう…4人で徒歩ならなんとか帰還できる」




『その頃_チカガイ』



ガチャガチャ



オークの子「爺ぃ!!まだ?」


ジャンク屋「爺ぃと言うなぁぁぁ私は科学者だぞ!!」ガチャガチャ


オークの子「じゃぁ科学者…まだ?」


科学者「慌てんなや…キシシシシ…ホレ」ポイ


オークの子「よし!!これで…」パス


科学者「只じゃないよ?」ギロ


オークの子「…」ポイ


科学者「これだけ?んぎゃあああ…私は研究で忙しいと言うのに…」ムシャムシャ


オークの子「それうちらの最高の御馳走なんだ…それで勘弁して」


科学者「これだからガキは好かん…」ムシャムシャ


オークの子「これどうやって使うの?」


科学者「スイッチを押したらビビビーっとなる位分からんのかや?」ムシャムシャ


オークの子「ありがとう…やってみる」


科学者「それで…」ジロリ


オークの子「忘れて無いよ…機械を持って帰れば良いんだろ?」


科学者「ソレじゃ!!ソレソレソレソレぇぇぇぇ…持ってきたら何でも作ったる」


オークの子「大きな声出さないで…大人に見つかるとヤバいから」


科学者「私は此処で研究を続けて居るから…イヒヒヒヒ」


オークの子「研究ねぇ…牢屋から逃げて来て隠れてたんじゃ無かったっけ?」


科学者「見つかってしまっては研究が出来ん…シッシ!!あっち行け!!」


オークの子「又来る…」ノシ




『地下通路』



ピチョン ポタ



悪ガキ1「あの爺ぃ頭大丈夫?」


オークの子「大人の中では信用出来る方さ…」スタスタ


悪ガキ2「ブツは手に入ったんだろ?見せろよ」


オークの子「おもちゃじゃ無いんだ!触るな…」


悪ガキ2「ケッ!!」


オークの子「…それで?…地下水路の方にオークの大人はどれくらい集まった?」


悪ガキ2「6人…」


オークの子「誰にも見つかって無いよね?」


悪ガキ2「うん…アイツらヤバい武器持ってるよ?」


オークの子「どんな?」


悪ガキ2「くそデカイ斧」


オークの子「普通だよそんなの…食料は言われた通り渡したか?」


悪ガキ2「木の実と骨…」


オークの子「まぁ良いや…作戦通りオークの退路確保頼んだよ」


悪ガキ2「バッチリ!!例の地図のお陰でチカテツ街道8番の奥まで出られる」


オークの子「じゃぁここからは別行動だ…悪ガキ1!!私に付いて来い」


悪ガキ1「分かってる…」スタ


オークの子「あんたの鍵開けが頼りなんだ…失敗すんなよ?」


悪ガキ1「こいつも連れて行くよ」


お手伝いロボ「ピポ…」ウィーン


オークの子「あの爺ぃが作った奴か…まぁ良いや!来い!」タッタ




『軍の研究所』



ドドーン グラグラ



兵隊1「んん?何だ!?」


兵隊2「地上の方だ…又何か起きた様だ」



ザザー


緊急!緊急!


外部より未確認の砲撃あり!


地上市街地被害甚大…特別警戒レベル1に相当


至急司令部からの指示を要求する!!



兵隊1「何ぃ!!警戒レベル1だとぉ!!」ガタン


兵隊2「緊急招集が来る!!人駆集めるぞ!!」ドタドタ



ザワザワ ドタドタ


指令部からまだ指示来て無いのか?


兎に角軍用ドックに移動急いだ方が良い


砲撃って何なんだよ!!どっかの軍船か?


投石らしい…噂に聞くオークロードかも知れん


ザワザワ ドタドタ



---------------



ヒソヒソ



オークの子「始まったね…チャンス見てあの扉から入る」


悪ガキ「この場所で間違いない?」


オークの子「あの爺ぃは此処に収容所があると言ってた」


悪ガキ「みんな助けないと…」ブルブル


オークの子「震えてんのかい?」


悪ガキ「これは武者震いなのか?」ブルブル


オークの子「慣れろ…行くよ」グイ




『研究所の中』



ガチャリ ギィィ



オークの子「よし!!誰も居ない」


悪ガキ「入って来られない様に内側から鍵を掛けて置く…」カチャン


オークの子「私が先に…」スタ


悪ガキ「待って…お手伝いロボ!!先に進んで様子見して!!」


お手伝いロボ「ピポポ…」ウィーン


オークの子「ふむ…良いね」


悪ガキ「大人が居たらそのビビビの武器で倒して」


オークの子「分かった…後ろ頼むよ」コソーリ



女「うわっ!!だ…誰?」



オークの子「大人の女か…」


女「掃除の機械?一体誰が…」キョロ


オークの子「ゴメンよ!!」ダダダ


女「え!!?子供…いぎゃぁぁぁ」ビビビビ ドタリ


悪ガキ「…」


オークの子「先に進むよ…」グイ


悪ガキ「死んで無いよね?」


オークの子「気絶しただけ…これは遊びじゃない!!真剣にやって!!」


悪ガキ「分かってる…」ダダ




『研究所の奥』



シクシク エ~ン



子供達「だれ?ここから出して?」


オークの子「今から鍵開ける…だれもしゃべらないで」ギロ


子供達「…」コクコク


オークの子「悪ガキ!!あんたの出番」


悪ガキ「分かってる…集中するから静かに…」カチャカチャ


オークの子「私は例の機械を探して来るからそれまでに終わらせて」


悪ガキ「うるさい!!集中できない!」カチャカチャ


オークの子「…」タッタッタ


悪ガキ「お手伝いロボ…大人が来たら足止め頼む」


お手伝いロボ「ピピ…」ウィーン


悪ガキ「鍵が開いたら出口は右の奥だよ…出たらチカガイのギャング達と合流するんだ」


子供達「…」


悪ガキ「その後はギャングに従って事が済むまで隠れる…イイネ?」カチャン 


子供達「!!?」


悪ガキ「開いた…今なら逃げられる…早く行って!!」



ドタン! ガラガラ



兵隊「このぉぉ!!」


悪ガキ「ヤバイ…」ダダ


オークの子「くっそバレた!!」ダダ


兵隊「どうやって逃げ出した!!」


悪ガキ「姉御!!いつも通り!!」スラーン


兵隊「なに!?武器を持って居る…だと?」タジ


悪ガキ「…」ギロリ


兵隊「子供が持って良い武器では無い…渡しなさい」


悪ガキ「姉御!!」


オークの子「…」ダダ ビビビビ


兵隊「んがががががが…ぐぅぅぅ」ピクピク


悪ガキ「よっし!!例の機械は?」


オークの子「見つけた…戻るよ!!」ダダ


悪ガキ「みんな付いて来い!!」ダダ



子供達「…」ガクブル





『商人ギルド』



ドカーーン パラパラ



娘「いやぁぁぁぁ…」タジ


影武者「こ…これはダメだ…娘さん!!家族を連れて下へ避難するんだ」


娘「し…下?」


影武者「早く!!商人の隠し部屋が地下通路になってる」


娘「皆を連れて来る!!」ダダ



ギャァァァ


誰か…誰か助けて…


伏せろぉ!!頭だけ守れぇ!!


兵隊は何をやって居るんだ!!




『隠し部屋』



ガチャリ ギーー



娘「早く入って…」グイ


家族達「こんな場所がギルドの地下に…」


影武者「今はそんな事言ってる場合じゃ無い…奥の通路なら比較的安全だからそっちへ」



ゾロゾロ



娘「上の大部屋はもうグチャグチャ…大事な物は無かったかな?」


影武者「大事な物は命だけさ…」


娘「この砲撃は何だか知ってる?」


影武者「分からない…ただもうここで商人ギルドは厳しいね」


娘「爺ぃの為に家族集めといて良かった…」



ドーン グラグラ



娘「うわわわ…」


影武者「気球で物資運搬どころじゃ無くなったな…気球が無事なら良いけど」


娘「ここに包帯とか無い?」


影武者「ある…僕の包帯と商人のエリクサー」


娘「落ち着いたら他の人の手当てに回らないと…」


影武者「そうだね…」



ドーン ドカーン



-------------


-------------


-------------




『火炎列車』



カタコン ゴーーーーー



商人「もうすぐチカテツ街道8番だ…何事も無く戻って来れたね」


狼女「この人ずっと寝っぱなし…起こす?」ペシ


盗賊「ふんが!?」パチ


アサシン「フフ寝覚めは良いか?」グビ


盗賊「お?おぉぉ…今何処ヨ?」ムクリ


商人「あと1時間くらいで到着さ…そろそろ徒歩に切り替えようと思ってた所だよ」


盗賊「ふぁぁぁ~あ…どうやら俺はがっつり寝たみたいだ…腹減ったな」


狼女「ナッツ!」ポイ


盗賊「くぁぁぁケチくせぇ食い物だ…アサシン!ワインくれ」パク


アサシン「もう残り少ない…一口だけにしろ」ポイ


盗賊「一口かよ…まぁ無いよりマシか」グビ


狼女「…」クンクン キョロ


アサシン「リカオンどうした?」


狼女「オークの残り香…」


盗賊「おぉそら又てーへんだ」グビ


狼女「ちょっと待って!!何処かに隠れて居るかも…数が多い」クンクン


商人「このまま走り抜けた方が良いって事かい?」


狼女「いや…止まって!!正面から何か来る」


商人「キラーマシン!!止まれ!!」


キラーマシン「プシューーーーー」ガチャコン



キキキキキーー ガッタン



狼女「警戒して?」スラーン


アサシン「正面…側道を誰か歩いているな…」


商人「どこ?」


狼女「子供!!」


盗賊「なぬ!?こんな所を一人でか?」


狼女「違う…子供がオークを引き連れて歩いてる」


盗賊「なんだとぅ!!」ダダ


商人「あ…そういう事か…子供はギャングの誰かだ」


アサシン「どういう事だ?」


商人「ギャングはオークと結託しているらしい」


狼女「聞こえる…多分トロッコに何か乗せて引っ張ってる」


盗賊「オークが物資調達やってんだな?」


商人「参ったね…道を塞がれてる」


盗賊「ギャングなら話通じるだろ」


商人「オークが襲って来なきゃ良いけど…」


狼女「向こうのオークもこっちに気付いたみたい…どうする?」


盗賊「戦うと子供巻き込んじまうな…」


狼女「オーク2体!!走って来る」ピョン クルクル シュタ


盗賊「商人!!火炎放射の準備だ」ダダ


アサシン「私も火炎放射が良さそうだ…」グイ チャキリ


狼女「盗賊!!右側をお願い」スラーン


盗賊「マジか…オークとタイマンして勝てる気がせんのだが…」スラーン



オークウォーリア「ウゴォォォォ!!」ドスドスドス ドカーン



盗賊「うぉっと!!でかい斧だ」


アサシン「盗賊!!武器を壊せ」


盗賊「分かってらぁ!!」ダダ スパ スパ



オークウォーリア「ウゴ!?」バラバラ



盗賊「オラオラ!!武器無しでどうする?」---でけぇ---


狼女「弓!!」



シュン!! ストン!!



商人「あぶっ!!」タジ


盗賊「商人!!トロッコの陰に隠れてクロスボウで撃ち返せ」


商人「あわわわ…」ドタドタ


狼女「向こう引いてる…」


アサシン「こっちが只者では無いと気付いた様だ」


狼女「状況分かって来た…」クンクン



オークは全部で6体…その内2体は傷付いてトロッコの中…


後方でオーク2体が向こう側と戦っていて


私達の目の前に来てるのが残りの2体…子供達は全部で10人程



盗賊「どういう状況か分からん!!子供達は掴まってんのか?」


狼女「自分の足で歩いてる…」


商人「なるほどオークを逃がそうとしてるね…」


アサシン「これでは膠着状態だな…少し間を詰めるか?」


商人「いや…なにか小さな機械がこっちに向かって来る…」


盗賊「爆発するんじゃ無いだろうな?」


商人「トロッコの陰に隠れようか…」



お手伝いロボ「ピポポ…」ウィーン



商人「張り紙だ!!」ダダ


盗賊「おい!!爆発したらお前吹っ飛ぶぞ…」


商人「道を開けてと書いて居る…」


アサシン「子供の字だな…この状況で道を開けてとは考えが甘い」


盗賊「開け様が無いんだが…どうするよ?」


商人「取引するしか無いね…」カキカキ



お手伝いロボ「ピピピ…」クルリ ウィーン



盗賊「なんて書いた?」


商人「簡単さ…トロッコを入れ替える…その間不戦協定だ」



---------------




『数分後』



ピチョン ポタ



狼女「さっきのオーク2体は後方の戦闘に行ったみたい」


商人「フフ取引に応じた様だね…その間向こうから攻められたくない訳だ」


盗賊「武器はどうする?」


アサシン「不戦協定なのだろう?下げておけ」スタ


商人「キラーマシン!ゆっくり前進だ…」


キラーマシン「プシューーーー」



ゴトゴト ゴーーー



-------------


-------------


-------------




『取り引き』



ヒソヒソ ヒソヒソ



商人「大人は居ない様だね…君が代表かい?」


オークの子「そうだよ…はぁはぁ」ヨロ


商人「君とは会った事有るかな?」


オークの子「知らない…それよりトロッコの入れ替えを早く」ポタ



ダダダ ズデー



科学者「おぉぉぉぉお!!私の子供達ぃ!!お前は初期型!!まだ残って居たのかぁぁアハハハハ」


キラーマシン「…」


商人「ん?」


オークの子「爺ぃ!!引っ込んでて!!」


商人「あ…」


科学者「爺ぃでは無いぃ!!私は偉大な科学者…うひゃぁぁ!!お前はぁぁ!!」ドタドタ


商人「なんでジャンク屋が此処に居るんだ…」ボソ


科学者「おまいが持って来たあの機械…」プルプル


商人「何の話かな?人違いだよ」


科学者「私の眼はごまかせんぞぃ!!何故他の者に売ったんじゃぁぁ!!」


オークの子「爺ぃ引っ込んでろって言ったよね!!」



狼女「ちょっと商人!!傷付いたオークが失血で死にそう」



商人「ここでゾンビになられると困るな…僕のエリクサーでとりあえず処置して」ポイ


狼女「一口しか無いよ…」


アサシン「私の分も使え…」ポイ


オークの子「死ぬとゾンビになると知って?」


商人「ハハ…まぁね」


盗賊「トロッコ入れ替えるも何も…こんなデカいオークを誰が担ぐのよ」


商人「キラーマシンなら出来るじゃ無いかな…」


狼女「今にも死にそう…動かさない方が良い」



ダダダ ズザーー



チンピラ「ダメだ姉御!!ギャング掃討が始まった…全員連れて行かないと殺される!」


オークの子「ちぃぃ…仕方無い!!一旦線路の奥まで行くから全員連れて来て!!」


チンピラ「分かった!!もう少し時間稼いで!!」


盗賊「おいおいどういう話になってんのよ?」ズイ


オークの子「大人には関係無い」ポタ


盗賊「待て待て俺は子供のヒーローだ…お前怪我してんだろ…見せろ」グイ


オークの子「触るな!」グイ


盗賊「おい商人!なんかこの状況おかしく無ぇか?」


商人「そうだね…どうやら僕達は素通り出来そうに無い」


盗賊「察するにオーク呼び込んで政府から追われる立場になってんだな?」


オークの子「…」



科学者「おぉぉ!!こ…これは!!古代の兵器じゃ無いですかぁぁ…これをどうして」



アサシン「近づくな…」ドン


科学者「それがあればキラーマシンを強化して…更に…更に…ウシシシシ」


狼女「後方のオーク4体が押され始めてる…キラーマシンが出て来たみたい」


オークの子「あぁぁ…時間が無い!!子供達が逃げられない…」ソワソワ


盗賊「キラーマシンだけ倒せば何とかなるな?」


オークの子「え!!?」


盗賊「俺が時間稼いでやる…その間にこの状況を何とかしろ」


商人「盗賊…」


盗賊「まぁハイディングでキラーマシンぶった切って来るだけだ…なんとか話まとめろ!!」ダダ


商人「頼む!!」




『チカテツ街道8番』



ザザー


オーク4体の後方にギャングと思われる子供数人確認


クロスボウでの援護射撃でオーク逃走を支援している模様


子供であろうと抵抗する者は容赦するな


線路損傷を裂ける為爆弾及び榴弾の使用は控えろ



バシュン バシュン ストン ストン



悪ガキ1「ヤバイ…キラーマシンがなにか発射してくる」


悪ガキ2「血が出てるぞ?」


悪ガキ1「今のが太ももに当たった…」ポタポタ


悪ガキ2「くそう!!キラーマシンさえ居なきゃ…」


悪ガキ1「オークもやられそうだ…どうしよう?」


悪ガキ2「逃げるしか無い…歩けるか?」グイ


悪ガキ1「逃げたらダメだ!!時間を稼がないと皆が逃げられない」



バシュン バシュン ストン ストン



悪ガキ2「居場所がバレてる…」


悪ガキ1「ここを死守する!!」ガチャコン


悪ガキ2「くそう!!俺も付き合う!!」ガチャコン


悪ガキ1「オークに注意が行ったら向こうの柱の陰に行く…」


悪ガキ2「二手に分かれるのか…」


悪ガキ1「あ…マズい!!兵隊がオークの右手に回り始めた…囲まれる」



リリース スゥ



悪ガキ1「うわぁ!!」バシュン


盗賊「おっと危無ぇ…反射で撃つな」


悪ガキ1「だ…誰だ!!」タジ


盗賊「誰でも良い!!俺が時間を稼ぐからお前等は下がれ」


悪ガキ1「逃げる訳に行かない…ぅぅ」ポタ


盗賊「んん?足か…撃たれたんだな?」


悪ガキ1「これくらい…」


盗賊「おいクソガキ!この角を持ってろ…直に傷が塞がる」ポイ


悪ガキ1「角?」


盗賊「血が出ると長期戦出来んぞ?何でも良いから止血しろ」



バシュン バシュン ストン ストン



盗賊「ハハーン…やっぱあのキラーマシンは囮か…ようし!!」


悪ガキ1「どうする気だ?」---この人---


盗賊「お前等2人は骨がある…俺があのキラーマシンぶっ倒すからクロスボウでここから兵隊に向けて撃て…分かったな?」



ハイディング! スゥ



悪ガキ1「き…消えた…」アゼン


悪ガキ2「兵隊はまだこっちに気付いてない…今なら撃てる」


悪ガキ1「ちょっと止血を…」グイグイ ギュゥ


悪ガキ2「撃つ!!」バシュン バシュン


悪ガキ1「僕も…」バシュン



ガコン ガラガラ ドサドサ



悪ガキ1「え!!?キラーマシンがバラバラに…」---やっぱり…白狼の盗賊だ---


悪ガキ2「おぉ!!一瞬で倒した…誰だあの人」


悪ガキ1「見とれてる場合じゃ無い…オークを援護しなきゃ」ガチャコン


悪ガキ2「そうだ…オークの退路を確保しないと…」ガチャコン



----------------


----------------


----------------




『トロッコ』



ウヒャヒャヒャ


研究材料がまた一つ手に入った…キシシシ…これで亡命して又研究に勤しめる



商人「荷物は食料とポーション類…そうか状況理解したぞ」


オークの子「…」ギロリ


商人「オーク達はゾンビになるのを回避する為にエリクサーを求めに来たな?…それをギャング達が援護した」


オークの子「…」シラー


商人「残りの子供達はどの位で合流出来る?」


オークの子「10分…」


商人「こうしよう…トロッコは全部連結して君達に譲る…どうにかオーク達に守って貰って生き延びるんだ」


オークの子「…」ジーーー


商人「ジャンク屋!!」


科学者「私は科学者だと何度言えば覚えるのかぁ!!」


商人「大人はあなただけだ…キラーマシン3台使って子供たちを守るんだ」


科学者「キシシシ…私はぁ!!私は偉大な科学者ぁぁ…生き延びて世界を作るのだぁぁぁ」


狼女「あの人に話は通じない…」


商人「オークの子…良く聞いて…この魔石を君に譲るから上手くキラーマシンをコントロールするんだ」


商人「それからこの火炎放射器も持って行くと良い…ゾンビは焼けば動かなくなる」



トロッコは連結して合計6台…


これだけ有れば子供全員載せてオーク領まで行ける筈



アサシン「私達は戻るのだな?」


商人「地上がオークの襲撃を受けているんだ…商人ギルドに影武者も盗賊の家族も残されてる」


アサシン「ここを突っ切って戻るとでも言うか?」


商人「仕方ないよね…行くしかない…影武者は失えない…次の時代の僕になる逸材だ」


アサシン「フフ次の時代か…」チラリ


狼女「こんな大事を起こしたギャング達も次の時代の子供達…」


商人「そうさ…残りは大人がどうにかするんだ」



ズルズル



オークの子「悪ガキ!!」ダダ


悪ガキ「皆連れて来た…」


子供達「え~ん…え~ん…」シクシク


オークの子「皆トロッコに乗って!!」



リリース!! スゥ



盗賊「やべぇぞ!!キラーマシン倒すだけじゃもう抑えきれん」


商人「盗賊!!事情が変わった…僕達は徒歩でこのまま帰る」


盗賊「何ぃ!!お前向こうのクロスボウの数半端ないぞ?」


商人「良いんだ…子供達を逃がす為だ」


盗賊「マジかよ…」


アサシン「クックック…毎度の事ながら苦難の道ばかり選ぶ…」


商人「出発だ!!子供達は早く乗って」


盗賊「おら小僧!!お前もだ!!」グイ



悪ガキ「痛い!!くぅぅぅ」


オークの子「悪ガキ?何処か怪我を?見せて!!」


悪ガキ「大した事無い…」



盗賊「お前がリーダーだな?行くなら行くでサッサと出発させろ!!後は俺らが何とかする」


オークの子「キ…キラーマシン!!トロッコを動かせ!!」


キラーマシン「プシューーー」ガタコン



ゴロゴロ ゴトゴト



盗賊「おっし!!アサシン!!リカオン!!切り抜けるぞ!!」


商人「これだけ持って欲しい…」ヨタヨタ


盗賊「ぬあぁぁぁ…古代のエネルギーか…くっそ!!貸せ!!」グイ


狼女「私が先頭を行く…付いて来て」シュタタ



オークの子「ここから2つ目のマンホール!!そこに抜け道ある!!」



狼女「フフやっと話した…知ってるから心配無用!!行くよ!!」シュタタ


盗賊「じゃぁな!?お前等も上手く切り抜けろ」ダダ




ガタンゴトン ガタンゴトン ゴーーーーー




悪ガキ「…」---間違いない…あの人は僕の父さんだ…同じ名前で呼ばれてた---


悪ガキ「…」---なんて声を掛ければ良かったんだろう---


悪ガキ「…」---僕の事を知らなかった---



--------------


--------------


--------------




『地下水路』



ピチョン ポタ



狼女「オークが上を走り抜けて行った…」クンクン


盗賊「こんな抜け道有ったんだな?」ピチャ


商人「ここは地下路線図に書かれて無いね…ギャング達が隠れ潜んだ場所なんだろうね」


盗賊「方角的には線路と平行して続いてる…歩いた距離からして…」


商人「進入禁止の向こう側に出てくれれば良いけどね…」


盗賊「そういや商人!お前が持ってた古代の兵器はどうした?」


商人「あぁアレはあの科学者にあげた…落ち着きの無い人だったから渡せば大人しくなると思ってさ」


盗賊「マジか勿体無ぇな…」


商人「まぁ僕達はあと2つ有るから良いじゃ無いか」


狼女「ちょっと待って…話し声が何かおかしい」


商人「んん?」


狼女「なんか地上の市街地が壊滅的な状況って…」


商人「え!!?ただオークが攻めて来たんじゃないの?」


狼女「すごく混乱してる…」


商人「ギャングのリーダーからあまり聞き出せてないんだよなぁ…」


アサシン「一難去って又一難か?…いつも通りだな?」


盗賊「早く帰ら無ぇと娘達にどやされるんだが…」


狼女「もうそんな状況では無さそう…」


商人「ちょっと急ごう」タッタッタ




『チカガイ居住区』



ゴトン ズズズ



盗賊「ほーーこんな所に通じてたか…」ピョン スタ


商人「これは他にも沢山ありそうだなぁ」ヨッコラ


盗賊「アサシン!!手を」グイ


狼女「早く進んで!!」ピョン シュタ



ザワザワ ガヤガヤ


砲撃が止んだらしい…


どうする?荷を外に置きっぱなしなんだ


出入口は避難でごった返して…



盗賊「砲撃だと?」


商人「やっぱり只事じゃない…」


盗賊「ホームから向こうは人がえらい事になってる…他に道は知らんか?」


商人「有るにはあるけれど許可証が無いと通れない」


盗賊「因みにどこよ?」


商人「シェルタ砦から軍港まで連絡通路があるんだ…無理だよ」


盗賊「ぬぁぁシェルタ砦か…無謀すぎるな」


商人「仕方ない…ゆっくり出るしか無いね」




『外へ通じる階段』



ザワザワ 


怪我人の応急処置の為スペースを開けてくれぇ!!


包帯!!包帯を持ってこい!!



盗賊「おぉ悪いな?通してくれ…」グイ


商人「もう軍が統制取れないくらい混乱してる…」


狼女「あちこちで声がしてて訳が分からない」


盗賊「出口は直ぐそこだ!!急ぐぞ」スタ




『地下入口』



モクモク メラ


雪だ!!雪を撒いて消化しろ!!


怪我人を損壊して居ない建屋に引き入れろ!!


ザザー


こちらB4…敵を見失った…南側の丘陵を西の方へ向かった筈だ


こちらC12…8番地区から逃走したオークはトロッコを用いて移動している模様


こちらD1…気球部隊で索敵を実施する




盗賊「なんだこりゃぁ…」アゼン


商人「あぁぁ…商人ギルドの建屋が倒壊してる…」


アサシン「西側の地区が被害に遭った様だ…東側の港はまだ使える」


商人「これを…ギャング達が主導した?そんな事が子供達に…」ボーゼン


盗賊「違うな…オークの計画にギャングが利用されたんだろ」


アサシン「うむ…不利を知ったオークは決死で敵の本拠地を攻める…これで遠征している部隊を下げざるを得ない」


商人「海軍の居ないタイミングを見計らって?」


アサシン「フフ…これが結果だ」


商人「海軍が居ないのをリークしたのもギャング達…そういう事か…」


アサシン「子供達の力を甘く見ていたのだな」


盗賊「おい!!悠長な話してる場合じゃ無いぞ!!娘達の安否確認だ!!」


商人「そうだ!!まずそれだ」タッタッタ



兵隊「おいお前達!!何処に行く!!」



盗賊「悪いな兵隊さん…家族を探しに行くんだ…どいてくれ」


兵隊「又砲撃が始まるかも知れん…地下への避難を急ぐのだ」


盗賊「分かってる!!とりあえず家の確認だ…行かせて貰うぜ?」タッタ




『倒壊した商人ギルド』



タッタッタ…



商人「信じられない…」ボーゼン


盗賊「見ろ…砲弾じゃなくて投石だ」


商人「誰かぁ!!誰か居ないかぁ!!」ヨロ


アサシン「見事にバラバラだ…」


盗賊「西側からじゃ丁度当てやすい…良い的になった様だ」


狼女「下!!下で声がする…」


商人「下?…そうか!!僕の隠れ家…」


盗賊「裏口から入れるだろ」


商人「鍵は内側からカンヌキ…」


盗賊「んなもんこの剣で簡単に開く…いくぞ!!」ダダ




『裏口』



スパ ギギーーー



商人「誰か居るかぁ!!」スタ


盗賊「リカオン…アサシンも先に入ってくれ」


アサシン「うむ…」スタ


盗賊「俺はカンヌキを直してから行く」ガチャガチャ



娘「商人!!無事だったんだね?」



商人「良かった…みんな砲撃に巻き込まれて居ないかい?」


娘「爺ぃは?」


商人「居るよ…今裏口の扉直してる」


娘「爺ぃのお陰で家族全員集まってたのさ…」


商人「そうか…影武者は?」


娘「奥で蹲ってる」


商人「ちょっと皆居ると狭いな…」


娘「隠し部屋が有ったから助かったんだよ」


商人「まぁ通路も上手く使って休んで」


娘「外はどうなってるの?」


商人「ひどいもんさ…今はゴタゴタしてるから出ない方が良い」



盗賊「いよう!!無事だったか!!」ガシ



娘「マジ死ぬかと思った…」ウルウル


盗賊「何言ってんだ…次行く場所を考えとけ」


娘「船ある?」


盗賊「そういや俺の船何処行った?」


商人「ハハ今頃海で荷物運んでるさ」


盗賊「参ったなぁ…まぁとりあえず飯でも食おうぜ?」


娘「そんなの無いよ…」


商人「あ~ワインなら僕の隠し部屋にあるよ」


盗賊「おぉぉソレよ…それで十分だ」


商人「まぁ奥に行こうか…」




『隠し部屋』



カクカク シカジカ



商人「兎に角無事で良かった…」


影武者「こんな事になってしまって本当に残念です…」プルプル


商人「まぁ支店の方は無傷だしやり直しは利くさ」


影武者「2台の気球はどうなったのか知りませんか?」


商人「あぁ…見て無かったな」


アサシン「東の方は投石が届いて居ないから無事の可能性が高い」


商人「ふぅむ…気球が無事なら一旦ここを離れるのもアリだな」


盗賊「ハテノ村に人駆が必要なんだが…」


商人「子供達ばかりで?」


盗賊「10歳超えたら十分働ける」


商人「全員分の食料がねぇ…」


盗賊「この分じゃキ・カイはしばらく混乱状態が続く…商船も入って来ないんだろ?」


商人「う~ん…じゃぁこうしよう…一旦皆でハテノ村に避難…」


商人「食料の仕入れは大型の気球で海士島か地庄炉村で入手」


盗賊「まぁ北の大陸まで買い入れに行っても良いけどな?…港町辺りによ」


商人「とりあえず今晩の食事をどうするか…」


影武者「運送する予定だった物資が気球に積まれている筈です」


商人「お!?何が積んである?」


影武者「一通りの食材と生活必需品その他諸々…近隣の村へ運ぶ予定でした」


盗賊「なんだ丁度良かったじゃ無ぇか…こんな穴倉に居るより気球の方がよっぽど快適だ」


商人「善は急げとも言うな…」


盗賊「夜まで待ってサッサと移動しちまおうぜ?」


商人「ふむ…ここにある資産は皆で運べば一回で行けるな」


盗賊「どんだけあんだ?」


影武者「ギルド資金で20000金貨と商人さんの分が4000金貨程…」


盗賊「ぶは…それを運ぶのは荷車が必要だ…まぁ良いや…袋に入れて俺がハイディングで運ぶ」


商人「まぁ後は皆で手分け出来るように整理しておくよ」


盗賊「金運んだあと俺は見張りで気球に居るから夜中に全員で来てくれ」


商人「分かった…」




『夜_大型気球』



ヒュゥゥゥ…



盗賊「遅せぇなアイツ等…」グビ ウィー


盗賊「この辺に避難してる奴らも沢山居るんだからサッサとくりゃ良いのに」



シュタタ シュタ



狼女「もう直ぐ来る」


盗賊「おぉ待ちくたびれた」


狼女「この気球の操作教えて…どうせ向こうの気球は私が操作するよね?」


盗賊「あぁそうなるか…」



この気球はな…左右に張った縦帆で推進するんだ


上空に上がったらこのロープ引っ張って帆を張る…結ぶ場所は此処な?


ほんでだ…帆の角度が重要なのよ


そこの柱に引っかけがいくつもあるだろ?


風の具合に応じて引っかける場所を変える訳よ…まぁ習うより慣れろ…兎に角自分で工夫して早く進める


あと重要なのが風を受けると船体が傾く


そうすると折角の推進力が無駄になるんだ


そうならない様にするのがプロペラ…こいつで船体が傾かない様に上手く調整する



狼女「プロペラが2つ付いて居る理由は?」


盗賊「船体の傾く方向でどちらを強く回すか選択しろ」


狼女「なるほどね…」


盗賊「まぁとりあえず俺が先行すっから上手く付いて来い」


狼女「分かった…向こうでちょっと準備しておく」


盗賊「おう!!」




『数分後』



ゾロゾロ



商人「荷物は全部荷室に入れて…書物はこっち」


盗賊「いよーーやっと来たな?」


商人「僕は盗賊の気球で良いね?」


盗賊「まぁ好きにしろ…てか人が多く無いか?」


商人「娘の友達夫婦も行く事になった」


盗賊「男手が必要になる事もある…向こうに乗せてリカオンのサポートもやらせてくれ」


商人「わかった…」


盗賊「おいリカオン!!そろそろ球皮膨らませろ!!」


アサシン「フフ大声を出すな…私が伝える」


盗賊「さっさと乗れぇ!!」グイ シュゴーーーー



ゾロゾロ ワイワイ



子供「うわぁ!!高~い!!」


盗賊「落ちんなよ?暗いから足元に気を付けろ」


影武者「僕はこちらの気球に乗ります」


盗賊「全員乗ったな?」


商人「乗ったぁ!!扉閉める」


盗賊「ようし!!出港だ」グイ 



シュゴーーーーーー フワフワ




『上空』



フワフワ



盗賊「リカオンの気球はちゃんと着いて来てるか?」


商人「見ておくから操作に集中して良いよ」


盗賊「こりゃ逸れんように気を付けんとな…帆を張って来る!!」ダダ


商人「影武者も良く見ておくと良い…君の気球なんだから」


影武者「はい…」メモメモ


商人「リカオンの気球も帆を張り始めたな…やっぱりセンスがあると違うなぁ」


盗賊「アイツは俺の声が聞こえてんだよ…」ドタドタ


商人「ハハそうだね…悪口言えないね」


盗賊「リカオン聞こえてるか?とりあえず進路は南西だ…朝日が昇るまでゆっくり進むから先ずは慣れろ」



--------------


--------------


--------------




『数日後』



ヒュゥゥゥ バサバサ



盗賊「あんにゃろう…距離を詰めて来やがった」グイ


商人「リカオンと勝負の最中かい?」モグモグ


盗賊「そうよ…俺を抜かしてみろと言ってみたら距離詰めて来やがった」


商人「それは負けられないねぇ…」


盗賊「アイツは風を読む勘がある…俺より先に帆を操作してんのよ」グイ バサバサ


商人「風の匂いとか言ってたなぁ…」


盗賊「うむ…大事な事だ…それより魔女と貝殻で話したんだろ?何か言ってたか?」


商人「あぁ大した話じゃ無い…向こうは物資調達で一旦名もなき島に行くと言ってた」


盗賊「やっぱ物資が無いのか…」


商人「食料だね…ハテノ村が困窮しているらしい」


盗賊「誰か住んでるんか?」


商人「教会に老夫婦と子供だけで働き手が居ないんだとさ」


盗賊「俺らも到着したら速攻調達に行かんとな…この人数じゃ1ヶ月で底を着く」


商人「小麦が欲しいね」


盗賊「今の季節だと北の大陸まで行かんと買えんわな」


商人「この気球でどの位かかる?」


盗賊「早くて一週間ぐらいか?…往復で2週間…結構掛かるな」


商人「積載量考えると船には遠く及ばないか…」


盗賊「女海賊の飛空艇で回数運んだ方が効率良いかもしれん」


商人「どのくらい運べる?」


盗賊「水満タンの樽で5杯だった筈だ…小麦なら10袋って所か」


商人「ふむ…ここは一回僕が港町まで行って商船の手配をした方が良さそうだ」


盗賊「新しい交易か?」


商人「うん…ちょっと女戦士に相談してみる」


盗賊「女戦士?」


商人「海賊の基地を商船の交易ルートに出来ないかってね」


盗賊「ほう?」


商人「キ・カイからすると密輸になるね…海賊の基地から色んな所に物資移送が出来るようになる」


盗賊「なんかキ・カイに近いし海軍が動きそうでヤバく無いか?」


商人「もっとドワーフの領土に近い場所で交易が出来たらなぁ…」




『ハテノ村上空』



ヒュゥゥゥ バサバサ



盗賊「いやぁぁ…本当何も無い所だ…」


商人「冬だからそう見えるんじゃない?」


盗賊「前に来た時はもっと人が生活してる痕跡が有ったんだが…」


商人「ほら?一応温泉の煙は出てるじゃ無いか」


盗賊「噴火と戦争のせいでみんな出て行っちまったんだな…」


商人「まぁ仕方ないさ…教会見えて来たね」


盗賊「降ろすのは教会の横だな?」


商人「うん…あの辺しか人が居そうにない」


盗賊「まぁ良いや…高度下げる」グイ





『ハテノ村』



フワフワ ドッスン



商人「僕は教会に行って少し話をして来る」


盗賊「おう…俺らは子供連れてちっと周り見てくんな?」


商人「影武者!君は僕に付いて来て」


影武者「分かりました…」



盗賊「お~い!!お前等ぁぁ!!焚火すっぞ!!」



子供達「わ~い!!」キャッキャ





『焚火』



メラメラ パチ



盗賊「おらぁ!!雪だるま作ってそこに並べろぉ!!」


アサシン「何も無い村だな?」スタスタ


盗賊「ヌハハまぁ…見ての通りよ」


アサシン「さてどうしたものか…」


盗賊「んん?盗賊ギルドの事か?ほったらかしでこんな辺境に来ちまったもんな?」


アサシン「ギルドはアヌビスに任せているからそれ程心配はしていない」


盗賊「じゃぁこの困窮した村をどうするってか?」


アサシン「フフ…村だけでは無い…此処に居る子供達全員…今は難民状態なのだぞ?」


盗賊「違い無ぇ…」


狼女「…」シュタタ クンクン


盗賊「いよう!!どうした?何か居るのか?」


狼女「何処かにシカが居る」クンクン


盗賊「おぉ!!そりゃ良い!!」


アサシン「リカオン!狩れるか?」


狼女「勿論」


盗賊「弓持って来て無ぇな…どうやって狩る?」


狼女「これで…」スラーン


盗賊「マジか…お前シカに近付けるんか?」


狼女「ちょっと行って来る」シュタタ


盗賊「弓無しで狩るってそんな事出来るんか?」


アサシン「やらせておけ…シカ狩りはリカオンに任せて良い」


盗賊「ほんじゃ久しぶりに新鮮な肉が食える…」


アサシン「内臓はリカオンに残せよ?」




『数分後』



タッタッタ



商人「教会で話をして来たよ…寝泊まりは教会を使って良いってさ」


盗賊「まぁ気球を無人にする訳にもイカンから教会使うのは子供達だな」


商人「あと空き家も好きに使えって」


盗賊「もう誰も住んで居ないってか…てか半分埋まってるんだが…」


商人「うん…」


盗賊「娘達ぃ!!教会使って良いらしいぞ!!物資運んでくれぇ」


娘1「ベッドある?」


娘2「水浴びしたいんだけど温泉どこ?」


盗賊「説明メンドクサイ訳よ…さっさと子供達連れて教会行け!」


アサシン「では私は少し辺りを見回って来る…」


盗賊「川の上流に温泉が有るからどんな感じか見て来てくれ」


アサシン「分かった…」スタ


盗賊「さぁて…俺はちっとこの辺の整理でもするかぁ」ノソリ





『木こり』



ブン! スパッ!! メキメキ…ドサーーーー!!



盗賊「…」ブン ブン



”イノシシの肉焼けてる…持って行って!” 


”忙しい忙しい…”


”ふぅぅぅやっと酒にありつける…カウンターに座るぜ?”


”盗賊さんお疲れでし!!”


”例の酒くれ!!早く飲みてぇ”


”分かってるでしゅ…どうぞ!!”



盗賊「赤毛の…子供達…」---夢か?---



スタスタ



アサシン「何を呆けているのだ?」


盗賊「んぁ?…あぁ何でも無ぇ…」---誰だったのか思い出せ無ぇ---


アサシン「こんなに木を切り倒してここをどうする?」


盗賊「おぅ…気球発着に邪魔だったからよ…ちゃんとした広場作ってんのよ」


アサシン「原生の木に限りが有るから伐採し過ぎん様に…」


盗賊「分かってる…これで終わりだ」


盗賊「上流の温泉見て来たか?」


アサシン「うむ…近くの小屋もまだ使える様だ」


盗賊「おぉ!!そら良い!!」


アサシン「周囲は雪が溶けて冬だと言うのに植物が生えて居る…意外と住みやすいかもしれん」


盗賊「確か珍しい薬草が生えるんだ…子供達に採取させるわ」---ん?なんでそんな事知ってる?---




『夜_気球』



シーン…



盗賊「な~んか荷物全部降ろしちまったら5人じゃ広すぎんな?」グビ


商人「そうだねぇ…子供達居ないとこんなに寂しいんだね」


盗賊「全員教会で寝てんのか?」


商人「子供達はそうだね…大人は空き家使うって言ってた」


盗賊「俺らはここで良いとして…当面どうするか考えとかんとな」


商人「とりあえず女海賊待ちかな…明日くらいに戻って来れば良いけど」


盗賊「俺はどうすっかなぁ…明るくなったら近くの村探して物資調達でも行って見るか…」


商人「あーそれなら影武者連れて行って気球の操作やらせて貰えないかな?」


盗賊「おぉそうだな…一台は影武者の物だからな」


狼女「私はもう一台の気球使って狩りに行って来る」


盗賊「ならアサシンと一緒に行け…てかついでに操作方法教えといてくれ」


アサシン「それには及ばん…もう習得済みだ」


盗賊「そうか…でも狩りは危無ぇから2人で行け」


狼女「分かってる…シカ狩って運ぶのが大変なんだ…気球使えばラク」


盗賊「なるほど…」


商人「じゃぁ僕は硫黄鉱山でも探しに行くかな…」


盗賊「ツルハシ無いと何も出来んが?」


商人「破壊の剣が有るじゃ無いか…硫黄が入手出来たら色々使える」


影武者「え!!?硫黄が…もう手に入る?」


盗賊「お?やる気出したか?」


影武者「硫黄が有れば何処とでも取引が…」


商人「そうだねぇ…硫黄が世界の勢力バランスを変えてしまうくらい重要な物になってるね」


盗賊「火薬か…」


商人「あと酸だよ…」


影武者「どのくらい埋蔵して居るのか気になります…」


商人「それも見て来るさ…楽しみにしてて」




『翌日_硫黄鉱山』



ヨイショ ヨイショ ドサー ゴロゴロ



商人「めちゃくちゃ沢山取れるじゃないか…」


商人「破壊の剣でサクサク切り取れるからね…運ぶのに荷車が欲しいなぁ…」



女海賊「お~~~い!!」スタタタ



商人「んん?あ!!女海賊!!戻ってたんだね」


女海賊「ハァハァ…皆何処行ったのさ!!」


商人「気球使って物資調達に行ってるよ」


女海賊「あんた一人で硫黄掘ってんの?ツルハシ持って来てたん?」


商人「いや破壊の剣で露出してるやつそぎ落としてるんだ」


女海賊「うわ反則…」


商人「でも掘り進むのは厳しいかも」


女海賊「道具が何も無かったからさぁ…わざわざ名も無き島まで取りに行ってたんだよ」


商人「なんだ食料調達じゃ無かったんだ?」


女海賊「一応積めるだけ積んで来たけどちょっとしか無い」


商人「魔女達は?」キョロ


女海賊「魔女と情報屋は教会…お姉ぇは温泉」


商人「そっか…まぁ合流出来て良かった」


女海賊「あのさ…灰で埋もれた古代遺跡掘り起こすの子供達じゃ無理じゃね?」


商人「まぁ…盗賊が何とかしてくれるんじゃない?」


女海賊「前にローグと一緒に掘ったんだけどさ…メッチャ大変だったんだよ」


商人「ハハまぁ今度は場所分かるよね」


女海賊「分かんないよ!!全然地形変わってるし…」


商人「う~ん…大人の手が欲しいね…」


女海賊「まぁ良いや…とりあえず丁度硫黄が欲しかったんだ」


商人「ここまで飛空艇持って来れる?これ運ぶの大変だよ」


女海賊「おけおけ!!持ってくるからちょい待ってて」ピューー




『ハテノ村_広場』



フワフワ ドッスン



女海賊「お!!?お姉ぇ温泉出て来たんだ…ちょい来て!!」


女戦士「どうした?」スタスタ


女海賊「これ見て…商人が一人でこんなに硫黄掘ったらしい」


商人「いやいや露出してるのを切り落としただけだから…」


女戦士「これは…純度の高い硫黄」


女海賊「だよね?黄鉄鉱から抽出しないで取れるって事だよ」


女戦士「鉄鋼と石炭は無いのか?」


商人「別の坑道にあると思う…硫黄取るのを優先しただけさ」


女戦士「硝石を入手すればここで大量に火薬が作れるな…」


女海賊「てかこれパパに来てもらった方が良いかも」


女戦士「うむ…ただ連絡が取れんのだ」


商人「この硫黄を元手に小麦とか買おうと思ってたんだけどさ…」


女海賊「あーーー小麦はシン・リーンだね」


女戦士「魔法で需要はあるから必ず売れるな」


商人「そうそう…女戦士に相談したかったんだけど」


女戦士「んん?」


商人「商船を使った交易を何処か近い場所でやりたいんだ」


女戦士「あぁ…ここの川を下った河口に幽霊船を待機させる予定だ」


商人「お?」


女戦士「その近場の漁村を物資運搬の拠点にと画策していた所だ」


商人「そこに商船も入りたいんだけど…」


女戦士「構わん…ただ海賊に襲われん様に私の旗印を掲げて貰う事になるが…」


商人「おけおけ…これでこの村の食料問題は解決する」


女戦士「こうしよう…海の安全は海賊が保証する代わりに硫黄の取り引きは優先させて貰う」


商人「ウィンウィンだね…それで行こう」


女海賊「とりあえずこの硫黄使って爆弾作っちゃうわ」


女戦士「魔女も硫黄を欲しがっていたから少し持って行くぞ?」




『大型気球』



フワフワ ドッスン



盗賊「いよーーう!!戻って来たんだな?」


女海賊「何処行ってたのさ!!てかアンタ居ないと遺跡掘り起こせないんだけど…」


盗賊「まぁ慌てんな…道具無いと何も出来んだろ?」


女海賊「なんか調達して来た?」


盗賊「ちょい南行った所に放棄されたキ・カイの前哨基地があんだ…まぁいろいろ残っててよ」


女海賊「へぇ?」


盗賊「ちっと降ろすの手伝ってくれ…もう一回行きたい」


女海賊「おけおけ…お姉ぇも呼んで来る」ピューーー


盗賊「あ!!アイツ逃げやがった…影武者!!資材降ろすぞ!!」


影武者「僕は商人さんを呼んで来る」タッタッタ


盗賊「あああああ!!てかなんで男は俺しか居無ぇのよ?」ブツブツ



ヨッコラ ガサガサ



盗賊「どるぁぁ!!」ガラガラ


盗賊「ん?…そういや…」



こないだ行った古代遺跡も…


ミイラになってたのは女ばっかだったな…


戦争で死んで行くのは男が多い…


女しか居なくなるってのは末期的な事かも知れんな…


もしかしてそうやって人口が減るんか?…



タッタッタ


商人「呼ばれて来たんだけど何だった?」


盗賊「おぉ荷物降ろすの手伝ってくれ」


商人「うわぁ…一杯積んで来たね…錆びた武器に木箱…あ!!荷車有るじゃ無いか」


盗賊「まぁガラクタばかりだが直せばまだ使えるんだ」ヨッコラ ドスン


商人「降ろすの一仕事だ…」ヨイショ ドサリ


盗賊「ほんで他の奴らは?」


商人「硫黄取りに行くって言ってたよ?」


盗賊「だぁぁぁぁ!!影武者まで逃げやがった…」


商人「硫黄見て目の色変わってね…」


盗賊「まぁ良い!!これ降ろしてもう一回資材取りに行くぞ!!」




『夕方_教会』



ワーイ キャッキャ


これ!!文字の書き取りを終わらせてから遊ぶのじゃ!!



爺「いやいやすっかり体の調子が良くなってのぅ…」


婆「皆さんのお陰でちと元気が出て来ました」


女海賊「元気になって良かったじゃん」モグモグ


情報屋「食事を持って来ました…どうぞ」


爺「何から何まで…本真にありがたや」パク


女海賊「ほんでさ?勝手に硫黄掘って良い感じ?」


爺「もう領主様も居らん廃れた村なもんで自由にしなされ」モグ


女海賊「やったね!!」


商人「この辺は今オークは来ないのかい?」


爺「暗黙のルールがありましてな…オークに石なぞ投げなければ襲っては来んのです」


婆「オークの村に行った者も居りますで仲良くなれれば良いのですが…」


女海賊「ふ~ん…まぁオークが襲って来ないなら割とこの村安全だね」



スタスタ



影武者「戻りました」


女海賊「あ!!あとアンタで最後!」


影武者「え?」


女海賊「病気の予防でみんなに線虫掛けてるのさ」


商人「影武者もやって置いて貰った方が良いよ…たまにガーゴイルが来て疫病持ってくるらしい」


影武者「線虫とは?」


女海賊「体の毒を食べる虫…これで教会の爺ちゃんと婆ちゃんの調子が良くなったんだ」


影武者「虫…苦手です」


女海賊「平気平気!!行くよ?いでよ線虫!!毒を食べちゃえ!」ニョロリ


影武者「え!!?」ニョロニョロ


商人「最初気持ち悪いけど直ぐ気にならなくなる」


影武者「目に…ぁぁぁ目の中に…」ゴシゴシ


女海賊「あんたの場合いろいろ体の調子悪そうだからきっと良くなるよ」


影武者「もう…こんな事止めて下さい…ハァハァ」


商人「まぁまぁ…害は無いから落ち着いて」


女海賊「ほんでさ?お姉ぇはまだ硫黄掘ってんの?」


影武者「今日は硫黄と過ごすとか…」


女海賊「あぁぁ悪いクセが…」


商人「ハハ砂鉄に埋もれたり変な趣味を持ってるね…今度は硫黄に埋もれるのか…」




---------------



ドタドタ



盗賊「よう!!女海賊!!おもちゃ持って来たぜ」ポイ


女海賊「お!?何コレ?」パス


商人「あぁ忘れてた…古代遺跡で見つけた古代の兵器だよ」


盗賊「どうにかして使える様に出来んかと思ってな?」


女海賊「おぉぉ!!なんか変なデバイス付いてんな…もしかしてインドラの銃?」


商人「そんな感じ…情報屋が言うには光エネルギーじゃなくて別のエネルギーじゃないかって」


女海賊「別?何だろう?」


情報屋「プラズマの類だと思うわ…光が青白いのよ」


女海賊「プラズマ…雷の魔石有ったっけ?」


商人「僕が持ってる…気球に積んで在るよ」


女海賊「おけおけ!!ちょいバラしてみる…ほんじゃバハハーイ!!」ピューーーー




---------------



ワーイ ギャハハハ


これ!騒ぐな…耳を澄ませて妖精の声を探すのじゃ


妖精の声はのぅ…大人になってからでは聞こえ難うなるのじゃ


今の内に聞けるようになっておくが良い



盗賊「魔女は先生か何かやってんのか?」グビ


情報屋「意外と子供の面倒見が良いのよ…子供は嫌いだとか言ってたのに」


商人「アレで資質見てるんじゃない?」


情報屋「そうね…子供達の中に魔法使い向きの子も居るかもしれないし…」


盗賊「ほんじゃこの教会は魔法学校って所かヌハハ」


商人「自衛するなら魔法も使えた方が良いよね」



スタスタ



アサシン「戻ったぞ…ふぅ…盗賊!ワインをよこせ」グイ


盗賊「遅かったじゃ無ぇか」


アサシン「生きたままシカを連れ帰るのに手間取ってな」


盗賊「おぉ!!もしかしてヘラジカか?」


アサシン「そうだ」


盗賊「マジか…てか気球には乗らんだろ」


アサシン「ロープで吊って運んだ…なかなか手間が掛る」


盗賊「ヌハハすげー事やったな…ほんで今どっかに繋いでるんだな?」


アサシン「うむ…川辺の雪が無い所だ…リカオンが言うには餌になる植物が生えて居るらしい」


盗賊「ようし!!これで土砂運ぶのが捗る」


アサシン「明日から穴掘りを頑張るのだな」


盗賊「何他人事みたいな事言ってんだよ…」


アサシン「私が穴掘りをやるとでも思って居るのか?」


盗賊「おいおい…」


アサシン「今日は生きたシカ一匹捕らえただけだ…明日は食肉になる獲物を探す」


盗賊「んぁぁぁ…まぁそうだな…人数多いから狩りで食料調達も重要だわな」


アサシン「さて…傷んだ体を魔女に癒して貰おう」スック




『夜』



ホーホー コロコロ ホー バサバサ



情報屋「…それでギャング達はオークと共にキ・カイを出たのね?」


商人「うん…もう引き留めようが無かったんだ」


情報屋「あの子…」プルプル


商人「正直ギャング達があれだけ自立出来ているとは思って無かった」


情報屋「私どうしたら…」


商人「心配だろうけど彼等ならやっていけると思う…オークも相当賢い」


情報屋「キ・カイの商人ギルドはもうやっていけないからこっちに?」


商人「地上の破壊のされ方が半端なくてね…しばらく商売所じゃない」


情報屋「想像出来ないわ…」


商人「オークロードの投石で商人ギルドの建屋が倒壊さ…市場も酒場も全部無くなった」


情報屋「そんなに…」


商人「地上と地下からの同時攻めをギャング達が引導したんだ…想像以上の統率力だ」


情報屋「まだ子供だと言うのに」


商人「いや…ギャングの中には影武者と同年代の大きな子も居るんだ…もう立派な組織だよ」


商人「僕だって小さな頃から盗賊の後ろで何かとやってた」


情報屋「そうね…認めなくてはね…」


商人「実はね?君の子は一人で僕の隠し部屋にドロボーに来たんだ」


情報屋「あの子には何も教えてないわ?」


商人「自分で調べたんだよ…裏口のカンヌキまで自分でどうにかしてさ…凄くないかい?」


情報屋「泥棒って…何かを盗みに?」


商人「キラーマシンにされた友達の脳を…たった一人で助けに来た」


情報屋「一人で…」


商人「僕にダガーを向けてさ…友達を救うその姿は盗賊にそっくりだった…僕はね?未来を感じたよ」


情報屋「…」


商人「子供達の世界がもう始まってる…勇者たちが残した未来を見た」


商人「彼等は今…未来を歩き始めたんだ」



---未来が始まった---




『翌日_鯨型飛空艇』



ヨッコラ ドサ!!



商人「…ねぇ聞いてる?商船を手配する為に北の大陸まで行きたいんだ」


女海賊「ハイハイ…聞いてる聞いてる」カチャカチャ


商人「この飛空艇は君が操作してくれないと行けないじゃないか」


女海賊「私忙しいんだ…アンタでも操作出来るから行けば良いじゃん」カチャカチャ グリグリ


商人「だったら操作の仕方教えて欲しい…」


女海賊「うっさいなぁ…使って覚えろ」



スタスタ



情報屋「私が操作できるから私も行くわ…」


商人「あぁ…君も色々忙しそうに…」


情報屋「丁度暁の使徒に関する書物を取りに行きたかったのよ…」


商人「そういう事ならお願いしようかな…情報屋も居るなら帰りに名も無き島でホムンクルスを目覚めさせるのも行ける」


女海賊「ん!?ホムちゃん起こせる?」


商人「古代のエネルギーは手に入れたんだ」


女海賊「おぉぉ!!そういう事早く言って!!」


商人「じゃぁとりあえずダッシュで港町まで行って商船手配する…その後名もなき島…これで良い?」


女海賊「おけおけ!!でも今忙しいから飛空艇の操作は情報屋お願い」


情報屋「分かったわ…」


商人「お~い!!影武者!!」



タッタッタ



影武者「何か?」


商人「ちょっと北の大陸まで商船手配に行って来るからハテノ村の物資管理を君に任せたい」


影武者「わかりました…取り急ぎ塩の調達をお願いします」


商人「分かった…思いつく限り仕入れて来る」


影武者「あと働き手が足りて居ませんので商船でこちらに来られる様に手配もお願いします」


商人「おぉそうだね…そうか人員募集も必要か」


影武者「よろしくお願いします」


商人「もう行くから皆には上手く説明しておいて…じゃぁ!!」ノシ


情報屋「飛空艇飛ばすわよ?」グイ シュゴーーーー



フワフワ




『上空』



シュゴーーーーーー ビュゥゥゥゥ



商人「うわ…なんだこれ…メチャクチャスムーズに飛ぶじゃ無いか…」


情報屋「目的地までの進路は案内してね?…とりあえず北進」スイーーー


商人「これ直進するだけ?ジグザグに行く必要無い?」


情報屋「風に流されてしまう分だけあらかじめ修正して直進するだけよ」


商人「ええと…」


女海賊「真北でおっけ!!風で流されても赤道超えたらまた元に戻る」カチャカチャ ビヨヨーン


情報屋「分かったわ…じゃぁハイディング!」スゥ


商人「スゴイな…操作系を一か所に集約してるんだ…」


女海賊「あのさ…正面からガーゴイルとか激突するかも知んないから一応前警戒しといて」


商人「あぁ分かった…」


女海賊「インドラの銃は使い方分かるよね?」


商人「うん…」


女海賊「じゃ…あとヨロシコ」カチャカチャ



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『翌日』



リリース スゥ



女海賊「おっし!羅針盤確認…ええと進路2時の方向に修正」


情報屋「すこしズレたみたいね…」スイーーー


女海賊「波紋からしてあと狭間入って2時間もしたら陸地見えると思う」


商人「流石に真っ直ぐ飛べると早い…」


女海賊「ちっと古代の兵器を試し撃ちしてく」


情報屋「仕組み分かったのね?」


女海賊「まぁね?磁力でプラズマ拡散しない様にして発射するみたい」


情報屋「エネルギーはやっぱり雷?」


女海賊「そだね…魔石だとエネルギー弱くて充填にちょい時間が掛かるっぽい」


商人「ちょい…というと?」


女海賊「それを今から試す…そこどいて」


商人「あぁ…」


女海賊「ほんじゃ撃ってみる!!いくよぉ!!」スチャ



ピカーーーーー チュドーーン



女海賊「だぁぁぁ何だコレ…飛距離全然出ないじゃん…」


商人「ええ!!?十分じゃ無いか…弾速も早いし爆発だってある」


情報屋「飛距離は300メートルという所かしら?」


女海賊「この手の兵器は飛距離と正確性が重要なのさ…インドラの銃は2キロ先を狙えるよ」


商人「連射は?」


女海賊「やってみる…」カチ カチ



シュン! シュン! パーン! パーン!



女海賊「あぁぁぁやっぱしっかり充填しないと飛距離も威力も弱いね…」


情報屋「いかづちの杖の様な物ね…」


女海賊「ソレソレ…そんな感じ…充填の具合で色々使い分けられるいかづちの杖だね」


商人「魔女の魔法よりも飛距離は出てるっぽいかな」


女海賊「まぁコレあんた使いなよ…クロスボウよりは連射利くからさ」ポイ


商人「ハハ君の期待した性能は無かった訳か…」


女海賊「私はやっぱ実弾のデリンジャーみたいのが好きかなぁ…調整次第でどんどん性能良くなるし」


情報屋「もう一つは私が使うわ?」


女海賊「おけおけ…まぁこれで魔法使い2人居るのと同じだしソコソコ良い武器だよね」


商人「古代の兵隊はこの武器が通常兵装だった様だよ」


女海賊「なんか想像出来る…照準レンズも無いあたり中距離ゲリラ戦用だわ」


商人「こんなの持ち歩いてたら怪しいね…」


女海賊「肩ベルト作ってあげるよ…背負ってマントの中に隠せる」


商人「あぁソレ良いね…」


女海賊「ハイほんじゃ作り物するからもう狭間入って良いよ」


情報屋「わかったわ…ハイディング!」スゥ




『港町_ユートピア』



フワフワ ドッスン



商船「ここは変わって無いなぁ…」


情報屋「街の方は賑わって居そうじゃない…商船も2隻…あっちは豪族の船かしら?」


商人「やっぱり戦争して居ない国は人が集まるね」


女海賊「あのさ…このあばら家ん中にデカいアラクネーが居るから気を付けて」


商人「え?今日はここで寝られない?」


女海賊「掃除しないと無理…てか私が置いて行ったアラクネーなんだけどね」


情報屋「折角だから宿屋に泊って今日は楽しみましょう」


商人「まぁそうだね…情報も集めたいしね」


情報屋「先にお墓参りしてくるわ」


商人「僕も行くよ」


女海賊「う~ん…なんか私はこないだ来たばっかりなんだけどなぁ…まぁいっか」


商人「あぁ君は石化してたから年を取って無いのか…」


女海賊「実感ないのさ…アレから何年も経ったなんて」


情報屋「今更だけど…時の砂の効果ってそういう事だったのよね」


女海賊「ピーンと来たぞ!!何千年も石化したままの可能性もある!!」


情報屋「そうだと良いわね…」


商人「希望はある!!」


女海賊「よーし!!さっさと墓参り終わらせて宿屋いくどー!!」


商人「さっさと…あのね…」



------------


------------


------------




『街へ続く坂道_荷車』



ゴトゴト ゴトゴト



商人「僕は硫黄の取り引きと商船の取り付け行って来るから君達とは別行動だ…夜には宿屋に戻る」


情報屋「宿屋はどれくらいの期間?」


商人「そうだなぁ…今日だけで全部やるのは無理だからとりあえず2日かな…」


情報屋「わかったわ…宿屋取った後は私も書物探しに出るから皆別行動ね」


女海賊「私どうすっかなぁ…」


情報屋「酒場で情報収集とかは?私も後で行くわ?」


商人「君は種が欲しいとか言ってたじゃ無いか…露店を見て回るのも良い」


女海賊「お金持って無いんだけど…」


情報屋「とりあえず金貨2枚…これで買えるでしょ?」チャリン


女海賊「ケチ臭いなぁ…」


商人「後でたんまりあげるから我慢してよ」


女海賊「おし!!白狼ごっこでもして遊ぼう!!」


商人「ダメダメ!!騒ぎは起こさないで…ただでさえ君は目立つ」


女海賊「ムフ…ムフフ…そうだよ目立っちゃうんだよ…しょうがない大人しくしとくわ」


情報屋「じゃぁ私は宿屋行って来るから此処で…」ノシ


商人「うん…気を付けて」ノシ




『広場』



ワイワイ ガヤガヤ


寄ってらっしゃい見てらっしゃい!!フィン・イッシュ産の銀の武器だぁ!!


魔石ぃぃ魔石有るよぉ!!各種触媒品揃えてるよぉぉ!!


アクセサリーは要らんかね?貴族御用達のアクセサリーだよぉ?


大人のウフフな装身具…ほらほら見て行きなぁ!!


ワイワイ ガヤガヤ



女海賊「なんかなぁ…なぁ~んも興味無いなぁ…」ブツブツ


女海賊「…」ボー



なんか…


世界に取り残された感じがする…


身を置いてる環境が違い過ぎて


この幸せそうな世界には


私はもう居られない気がする



良く見たら新しい冒険者が沢山居て…


昔は私もあの中の一人だった


もう一度あそこに戻る為には


記憶と経験をみんな無くしてからじゃ無いとやり直せない…



なんだろうなぁ…この寂しい感じ



女海賊「…」トボトボ



トントン



女海賊「んん?…誰?」


吟遊詩人「もしかして貴方は…あぁ!!間違いない!!お久しぶりです僕を覚えていますか?」


女海賊「あぁ!!リュートの吟遊詩人ね…よう!!」ビシ


吟遊詩人「その後姿を見なくなったので外海調査に行かれたのかと…」


女海賊「まぁ言って来たよ…散々だったけどね」


吟遊詩人「おぉ!!良かったらお話を聞かせて貰えませんか?」


女海賊「なんかメンドイなぁ…」


吟遊詩人「食事は僕が御馳走しますのでどうか…」ペコ


女海賊「まぁ良っかぁ…なんもやる事無かった所だし」


吟遊詩人「では酒場の方に…美味しいシカ肉が有るんです」スタ




『酒場』



ポロロン~♪



女海賊「…ほんで石化して眠ってた訳さ」モグモグ


吟遊詩人「道理であの時のまま若いのですね」


女海賊「てか私ハーフドワーフだから100年くらい経ってもこのままだけどね」パクパク


吟遊詩人「僕はこの通り年を取ってしまって…」


女海賊「男はまだまだこれからじゃね?」シーハー


吟遊詩人「これで又新しい諸事詩を歌えます」


女海賊「ところでさぁ?最近の新しい話題とか無い?」ゴクゴク プハァ


吟遊詩人「そうですねぇ…北の大陸にオークが渡って来ているというくらいですかね」


女海賊「あー南の大陸で戦争やってっから逃げて来てんだね」


吟遊詩人「オークが作物を荒らすので冒険者ギルドの方でもオーク討伐隊を募集していますよ」


女海賊「オークはめっちゃ強いよ?」


吟遊詩人「そうらしいですね…」



バン! ピラピラ



女海賊「んん?」


赤毛の女「あなた!!この手配書に見覚えは!?」


赤毛の男「ダメだって!いきなりそんな事をしたら…どうもすみません」ペコペコ


女海賊「なんこれ?」


吟遊詩人「これは…セントラルの手配書…」


赤毛の女「これ…あなたでしょう?」ユビサシ


女海賊「アハ…なんか随分古い手配書だね…そうそうこれ私」


赤毛の女「ほら!!やっぱり当たってるじゃない!!」


吟遊詩人「ええええ!!?これ特A級手配書じゃ無いですか…懸賞金がスゴイ事に」


女海賊「これ貰って良いの?これもってけばお金貰える?」パク モグモグ


赤毛の女「何言ってるのよ!!私達と一緒にセントラルへ行くのよ!!」


女海賊「なんかメンドクサイなぁ…私はガキと遊んでるヒマ無いんだシッシッ!!あっち行け!!」


赤毛の男「いやぁどうも済みません…多分何かの間違いです」グイ


赤毛の女「ちょっと!引っ張らないで!!」ヨロ


赤毛の男「特A級のウォンテッドがこんな所に居る訳無いじゃ無いか…迷惑だから行くよ」グイ


赤毛の女「セントラルに連れて行けば大金が手に入るのよ!!船だって買える!!」


吟遊詩人「あのーーですね…この方はシン・リーン女王公認の勇者様のお一人でして…」


赤毛の子「あああああ!!この人知ってるでしゅ!!女王様お抱えの吟遊詩人様でし」


赤毛の男「ほら?言いがかり付けると僕達がマズい事になる…行くよ」グイ


赤毛の女「ちょっとぉ!!引っ張らないでって言ってるでしょ!!」


赤毛の子「ごめんなさいでし!!あっちに行って来るです」スタタ


女海賊「…」シラー


吟遊詩人「ハハ飛んだ邪魔が入りましたね…じゃぁ気分直しに僕が一曲演奏を…」


女海賊「お!!?イイね」



ドゥルルン~♪


暁と黄昏は~何故別れたのだろう~♪


暁は月を隠し~黄昏は月を呼ぶ~♪ 


残酷な世界に光を運ぶ月…暁と交わりすべて謎が解ける~♪



--------------


--------------


--------------




『カウンター』



女海賊「ここ座って良い?」


マスター「どうぞ…お連れ様の演奏が始まって話し相手が居なくなりましたか?」


女海賊「アハ…バレバレじゃん」


マスター「お酒の方は?」


女海賊「ハチミツ酒!」チャリン


マスター「かしこまりました…」コトン


女海賊「港町はいつもこんな感じ?」


マスター「そうですね…ここ数年は移民も増えて賑わって居ますね」


女海賊「向こうのテーブルで騒いでるのは豪族だよね」


マスター「ハハお察しの通り…綺麗な女性には必ず声を掛けて来ますのでご注意を…」


女海賊「まだ声掛けられて無いんだけど…なんかムカつくな」イラ



カランコロン



マスター「いらっしゃいませ…お一人様ですか?」


情報屋「あぁ居た居た」スタ


女海賊「あ!こっちこっち!!ここ空いてる」


マスター「お連れ様でしたか…飲んで行かれますか?」


情報屋「同じ物を…」チャリン


女海賊「用事済んだ?」


情報屋「まぁね?…ねぇ聞いた?オークが北の大陸に渡って来てるって」


女海賊「聞いた聞いた…戦争逃れて来てんだよね」


情報屋「オークは船を作る技術が無いのよ?…つまりフィン・イッシュから来てるという事だわ」


女海賊「へぇ?」


情報屋「南の大陸へ返らず北の大陸に来てるのはとても興味深い…」


女海賊「どうして?」


情報屋「昔話になっちゃうけれど大昔にオークは北の大陸にも住んで居た事が有るのよ」


女海賊「森の中にも昔からオーク居るじゃん…あんま珍しくないと思うな」


情報屋「まぁそうね…でもどうして北の大陸に来るのか理由が有ると思うわ」


女海賊「食べ物が豊富だからじゃ無いの?」



時の王の時代…黄昏の賢者という人物が居てそれは多分オークなのよ


黄昏の賢者は暁の使徒と永遠の約束をしていたらしい


でも暁の使徒は約束を破ってしまった…その後暁の使徒は行方不明



女海賊「何の話?」


情報屋「時の王が話してくれた事よ…シャ・バクダ遺跡で…」


女海賊「ほんじゃ今北の大陸にオークが来てるのは何か関係してそうなんだ?」


情報屋「確証は無いけれど気になるの…永遠の約束が何だったのか…どうして約束を破ったのか」


女海賊「暁の使徒って未来の可能性が高いんだったよね…」


情報屋「そうよ…少なくとも私はそう思ってる」


女海賊「なんかさぁ…私逃げちゃってるのかなぁ…あんま信じたく無いんだ」


情報屋「良いのよ…もう死んでるなんて話聞きたくないでしょう?」


女海賊「ああああ!!もう考えるの止める!!」


情報屋「御免なさいね…手掛かりだけ追うのに集中しましょう」


女海賊「うん…」グビグビ ゴク



------------



ウィー ヒック


やってらんねぇぞテメーバーロー ヒック



マスター「ハハそろそろお休みになっては…」タジ


女海賊「誰にも声掛けられてねーっつんだ…ウィー」ヒック


情報屋「女海賊?そろそろ帰りましょうか」



スタスタ



吟遊詩人「あ…すみません…演奏が長引いてしまって」


女海賊「おせーぞコラァァァ」ヨロ ドターン


情報屋「あらら…立てる?」グイ


吟遊詩人「帰りは何処まで?」


情報屋「直ぐ近くの宿屋よ?手伝って貰える?」


吟遊詩人「でしたら僕もそこに泊って居ます…肩を貸しましょう」グイ


情報屋「助かるわ…」


吟遊詩人「以前お会いした事がありますよね?」


情報屋「フフ覚えていたのね」


吟遊詩人「皆さんの事を諸事詩にして歌って居ますので…」


情報屋「どんなかしら?」


吟遊詩人「また後日…」


情報屋「そうね…今日は宿屋に戻りましょう」




『宿屋』



ガチャリ バタン



情報屋「ちょっと商人…手を貸して」


女海賊「ふごーーー…すぅ」zzz


商人「ちょ…どうしたんだよこんなに酔っぱらって…」


情報屋「たまにはこんな事もあるわ?」


商人「そうかい?それしにても重いな…よっこら!!」ドサ ギシ


情報屋「取り引きの方はどう?」


商人「順調だよ…やっぱりもう一日必要さ」


情報屋「何か手伝う事有る?」


商人「う~ん…そうだ!!光る隕石が落ちた爆心地…今そこに行けるらしいよ」


情報屋「え?」


商人「森の中にポッカリ穴が開いてるらしいんだけど中心の部分がスゴイんだってさ」


情報屋「スゴイというのは?」


商人「地面がガラスのように光ってるんだって…暇なら見てきたら?」


情報屋「見てみたい…」


商人「硫黄の取り引きの方は一人の方が都合良いんだよ…こっちは気にしなくて良い」


情報屋「そう…じゃぁ明日女海賊と2人で見て来るわ」


商人「うん…じゃぁ僕は少し散歩してくる」ノシ




『翌日』



チュンチュン ピヨ



女海賊「あぁぁ昨夜は飲み過ぎた…反省してる」


情報屋「フフ少しは気が晴れた?」


女海賊「なんだっけ?もう忘れちゃたよ」ゴシゴシ


情報屋「もう良いの…それより今日は光る隕石の落ちた爆心地を見に行きたいのだけれど…」


女海賊「お!!?そういやどうなってんだろ…」


情報屋「中心がガラスになっているらしいわ」


女海賊「へぇ?ちょい行って見ようか…てか商人は?」


情報屋「商人は昨夜出て行った切り戻って無いわ…多分取り引きだと思う」


女海賊「そっか…夜中誰かと会ってんだね」


情報屋「いつもの事よ」


女海賊「爆心地まで行って戻って…夕方までには戻れそうかな…ちゃっちゃと行こう」スック





『鯨型飛空艇』



シュゴーーーーー フワフワ



女海賊「おっし!!進路北西!!」


情報屋「荷物が空だと上昇が早いわね」


女海賊「そだね…ちょいアクロバット飛行してみる?」


情報屋「え!!?」


女海賊「ハンモックに乗ってれば大した事無いから…一回経験しとくと良いよ」


情報屋「分かったわ…」ギシ


女海賊「飛行中に古代の兵器どうやって撃つか訓練しといて…じゃぁ行くよ」グリグリ



シュゴーーーーー ギュイーーーーン



情報屋「あわわわ‥‥天地が反対に…」


女海賊「反対まで行って無いさ…この角度でどうやって敵を狙うか…」


情報屋「スゴイ…この機動力は他の気球の比じゃない」


女海賊「これ球皮に熱入ってると地上まで落ちないから割と安全なんだよ」


情報屋「なるほど…なんか分かって来た…確かに射撃するタイミングとか慣れれば行けそう」


女海賊「でしょ?」


情報屋「ねぇ…港町の人達が気付いて騒いでる…」


女海賊「ああああ…ここで遊んでちゃダメだったね」


情報屋「早く爆心地に向かいましょう」



--------------




『光る隕石の爆心地』



リリース! スゥ



女海賊「よっし!!見え…うわっヤバ!!!」


情報屋「なにこれ…見渡せないくらい大きなのクレータになってる…」


女海賊「メチャでかいじゃん…えーと…直径何十キロあるんだ?…」


情報屋「向こうの方が爆心地よ…」ユビサシ


女海賊「ぁぁ…真ん中に水が溜まってるね…」


情報屋「海抜0以下になってるのね」


女海賊「もうちょい高度下げる…地面が光ってるな」


情報屋「熱でガラスになってしまったのね」


女海賊「これじゃもう木とか生えないね…」


情報屋「そうか…だからシン・リーンの東側は不毛の地なのね」


女海賊「んん?」


情報屋「シン・リーンから東の方は広範囲で岩塩地帯…木が一本も生えない…誰も足を踏み入れなくて未踏の地になってる」


女海賊「大昔に光る隕石が落ちた跡って事?」


情報屋「きっとそうよ…しかも何百発落ちたか分からないくらい」


女海賊「マジか…こんなんが何百発も…」



ウンディーネ時代が終わるきっかけになった光る隕石はシン・リーンの東側をすべて更地にした


私達の知らない巨大な文明がそこで滅んだのよ…


その後何千年も草木が全く生えない不毛の大地


きっとそこに溜まった筈の海水がすべて無くなった結果…巨大な岩塩地帯になった



女海賊「ほんじゃ光る夜の時400発全部落ちてたらここも不毛な岩塩地帯になってたんだ」


情報屋「実際目の当たりにするととてつもない破壊だとやっと分かったわ…」


女海賊「これさ…この下に居た動物みんなガラスになっちゃったかな?きっとエルフも沢山居たよね…」


情報屋「想像できない…蒸発したのか…灰になって飛ばされたのか…」


女海賊「なんだろう…自分が生きてるのが急に愛おしく思えて来た」


情報屋「…」


女海賊「こんなに沢山の犠牲があったのにまだ生きてる…そんな感じ」


情報屋「そうよ…生きなきゃ…不毛の地に来て初めて生を知るのね」


女海賊「この世界って残酷だよ…」




『死の海』



シーン… ヒュゥゥゥ…



女海賊「…」テクテク


情報屋「…」スタスタ


女海賊「足元見て…薄っすら積もってる土…」


情報屋「これ…土じゃ無いわ…虫の死骸」


女海賊「うん…虫達が癒そうとしてる…わざわざここに来て死んでる」


情報屋「もしかしてもう一度森にしようと…」


女海賊「そだよ…虫達のお陰でまだここは死んで無いさ…あと何百年掛かるかな…何千年かな…」



ヒラヒラ ヒラリ…



情報屋「雪…」


女海賊「もうすぐ冬が来るかぁ…」


情報屋「あなた…虫の声が聞こえるのでしょう?」


女海賊「分かんない…」


情報屋「そう…」


女海賊「でもね…人間が立ち入って良い場所じゃないのは分かった」


情報屋「え?」


女海賊「犠牲を踏みにじっちゃダメなんだ」


情報屋「人間が作った物でこんな風になってしまったのね…」


女海賊「行こっか…なんか悲しくなるよ…」テクテク



--------------


--------------


--------------




 死の海編


   完


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